馳星周のレビュー一覧

  • 月の王
    色んな要素が絡み合った疾走バイオレンスアクション純愛小説とでもいおうか。第二次世界大戦前夜の魔都上海を舞台にした華族令嬢争奪戦を、人知を超えた太古の昔から不死身として生きる月の王たる大神(狼)明が縦横無尽に暴れ回る痛快さでもって描く。そこに前世で雪と約束した純愛という横糸を入れることで作品の深みも出...続きを読む
  • ゴールデン街コーリング
    爽やか、とはいえないけれど、ほろ苦くすてきな青春小説。登場する飲んだくれたち、どれもこれも愛おしくなる。関西の片隅の学生としては「深夜プラスワン」という名前を聞くしかなかったけれど、そうか、あの頃のゴールデン街てこんな街だったのか。それにしても馳星周、うまいわ。そして、新作の紹介の中で「大神明」なる...続きを読む
  • 黄金旅程

    競馬の表の部分しか見ていなかったが、確生産者・馬主や装蹄師等が携わっている業界の大変さを感じた。
    また栄光を浴びた馬の陰には多くのサラブレッドが消えていっている事も理解した。ある情報番組でスナネコの赤ちゃんのエサが馬肉である事が伝えられた時に、陰に散った馬の末路を想像し、人間の娯楽の為に生まれ、殺...続きを読む
  • 鎮魂歌 不夜城II
    不夜城シリーズⅡも凄かった。前作の一人称一視点の主人公だった劉健一は背後に回り、殺し屋秋生と元刑事滝沢の三人称二視点が節ごとに交替する構成。表だってぶつかるのが、上海の流氓、北京の流氓、日本のやくざ、そして秋生、滝沢なので物語がより複雑。初読の時にはちゃんと摑めていなかった模様。きちんとノートを取っ...続きを読む
  • 生誕祭(下)
    騙し騙され、追い詰められる感じは、こちらも具合が悪くなりそうですがwそこからの馳ワールド全開でラストに向けての加速感は読み出すと止まらなかった。
    上巻でも感じましたが、仕事で行き詰まってる方や仕事でのトラブルで落ち込んでしまってる方には是非読んでほしい。
    不思議と活力が湧いてきますよ。
  • 生誕祭(上)
    金、薬、策略、欲望、エロと過激な部分が多いですが読み出すと止まらない。
    仕事で行き詰まってる方、仕事でトラブルを抱えてる方、仕事でやる気が出ない方には是非とも読んでほしい。
    不思議と活力が湧いてきますよ。

    下巻も楽しみです。
  • 黄金旅程
    男前な物語でした。ハードボイルドな緊張感と夢を追う浦河の人々と孤高のエゴン。馳星周らしいハードボイルドな敬だけでなく、デスペラードだけど、浦河の人たちとエゴンの黄金旅程に寄り添う亮介も魅力的だ。
  • ゴールデン街コーリング
    一昔前の下宿学生の一コマなのか、青春というには泥臭くて、お酒にまみれて、居た堪れない部分もあったりと。でも、気取ってなくて人間らしくて、主人公の姿が若くて。読んでで微笑ましかったな。
  • 比ぶ者なき
    歴史小説だけれど、難しい説明文はあまりなく、ストーリーがほぼ会話で進んでいくのでとても読みやすかった。これがハードボイルドの印象の強い馳星周の作品だなんて!この本に出会えて良かった。続編もあるようなのでそちらも楽しみ。
  • 黄金旅程
    競馬ファンでなくても問題なし。
    北海道の競馬関係者たちの日常、
    ダービー制覇を狙える競走馬の出現により思いが一体化!

