馳星周のレビュー一覧
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中臣鎌足の子でありながら、父の死により後ろ盾を失った藤原不比等が主人公。 壬申の乱を経て激変する朝廷において、彼は類まれな知略と冷徹な意志を武器に、権力の中枢へと這い上がっていく。律令国家の完成と、藤原氏による千年続く繁栄の礎を築くため、天皇や政敵、さらには肉親さえも利用し、国家という巨大な装置を造り上げていく。。。特徴は、日本史上最大の政治家藤原不比等の生涯を野望のために歴史を捏造という新説に基づき、物語を構築した点。そして、ノワール小説の旗手である筆者が”政”のどろどろ感を圧倒的なリアリティにて表現した点かな。一気読みの5スターですよ~
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Posted by ブクログ
ネタバレ途中は長いなと感じたけど、読者に媚びない書き方が私は好きだったし読みやすい、感情移入しやすかった。自然なカキカタなのに、ドキドキハラハラした。
人間の前面に出てしまう欲望。でも、誰もが持つ奥底にある優しさ。身勝手さ、愛情。
終わりも淡々と終わっていって当たり前のことだと言わんばかりの淡々ぶりだった。
犬は人より寿命が短いというけれど、決してそうは言い切れないなと感じさせられた。そして、運命ははなから決まっている、と。ただ、何かの縁で、後押しでそれは変わることができるのだということも言っているような気がした。
とにかく、動物、犬の力はすごい。 -
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【魂の旅路】馳星周『少年と犬』
震災から始まった、一匹の犬と人々の救済の物語
温もり ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
刹那さ ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
命、つなかり ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
ほろりと涙 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
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1. 旅の始まり:主をなくした犬、彼の彷徨
東日本大震災。
多くのものを失った東北の地から、一匹の犬の物語は始まります。馳星周さんの直木賞受賞作『少年と犬』の主人公は、名前も持たない一匹の「彼」。最愛の主を亡くした彼は、何かに導かれるかのように故郷を離れ、野良犬として生きる道を選びます。
物語は、この犬が東北を皮切りに、富山、福井、滋賀、島根、そして遠く離れ -
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馳星周は、犬と馬を書かせたら最強に面白い。
主役犬は、バーニーズ・マウンテン・ドッグのワルテル(牡)。
この犬が、めっちゃ可愛い!
主人公の女子中学生・雨音を従えて歩く姿とか、想像できてしまう。
やはり馳星周は描写が抜群に上手い。
山頂から眺める雄大な景色や、雨の落ちる様子、森の匂い、犬の目に浮かぶ感情も、ちゃんと読者に伝えてくれる。
そして今作は何よりも、道夫の料理がどれも美味そうなのだ。ソーセージとキノコのニンニクパスタも、ハムカツチーズカレーも、コーヒーもワインも、いちいち美味そう!
そう、これは「山岳グルメ犬小説」なのだ。
そりゃあワルテルだって、よだれダラダラだろうさ。
実際に