馳星周のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
たまにこういうドロドロ・グチャグチャ・卑怯者や裏切りばかり、ヤクザが好き勝手に暗躍する金と欲に塗れた救いようのない小説を読みたくなる。この小説はその期待を裏切らない途中で本を置けない一冊。一気に読んでしまった。日本球界で華々しい成功を収めた投手が、怪我で野球人生転落。台湾で再起を図るが八百長に手を染め、黒道(ヤクザ)に誘われるままに売春宿の経営や他の選手の勧誘など、これでもかというくらいにどんどん落ちてゆく。他の登場人物も合わせ、救いようのないストーリーで、ほっとすることはひとつもない。このタイプの小説が好きな方にはおすすめ。馳星周さんの小説は初めてだったが、とても面白かった。
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Posted by ブクログ
蒼き山嶺 馳星周さん
1.購読動機
山を見たかったからです。
身体の都合もあり、久しく山から遠ざかっています。
そこで、山を舞台にする小説に出会いたく、手にとりました。
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2.馳星周さん
初めましてです。
2021年に出会えてよかった作家さんのお一人となりました。
登場人物が少ないこと。だから、ストーリーに入りやすいです。
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3.「蒼き山嶺」
山岳の描写が力強く、美しいです。
光が差し込む。
吹ぶく。
雪解けの音が聞こえる。
五感に訴求してくる文体の臨場感。
巻末に、馳さんご自身が軽井沢に転居してから、登山に魅了されたとの談話がありま -
Posted by ブクログ
馳星周『神の涙』実業之日本社文庫。
個人的に馳星周と言えば未だにノワール小説のイメージが強いのだが、最近はハートウォーミングな動物小説や社会問題への怒りを描いた小説などでも多くの傑作を書いている。
本作は差別を受けるアイヌ民族や福島第一原発事故の犠牲者といった弱い立場の人びとの存在を背景に家族小説という新たな分野に挑んだ作品である。非常に面白く、結末には感動した。
ある日、北海道の屈斜路湖の近くで孫娘の悠と二人でひっそりと慎ましく暮らすアイヌの木彫り作家・敬蔵の元に尾崎雅比古と名乗る若い男が現れ、敬蔵に弟子入りを志願する。最初は頑なに弟子入りを拒む敬蔵だったが、やがて雅比古の弟子入りを許