馳星周のレビュー一覧

  • アンタッチャブル

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    帯にある馳星周版「相棒」というのは言い得て妙かも。この人はなんなんだ? という椿と左遷されてきた部下の宮澤の公安エンタメ。面白いところも沢山ありつつぐいぐいと読み進ませる推力もあり面白く読み終えることができた。オススメできます。

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    2017年12月18日
  • 雪炎

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    馳星周『雪炎』集英社文庫。

    反原発のメッセージ小説なのか、ハードボイルド小説なのか、全く残るものが無く、虚しい作品だった。馳星周の作品としてはイマイチの部類だろう。

    東日本大震災から一年後、三基の原発が立地する北海道の道南市を舞台に物語は描かれる。元公安の和泉は廃炉を公約に掲げ、市長選挙に立候補した旧友の弁護士・小島を助けることに…

    殺人、原発利権を巡る警察組織と暴力団による選挙妨害、マスコミ、SNSと様々なネタを散りばめた割りには、いずれも昇華されておらず、ちぐはぐに感じた。

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    2017年11月19日
  • 殉狂者 下

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    もう、壮絶としか言い様のないラスト。きっと戦争とかテロとかってこういう悲惨な人生を次々生み出してるんだと思う。世界を変えることは悪いことではないと思うけど、その手段に暴力を使うことだけは絶対にいけない。

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    2017年07月09日
  • 光あれ

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    原発の街、敦賀が舞台の物語

    主人公徹は自分がゆっくりと死んでいく事を敦賀の街のせいにしているが、自分のだらしなさとか流されやすさとか、キレやすかったりする過去の自分がした選択のせいで今の自分がある事を一番に認めるべきかと思う。
    敦賀や原発の所為にするのではなく自分が努力する事と、何かを決める事が大事な事だと思う。

    本作品が発表された直後に東日本大震災が起きた事で敦賀の街を舞台とする本作品の根底に原発への問い掛けがあると思う方がいるかもしれないが、あくまでも努力しないで只々流される人の弱さが物語のテーマではないかと私は思う。


    敦賀の原発でガードマンをする相原徹は人付き合いが苦手。そんな彼

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    2017年05月08日
  • 9・11倶楽部

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    地下鉄サリン事件で家族を失った救急救命士織田が、歌舞伎町浄化作戦で親を失った国籍のない子供達を守るうちに壊れていく話。主人公の真面目なパラノイア感、子供達の悲惨な境遇、中国マフィアのアンダーグラウンドっぷり、個人的に勝手知ったる歌舞伎町から都庁周りの疾走感溢れる逃亡劇。ラスト捕まりながらも、爆発に揺れる都庁を見つめ涙を流す織田と一緒にウルっとしてしまった。馳星周、ものすごく久しぶりに読んだけどハードボイルド好きには堪らない素晴らしい作品だった。

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    2017年03月09日
  • ソウルメイト【電子特別版】

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    犬ものの最高傑作
    泣けた-
    近所のピザ屋で読んでて泣きそうになった
    危なかったー
    ピザ屋で読むの注意
    犬もの反則だよね
    全ての愛犬家必読
    いやー泣けた

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    2017年01月14日
  • 美ら海、血の海

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    真夏に読んだけれど、クーラーの効いた快適な環境で読んじゃいかんなと思った。終戦記念日前後のTVの街頭インタビューで高校生か大学生ぐらいの子が「(かつてアメリカと戦争をしたと聞かされて)アメリカと戦争なんてするわけないじゃないですかあ!」なんて明るく答えているのを見ると、沖縄のことなんて観光地ぐらいにしか思ってないんだろうなあ、米軍基地が多くある理由も理解してないんだろうなあ、小学校で英語やらプログラミングやら教えるよりも現代史をきちんと教えるべきなんじゃないのかなあ、と思ってしまう。

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    2016年08月09日
  • ソウルメイト【電子特別版】

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    7つの犬種別 短編集。
    ”犬は人間の魂の伴侶(ソウルメイト)”
    愛犬と愛猫を撫でながら 極上の読書タイムを満喫しました。
    最後の「バーニーズ・マウンテン・ドッグ」は号泣。

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    2015年10月14日
  • アンタッチャブル

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    奥田英朗の伊良部(医者)と重なる主人公の公安元キャリアの椿警視と平凡な宮澤コンビが織りなすおとぼけ小説。最後は、もしかして??と。。でもその想像を超えた結末でおとぼけが確信的な椿の人格に驚いた。

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    2015年08月07日
  • アンタッチャブル

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    奥田英朗の伊良部シリーズを彷彿させるコメディー。一気読みです。椿警視の傲慢なのにおトボけなとち狂い方が面白い。

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    2015年08月02日
  • 暗闇で踊れ

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    ネタバレ

    姉弟の壊れていく様が、リアルで怖い。子供の頃のトラウマとはこんなに大変なものなんだと思い知らされる作品でした。あんなに固執ていた神埼さえも殺してあっさり引き上げる事ができるということは、一生足を洗えないんだろうなぁ。

