あらすじ
東日本大震災から一年。三基の原発が立地する北海道・道南市で市長選挙が始まった。元公安警察官の和泉は、「廃炉」を公約に掲げて立候補した旧友の弁護士・小島を手伝うことに。何百億円もの原発利権に群がり、しがみつく者たちの警察ぐるみの苛烈な選挙妨害に、和泉は公安警察時代の経験で対抗。しかし、ついには選挙スタッフが殺され……。「現実」を見つめ続ける馳星周の真骨頂、ここにあり!
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Posted by ブクログ
3.11の後、原発のある北海道某所での市長選…そこに立候補する弁護士と支援する元公安の同窓生。反社会勢力の登場(馳先生的に確実に登場すると想像できますが)で救われないこと覚悟しておりましたが、実際読後の辛さは緩くてホッとしています。…いいな夏の北海道苫小牧
Posted by ブクログ
馳氏の綴る北海道の情景は、その冬に暮らしたことがある者でないと体感し難いであろう〝うら寂しさ〟を感じられる。その特有の描写が今作に冠された『炎』を際立たたせている。情景と筋の温度差にぞくぞくとする。
Posted by ブクログ
馳星周『雪炎』集英社文庫。
反原発のメッセージ小説なのか、ハードボイルド小説なのか、全く残るものが無く、虚しい作品だった。馳星周の作品としてはイマイチの部類だろう。
東日本大震災から一年後、三基の原発が立地する北海道の道南市を舞台に物語は描かれる。元公安の和泉は廃炉を公約に掲げ、市長選挙に立候補した旧友の弁護士・小島を助けることに…
殺人、原発利権を巡る警察組織と暴力団による選挙妨害、マスコミ、SNSと様々なネタを散りばめた割りには、いずれも昇華されておらず、ちぐはぐに感じた。
Posted by ブクログ
社会派ハードボイルドといった感じ。
読んでいる間、とにかく北海道の寒さ冷たさが一番印象に残った。
公安の闇を過去に背負う主人公の和泉。原発、市長選挙、ヤクザ、盛り沢山で、とても引き込まれて読み切ったが、今一つ消化不良のような。
満足感は少し足りなかった。
でもスッキリしない、これが社会の現実なのかも。