馳星周のレビュー一覧

  • 走ろうぜ、マージ

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    いつの間にかありありとマージの姿を思い浮かべ、著者と共にマージを見つめ、呼びかけてしまう。夢中になって読み進めました。

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    2020年07月30日
  • ソウルメイト【電子特別版】

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    馳星周 著「ソウルメイト」、2013.6発行。ソウルメイト=魂の伴侶 ①チワワ、末期癌の妻を癒やすルビイ ②ボルゾイ、悪い4人組から悠人を守る ③柴、3.11福島から野に放たれ9ヶ月、母の肌着の臭いで戻ってくる ④コーギー、虐待され続け捨てられたコーギーに「愛情」で心を開かせた真波 ⑤シェパード、リタイアした警察犬のプライドと優しさ ⑥ジャック・ラッセル・テリア、子供がテリアのボスになるまでの訓練 ⑦バーニーズ・マウンテン・ドッグ、短命な犬種、癌で8歳で天国に。ただ涙。どの話も心に響く話です!

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    2020年07月20日
  • 暗手

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    刮目せよ!
    これこそが馳星周だ。
    暴力と嘘に塗れただけのノワール小説ではない。
    嘘に嘘を重ねて築き上げた人間関係、愛を求める男と女の恋情。
    心を深く抉られる。
    決して気持ちの良い読後感では無いが、それがかえって気持ちを揺さぶる。
    デビュー当時のような作品だが、流石に年月を重ねて表現も重さを増した。
    久しぶりにヒリヒリする作品だった。

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    2020年05月29日
  • 比ぶ者なき

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    ネタバレ

    馳星周の北方謙三化といえば怒られるか。
    藤原不比等という、教科書では父である鎌足や子孫の道長よりマイナーな存在である人物が、実は古代史を塗り替えた張本人であるという説をベースに、物語を構成。とても面白かった。里中満智子「天上の虹」を読み返してみたくなる。

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    2020年05月18日
  • 暗手

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    馳星周『暗手』角川文庫。

    最近は歴史小説や山岳小説、動物小説などを多く刊行していた馳星周が、原点である『不夜城』に回帰したかのようなノワール小説。『夜光虫』の続編。面白い。

    台湾プロ野球界で八百長に手を染め、殺人の罪まで犯した主人公の加倉はイタリアに渡り、顔を変えて『暗手』と呼ばれながら殺人以外の犯罪を糧に生き延びていた。ある日、加倉の元にサッカー賭博の帝王・王天からプロリーグ・ロッコに所属する日本人GK大森怜央を八百長に荷担させろという依頼が入る。

    甦る血の記憶、殺戮への渇望……加倉はどこまで墜ちて行くのか……

    本体価格
    ★★★★★

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    2020年05月01日
  • 比ぶ者なき

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    然程、小説作品が多くはないかもしれない、古代史の世界を背景にした物語なのだが、巨大な野心を胸に大胆な活動を展開したという男の生き様という感である。
    『比ぶ者なき』(ならぶものなき)という題名であるが、これは本作の主人公の名に由来するものである。「藤原不比等」という、「日本史の教科書で、とりあえずその名を視掛けたような?」という人物が主人公だ。「不比等」という名は「等しく比ばず」ということで『比ぶ者なき』(ならぶものなき)なのだ。
    本作の始めの方で、藤原不比等は「史」(ふひと)と名乗っている。寧ろ不遇な状態であるが、大海人皇子(=天武天皇)の後継者と目された草壁皇子に仕えていた。この状況から、『

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    2020年04月18日
  • 不夜城

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    5回以上は読んでいる気がするが、何度読んでも面白い。この小説はハードボイルド小説の傑作と言われているがその通りだと思う。

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    2020年04月04日
  • 暗闇で踊れ

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    2019.09.15~09.20
    闇、だよね。その中でしか生きられない悲しい人たち。

    私は、彼の作品にはこういうものを求めているんだと思う。

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    2019年11月29日
  • 神奈備

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    飲んだくれの母親と二人で暮らす17歳の潤は書き置きを残して御嶽山へと登る。
    彼が山へ登る理由は神様に自分が生まれてきた理由を問いたかったから・・・

    一方、飲んだくれの母親から子供が山に登った事を伝えられる、探す羽目になった強力の孝

    潤と孝の場面が交互に語られる、果たして彼らは無事に山で出会えるのか?


    潤の人生は読んでいて辛くなるかもしれません。でも読まないわけにはいきませんでした。

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    2019年06月02日
  • 雪炎

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    馳氏の綴る北海道の情景は、その冬に暮らしたことがある者でないと体感し難いであろう〝うら寂しさ〟を感じられる。その特有の描写が今作に冠された『炎』を際立たたせている。情景と筋の温度差にぞくぞくとする。

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    2019年04月10日
  • 不夜城

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    学生時代以来、久しぶりに再読。馳作品の良さが詰まった一冊。日本でノワールといえば歌舞伎町以外ない。欧米のギャングものより、アジアのマフィアやヤクザもののほうがヒリッとする感じがたまらない。しっかりと練り込まれたストーリーによって、一気に非現実世界に引き込まれる。

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    2019年01月23日
  • 走ろうぜ、マージ