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    2015年03月12日
  • ソウルメイト【電子特別版】

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    犬を飼うならちゃんと個々の個性をしっかり把握していることが大事だと改めて気づかされた一冊。
    馳さんのブログも欠かさず見ているので、最後のお話は涙なしでは読めませんでした。

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    2015年03月09日
  • 暗闇で踊れ

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    面白い構成と闇の奥底に堕ちていくかのようなピカレスクに650ページをあっという間に読み切った。『不夜城』の頃の馳星周が帰って来たかのようだ。

    美術品窃盗事件を捜査していた神崎刑事は捜査線上に浮かび上がった姉弟の周辺を探るうちに…

    第一部では神崎刑事の捜査の視点から物語が描かれ、第二部では稀代の詐欺師・榊田恵と学の姉弟の視点から物語が描かれる構成が面白い。そして、第三部…

    詐欺師の姉弟に翻弄されながらも執念の捜査で姉弟の近辺に迫る神崎刑事と徐々に明かされていく姉弟の過去…

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    2015年01月19日
  • 美ら海、血の海

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    戦時中の沖縄の状況が手につかむようにわかる作品。描写が生々しくてぞっとするけど、そこがまたいいんだよな。

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    2014年12月23日
  • ソウルメイト【電子特別版】

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    わんこ好きによるわんこへの愛に満ちた小説。こういうのを読むと、いいなあ犬を飼いたいなあと思ってしまう。

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    2014年09月13日
  • 淡雪記

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    内容(「BOOK」データベースより)

    北海道の自然豊かなリゾート地、大沼。義父の別荘で暮らし、写真を勉強している敦史は、森を抜けたところで妖精が倒れているのを見つけた。黒髪に白い肌の美少女、有紀。知的障害のある彼女は、著名な画家の伯父とともに洋館に住んでいた。純粋な美しさに魅かれた敦史は、彼女をモデルとして写真を撮りはじめる。出逢うべくして出逢い、惹かれ合う二人を待ち受けるのは苛酷な運命だった。力作長編。

    4月14日~21日

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    2014年04月21日
  • 不夜城

    Posted by 読むコレ

    再読。僕的には怖い位に「読ませてくれる」作品です。
    言うなれば鯛焼きの薄皮一枚剥がしたら鯛の形をしたあんこが出てきたというような…とにかく最初から最後まで退屈な部分がない一冊です。
    小説が実生活では得られない体験をさせてくれると言うのなら、僕がまず踏み入れたいと望むのがこのワルの世界という奴でして。
    道徳的な良し悪しなぞ脱ぎ捨てて肩まで浸かってしまうと、後はむしろ救いがなければないほど良いてな具合で、ほとほと感情をシェイクされての読了が約束される訳です。
    こんなアトラクション、TDLにだってありませんよ。
    お勧め。

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    2014年03月05日
  • ソウルメイト【電子特別版】

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    犬を通じて、家族の絆や子供の成長などを描いた7つの短編集です。
    実は、馳さんが飼っているワンコと我が家のワンコは出身犬舎が一緒で、犬舎が主催する集まりやドッグショーで馳さんご夫妻とはご一緒したことがあります。
    他の皆さんがおっしゃっているとおり、不夜城の馳さんのイメージとはかけ離れたかなりの愛犬家さんで、奥様も気さくでとてもステキなご夫婦でした。

    愛犬の死、というテーマだけで条件反射的に泣けてくるのに「バーニーズ」のモデルになった1頭ワルテルとは会ったことがあるし、我が家のバニが小説に登場するバニと同じ8歳ということもあって、この章はかなり感情移入してしまいました。
    夫は、わざわざ悲しい思い

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    2013年12月23日
  • ソウルメイト【電子特別版】

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ソウルメイト。いい言葉だなあ。動物と共に人生を過ごすという事は、まさにそういう事なのかもしれない。言葉で通じあう事の出来ないもの同士が心で通じ合うのだから。私もいつか訪れるわが家の犬との別れの瞬間を思うと今から胸が締めつけられる。でもその最期をきちんと看取ってあげたいと切に願う。この本には色んな犬種の犬が登場する。この本を読んだ事で、犬にはそれぞれ犬種の個性がある事を知り、犬を飼うのではなく、犬という家族を迎えるという気持ちの飼い主が増えるといいなあ。

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    2013年08月31日
  • 弥勒世 上

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    不夜城・鎮魂歌以来の傑作。痛くてヒリヒリと焦燥感をあぶる1969年、返還前の沖縄を舞台に、いつもの馳星周の世界が展開される。
    「いつもの馳星周の世界」ではあるんだけど、沖縄の中の差別や戦果アギャーなどの裏面史を背景に彩ることで重層的な世界が広がって、重厚感に昇華されている。
    この本を読む前に佐野真一の「誰も書かなかった沖縄」を読んでおくと面白さが増す、というか読んでないと背景世界に浸れないかも。

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    2013年08月29日