    まだまだ馳ノワールから抜け出せない私。
    前科持ちの元花形ジョッキー、悪さするヤクザ、
    彼らは全然暴れません!
  • 黄金旅程
    才能がありながらなかなか勝てない悍馬エゴンウレアに取り巻く人々の物語。北海道で養老牧場を経営し装蹄師でもある平野、前科持ちの元騎手亮介…馬を愛し競馬を愛する人々の奮闘に魅せられる。最後に「黄金旅程」の名で香港のGⅠレースで勝利し子孫に血を伝えていく。競馬に興味がなく、モデルがあることを知らなかった自...続きを読む
  • 黄金旅程
    ステイゴールドと、ステゴにまつわるエピソード、ステゴ産駒のことを知っていれば、物語の中の出来事に「あ〜、あのことがモデルになってるかな?」とニヤッと笑いながら読むことになるでしょう。
  • 比ぶ者なき
    藤原不比等…飛鳥の世にもこんな人が。世の中権力者の都合ばかり、自分の一族の繁栄の為に利用できるものはなんでも利用する。しかも騙しのスケールは国家レベル
  • ゴールデン街コーリング
     馳星周とは、彼が未だ実名の坂東齢人であった数年間に、交流をさせて頂いた。馳星周を当時ぼくはバンと呼び、十歳ほど年下の彼は、ぼくをシュンと呼び捨て、本書の後書きにもある通り、タメ口をきいていた。真夜中まで続く延々酒呑みながらの彼とのチャットは情報量においても感性においても楽しく、ぼくを連日の寝不足に...続きを読む
  • 黄金旅程
    『少年と犬』で直木賞を受賞した馳星周さんの新作。今作は『馬』を題材に競馬の世界の裏方の描いた作品、主人公は北海道で養老牧場(競馬を引退した馬を育てる牧場)を営む平野敬で、元有名騎手で覚せい剤所持で刑務所に入っていた幼馴染の和泉亮介が出所することろからスタート。エゴンウレアという超一流の資質を持ってい...続きを読む
  • ソウルメイト
    現在、犬(それも柴犬)を飼っているからこそ、柴犬のエピソードは特に刺さった。

    ウチはまだ幼犬だが、日々一緒に生活している中で見える仕草や表情など、共感できるものが多くどの話も最後は涙を堪えるのに必死で、通勤中に読むものではないなという感想。

    犬は魂の伴侶(ソウルメイト)。一緒に暮らしているからこ...続きを読む
  • ゴールデン街コーリング
    馳星周の自伝的小説!

    舞台は新宿のゴールデン街、時代は古き良き時代の昭和末期!!!

    こんな街で呑んだくれることが出来たら!
    こんな店で小説のことを語り合えたら!
    こんな人達と毎日出逢えたら!
    どれだけ人生を謳歌しダメ人間(必ずしも悪い意味でなく)に成っていくんだろうなぁと思いました。


    大学の...続きを読む
  • 黄金旅程
    競馬ファンは「ニヤリ」としてしまうことが多いのではないかと。タイトルがすでに現実の競走馬「ステイゴールド」を連想する名前ですし。作中に登場するベテランジョッキー「武藤邦夫」の名前にもニヤリとしてしまいます。息子のほうでないあたり、競馬歴の長さを誇る矜持を感じるというか。
    ただ、あくまでフィクションで...続きを読む
  • ゴールデン街コーリング
    馳星周がまだ坂東齢人であった頃の青春記。
    新宿ゴールデン街の飲み屋でアルバイトしながら酔っ払いたちと過ごすしがない生活の日々をフィクションに仕立て上げている。こんな馳星周は初めて読むけど面白い。
    解説の北上次郎も楽しい。
    バンドーに訊け!が絶版になっているようで書店で手に入らないのが残念。、
  • 雨降る森の犬
    あらすじ
    父親を病でうしない、母親との確執を抱えた女子中学生の雨音(あまね)は不登校になり、山岳写真家の伯父・道夫のもとに身を寄せた。道夫はバーニーズ・マウンテン・ドッグのワルテルとともに自前のログハウスに住んでいた。ログハウスの近くには大きな別荘があり、雨音はそこの持ち主の長男で高校生の正樹と知り...続きを読む