馳星周のレビュー一覧

  • 雨降る森の犬
    『少年と犬』を読んだ流れでこちらも読んでみました。犬への愛がたっぷり感じられました。

    ワルテルという雄のバーニーズと自然の山々が、飼い主の中学生の姪、隣に住む高校生の心のかさかさした部分に温かさを注ぎ、確執のある親と逃げずに向き合い、前を向いて生きる力をくれます。

    ※「(犬は)見返りを求めず、愛...続きを読む
  • 神の涙
    木彫りを通してアイヌの文化と言いますか、アイヌ魂を感じられるのが興味深く読みました。登場人物も魅力的ですし、展開も面白い。終わり方もいいです。
  • 雨降る森の犬
    馳星周さんの作品は初めて。
    物語の冒頭、舞台は三月下旬の蓼科高原。
    数ページ読んだだけで、体がふわっと気温マイナス5度の信州の山に空間移動した感覚を覚えた。

    主人公は中学三年の女の子、雨音。
    母親との関係に問題を抱え、伯父で山岳写真家の道夫の暮らす立科へやって来た。
    そこで道夫と暮らす犬のワルテル...続きを読む
  • 不夜城
    暴力と金と化かし合いと口車と嘘しかない。
    最高。

    全員相手を信じることができない悪人だらけのバッドエンドカタルシスは唯一無二だと思う。
    この手の裏社会ものはハードボイルドに寄せて美学とか矜持とか、そういうのが物語の核になるんだけどそんなものは一切ない。
    ただ全員殺し合ってるだけ。
    面白かった。
    ...続きを読む
  • 鎮魂歌 不夜城II
    前作主人公が復讐を遂げる話を駒の視点から描く物語。相変わらず全員救いがないし暴力描写はさらに濃くなっている。
    道化として最後まで踊らされ続けた滝沢の視点から陰謀のカラクリが見えてくるのがとてもGOOD。ミステリーというか膨大な人数を口八丁で動かして狙い通りの絵を描く凄さを体感できる。
  • 神の涙
    若かりし頃友達と北海道旅行に行きアイヌの木彫りのお土産を買ったことを思い出しました。
    熊に襲われたときはドキドキでした。敬蔵、悠、雅比古みな無事で良かった 最後の10ページほどは泣けました。良かったです。
  • 陽だまりの天使たち ソウルメイトII
    獣医さんに、第2弾もお借りした。
    1冊目よりこっちの方が好き!動物を飼うことの喜びと大変さと哀しさをバランスよく描き出していて、とても共感できた。うちにいる子達がますます愛おしくなっちゃうね。我が家にいるのは犬ではなく猫だけど。
  • 神の涙
    この世界は、とてもシンプルにできている。
    北の大自然に囲まれたアイヌの思想が美しいのは、そのためだと思う。文中、山が合わない人は海を好む、とあったがまさにその通りだと思った。
    出し抜いてのしあがって生きていく競争社会で、削られてしまう人間の本質を取り戻す手がかりだと思った。
    「罪は神がさばく、人はた...続きを読む
  • 夜光虫
    たまにこういうドロドロ・グチャグチャ・卑怯者や裏切りばかり、ヤクザが好き勝手に暗躍する金と欲に塗れた救いようのない小説を読みたくなる。この小説はその期待を裏切らない途中で本を置けない一冊。一気に読んでしまった。日本球界で華々しい成功を収めた投手が、怪我で野球人生転落。台湾で再起を図るが八百長に手を染...続きを読む
  • 神の涙
    羆もアイヌも迫害される謂われなど無い。
    元々先に住んでいたのは私たちでは無いのだから。
    唯一の被爆国であることを忘れて、原子力発電を止めないことも含めて、改めて人間の愚かさを感じさせる。
    そんな中でも、心優しく生きる主人公たちの愛のお話です。
    数少ない人にオススメしたくなる本でした。
  • 9・11倶楽部
    ヒエラルキーに対する逆襲劇。受験勉強するより理解できないことに対してどう対応するかがサイバイバーの子供には重要である。サバイバルに適応できないと死ぬ。
  • 神の涙
    アイヌとは縁もゆかりもなかった人たちが、木彫りを生業とするアイヌとの生活を通して自らの生き方を見つめ直していくのがおもしろかった。
    展開が読めなくてドキドキするけど、登場人物たちがみんな不器用で、でも心があたたかくて、ホッとする。
  • 蒼き山嶺
    蒼き山嶺 馳星周さん

    1.購読動機
    山を見たかったからです。
    身体の都合もあり、久しく山から遠ざかっています。
    そこで、山を舞台にする小説に出会いたく、手にとりました。

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    2.馳星周さん
    初めましてです。
    2021年に出会えてよかった作家さんのお一人となりました。

    登場...続きを読む
  • 神の涙
    「はんかくさい」あほらしいとか、ばかくさいという意味以外にみずくさい、もどかしい時に使う言葉らしい。
    決して人を罵倒するときに使う言葉ではなく、親しみと優しさが込められた言葉。
  • 少年と犬

    希望と光を感じる作品。

    犬の多聞が次々と出会う人がみんな亡くなって行き戸惑ったが、読み終えると涙があふれて来た。希望と光を感じる作品。多聞は賢い犬だ。
  • 少年と犬

    弥一さんには,生きて娘と孫に会ってほしかったな。

    光と多聞の絶対的な絆に,胸が痛くなった。
    生きていても死んでいても,多聞は多聞。
  • マンゴー・レイン
    「バンコク版不夜城」まさにそんな感じでした。中国人娼婦メイの精神力に圧倒…強く美しく魅力的な悪魔でした。そして天使の都バンコクでの逃走劇は、Mango Rainとともに終幕を迎えるのでした…
    私の中で、馳さんらしいどストライクな作品です
  • 少年と犬

    映画を観たような感覚

     それぞれのエピソードが、最後のエピソード「少年と犬」に見事に繋がって、よく出来た小説だと読み終えて感服しました。
     読了後に各エピソードが書かれた年代を見て、びっくり。この小説は、1冊の本『少年と犬』になって初めて、感動の物語に昇華したのですね。
     
     余談になりますが、この小説の最後のエピ...続きを読む
  • 鎮魂歌 不夜城II

    苦い読み終わり

    物語の進むスピード感に息を詰まらせながら一気に読んでしまった。
  • ソウルメイト
    一気読みしました!
    犬派の私としては犬を看取る話は泣きながら読んでました……いまの愛犬にとって私はきっと魂の伴侶と言えるような存在ではないでしょうが、あの子がくれる愛情以上のものを返せるようになりたいです。