馳星周のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ途中は長いなと感じたけど、読者に媚びない書き方が私は好きだったし読みやすい、感情移入しやすかった。自然なカキカタなのに、ドキドキハラハラした。
人間の前面に出てしまう欲望。でも、誰もが持つ奥底にある優しさ。身勝手さ、愛情。
終わりも淡々と終わっていって当たり前のことだと言わんばかりの淡々ぶりだった。
犬は人より寿命が短いというけれど、決してそうは言い切れないなと感じさせられた。そして、運命ははなから決まっている、と。ただ、何かの縁で、後押しでそれは変わることができるのだということも言っているような気がした。
とにかく、動物、犬の力はすごい。 -
Posted by ブクログ
【魂の旅路】馳星周『少年と犬』
震災から始まった、一匹の犬と人々の救済の物語
温もり ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
刹那さ ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
命、つなかり ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
ほろりと涙 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
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1. 旅の始まり:主をなくした犬、彼の彷徨
東日本大震災。
多くのものを失った東北の地から、一匹の犬の物語は始まります。馳星周さんの直木賞受賞作『少年と犬』の主人公は、名前も持たない一匹の「彼」。最愛の主を亡くした彼は、何かに導かれるかのように故郷を離れ、野良犬として生きる道を選びます。
物語は、この犬が東北を皮切りに、富山、福井、滋賀、島根、そして遠く離れ -
Posted by ブクログ
『少年と犬』は、東日本大震災で飼い主と別れた犬「多聞」が、
人生の困難に直面する様々な人々と出会い、別れを繰り返しながら旅を続ける物語です。
青年、窃盗団、夫婦、娼婦、老人、そして心に傷を負った少年など、
多聞が出会う人々は皆、多聞との触れ合いを通して、
忘れかけていた温もりや愛情、そして生きる希望を取り戻していきます。
この作品は、犬と人間の深い絆と、過酷な状況下でも見出せる希望を描いた、感動的なヒューマンドラマです。
当たり前の尊さ、人間の弱さ、様々なことを深く感じることができました。
お気に入りしました٩(♡ε♡ )۶
年内100フォロワーいか -
Posted by ブクログ
馳星周は、犬と馬を書かせたら最強に面白い。
主役犬は、バーニーズ・マウンテン・ドッグのワルテル(牡)。
この犬が、めっちゃ可愛い!
主人公の女子中学生・雨音を従えて歩く姿とか、想像できてしまう。
やはり馳星周は描写が抜群に上手い。
山頂から眺める雄大な景色や、雨の落ちる様子、森の匂い、犬の目に浮かぶ感情も、ちゃんと読者に伝えてくれる。
そして今作は何よりも、道夫の料理がどれも美味そうなのだ。ソーセージとキノコのニンニクパスタも、ハムカツチーズカレーも、コーヒーもワインも、いちいち美味そう!
そう、これは「山岳グルメ犬小説」なのだ。
そりゃあワルテルだって、よだれダラダラだろうさ。
実際に