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    馳さんの愛犬「マージ」が癌に侵され亡くなるまでの日記なんですが・・・こんなん悲しいやつ読めないよ~(┯_┯)こんなに愛されて、精一杯の看病をされてマージは絶対に!幸せだったと思うし、マージとワルテルと一緒に生きる馳さんも幸せだと思う。きっと私には・・・出来てないな。。。(反省

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    2019年01月20日
  • 陽だまりの天使たち ソウルメイトII

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    馳星周『陽だまりの天使たち ソウルメイトII 』集英社文庫。

    シリーズ第2弾。今回も犬をテーマに家族、元家族、或いは未来の家族を描いたハートウォーミングな短編7編を収録。ハードなピカレスク小説の印象が強い馳星周であるが、その対極とも言えるようなハートウォーミング小説でもその実力を発揮している。

    7編の中では『ラブラドール・レトリバー』『フレンチ・ブルドック』の2編が印象深かった。前作でも述べたが、内海隆一郎の一連のハートウォーミングな短編、或いは谷口ジローの『犬を飼う』にも似た雰囲気の短編集である。

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    2018年10月28日
  • 【カラー口絵付】陽だまりの天使たち ソウルメイトII

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    ネタバレ

    犬と人間の短編集なんてきっと自分は泣いてしまうと前作のときもそう思っていたが、今回も予想を遥かに超える号泣をしてしまった。中でもフラットコーテッド・レトリバーのエマの安楽死の話は辛過ぎた。作者は最後の短編で言う。犬は魂の伴侶。亡くなったとしても「魂で繋がっているのだ。哀しむことはない。嘆くことはない。」と。そしてまた新しい子を迎えてと。でも私はどうしても愛するあの子への想いで心が一杯で、まだまだそれは当分出来そうにない。

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    2018年10月23日
  • ラフ・アンド・タフ

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    再読。珍しく主人公が明るいかと思ったら、やはり最後は悲惨。でも希望を持って死んで行く分、今までの作品とは大きく違うのかも。

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    2018年12月28日
  • パーフェクトワールド 下

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    馳星周『パーフェクトワールド 下』集英社文庫。

    下巻。結末は少し呆気なかったものの、ストーリー、登場人物の造形は非常に面白い。登場人物の誰もが心に闇を抱え、一人としてまともな人物が居ないのだ。最初から『パーフェクトワールド』など実現出来ないことは解り切っているのだが…

    いつの時代も政治家は民意を無視し、国民からむしり取った税金を浪費し、さらには良からぬ方法でその富と権力を増大させるという構図は全く変わらない。アメリカに長らく統治された沖縄は、返還ではなく、日本政府によるアメリカからの買取りという無惨な事実、沖縄のリゾート開発に群がる輩…沖縄に派遣された公安警察官の大城は一度道を踏み外したこ

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    2018年04月25日
  • パーフェクトワールド 上

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    馳星周『パーフェクトワールド 上』集英社文庫。

    本土復帰を目前に控えた沖縄を舞台にした馳星周らしいピカレスクの香り漂う作品。これからまだ一捻り二捻りはありそうな予感。結末を読むまでは評価を下せないが、上巻を読んだ限りでは非常に面白い。

    1970年、総理大臣の勅命を受け、本土復帰を控えた沖縄に派遣された公安警察官の大城は混沌とする沖縄で暗躍する不穏分子の捜査にあたるが…

    大城が捜査の過程で知り得た怒りの事実は大城に一線を超えさせる。

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    2018年04月23日
  • 【カラー口絵付】陽だまりの天使たち ソウルメイトII

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    ソウルメイトⅡです。
    著者の馳さんの飼っているバーニーズは以前飼っていたうちのワンコと出身犬舎が同じだったので、犬舎が主催する集まりやドッグショーで馳さんご夫妻とはご一緒したことがあり、勝手に親近感がわいてます☆

    病と戦う少女と家族に寄り添うトイプー、
    妻に先立たれた老人と一緒にネコを育てるミックス、
    視力を失った偏屈な男に尽くす盲導犬のラブ、
    愛犬の死から立ち直る前に母が次の犬を迎え、心をひらけないでいる娘に天真爛漫に笑顔を振りまくバセット、
    安楽死を選択せざるを得なかった家族と、それでも最後まで幸せだったフラッティー、
    ホームレスで自殺を考えていた男の再生のきっかけを与えた

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    2018年03月29日
  • 煉獄の使徒(上)(新潮文庫)

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    クソ面白い。800ページもあるのに一気に読んだ。オウムをモデルにしてるわけだけど群像劇としてしっかり読ませてくれる。特に児玉がクソ野郎で良い。

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    2018年01月08日
  • 長恨歌 不夜城完結編

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    不夜城サーガ、いや、劉健一サーガ堂々の完結。面白かった!特にラストで自分と同じ男を作り上げようとする健一の暗い情念が明かされる展開がクソ熱い。いつのまにか無双のフィクサー然とした健一に違和感感じつつも引き込まれて読んだ。年末年始の休みにずっと不夜城シリーズ読んでて気分はすっかり流氓、歌舞伎町。流氓ノワール物ってジャンルがあるのかわからないけど、一つの金字塔だと思う。

    ところで、三作目から突然阿なになに(阿基とか)ってニックネーム使い始めたのが違和感あった。なんで前二作では使わなかったのに、と言う違和感。

    それと、人名の中国語読みは数回のルビじゃ覚えられないから適当な日本語読みで読むんだけど

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    2018年01月04日