馳星周のレビュー一覧

  • 比ぶ者なき
    藤原氏繁栄の祖となった藤原不比等(史)の一代記。
    天智天皇に仕えた父中臣鎌足の死後、壬申の乱により権力の座についた天武天皇政権では冷遇されていたが、第二皇子である草壁皇子に仕えていた縁で登用され、持統天皇政権以降、その政治手腕と皇室との姻戚関係により絶大な権力を持った。
    天皇の承継ルールを作り神格化...続きを読む
  • 長恨歌 不夜城完結編
    残留孤児二世として歌舞伎町に生きる武基裕。麻薬取締官に脅され引き合わされた情報屋、劉健一が、武の精神を蝕み暴走させていく――。
  • 鎮魂歌 不夜城II
    新宿の街を震撼させたチャイナマフィア同士の抗争から2年、北京の大物が狙撃され、再び新宿中国系裏社会は不穏な空気に包まれた! 『不夜城』の2年後を描いた、傑作ロマン・ノワール!
  • 黄金旅程
    競走馬に係る人の苦労と魅力が描かれた作品。

    私は競馬ファンではないですが、子どもの頃
    牧場経営ゲームのダビスタにハマった事があり、乗馬も少しやったことがあるので楽しく読めました。

    本文にも記載がありますが、重賞を勝った引退馬の展示飼育を支援する事業があり、私も近くの観光牧場に行った際はニンジンを...続きを読む
  • 不夜城

    アジア屈指の歓楽街・新宿歌舞伎町の中国人黒社会を器用に生き抜く劉健一。だが、上海マフィアのボスの片腕を殺し逃亡していたかつての相棒・呉富春が町に戻り、事態は変わった――
  • 少年と犬
    多聞という犬が、3.11の震災場所から遠くどこかを目指し日本をほぼ横断する。その中で様々な人と出会う。彼らは「死」を匂わせる人々だった。
    そして出会う。大切な人に。最後は涙無くしては読めない。

    私は昔から動物と一緒で動物と暮らしてなかった時期などなかった。だからか、この話に出てくる多聞の不思議な人...続きを読む
  • フェスタ
    日高の零細牧場で牧場主の強い思いを受けて生まれ、関係する人々の人生と夢を背負って走るカムナビ。

    日本の競馬界では決して正統な優駿ではないが、重馬場には圧倒的に強く、凱旋門賞で2着となった血統。

    この馬の癖の強さが、物語に拡がりと深さを加える。

    生産者、馬主、厩舎の調教師や厩務員に騎手など、競馬...続きを読む
  • 雨降る森の犬
    初めての馳星周さんの本でした。
    主人公が中学生の女の子で本当に大人が楽しめる物語なのか、と疑いながら読み始めましたが、成長と家族の物語で夢中になって読みました。
    犬や山、自然が好きな人にオススメです。
    私は長野にドライブに行くのが好きで蓼科高原も女神湖も長門牧場も何度も行った事があるので、昔を思い出...続きを読む
  • 雨降る森の犬
     直木賞受賞作「少年と犬」を読んだあとソウルメイト、ソウルメイト2とこの本を購入して「雨降る森の犬」だけ読まずに本棚に眠っていた。「少年と犬」で犬本に夢中になって立て続けに読んだがこの本は五百頁あまりあり、ちょっと躊躇してたが一週間もかからず読み終わった。馳星周という作家はノワール小説で世に出たがそ...続きを読む
  • 少年と犬
    ★5+
    愛犬家の方は決して人前で読んではいけません
    涙が溢れています
    賢く凛とした佇まいながら愛情溢れる"多聞"に心を持っていかれます
    "多聞"が出会った人間の人生を描く連作短編集

  • フェスタ
    ステイゴールド・エルコンドルパサー・オルフェーブル、そしてナカヤマフェスタ。実在した名馬と血統で往年の競馬ファンにはまるでノンフィクション小説のようでした。
    競馬の専門用語は丁寧に解説しながら話を進めていて初心者にも楽しんでもらおうとする馳さんの気持ちが伝わります。
    馬に関わるホースマンの熱い思いが...続きを読む
  • 少年と犬
    多聞を通じて色んな人生を見られる作品でした。読み始めは多聞に関わる人が死んでいくので、「犬が人の業を見抜いて裁く」的な話かと思いました笑
    ですが、多聞は人の心を察知する能力に長けていて、その人の最期(再起)に寄り添いながら旅をしていたのですね。
    最終章「少年と犬」では胸が熱くなりました。
    犬飼いたく...続きを読む
  • フェスタ
    いやぁ、良かった。

    競馬は全く知らないが充分楽しめた。
    競馬の前作「黄金旅程」も良かったが、私はこちらの方が好きかも…。
    何度か涙した。

    馬がとても繊細な生き物というコトを初めて知ったし、勝てなかった馬たちのその後の馬生が過酷なコトを辛く感じた。

    どこかの観光地などで、乗馬を体験してみたい。
    ...続きを読む
  • 少年と犬
    犬と人間、言葉という形で伝え合うことは出来ない。それでも、不思議な力で感じあって、心の目でお互いを見つめている。言葉をというツールを使わないからこそ、本質で通じ合えるのかもしれない
  • フェスタ
    映画にするなら誰を主役にもってくる?
    もちろんサラブレッドのカムナビが主役ではあるが、競走馬を巡る生産者、調教師、馬主、厩務員、馬主、そして騎手
    サラブレッドを愛する者たちの凱旋門賞という大きな夢を目指す物語。
    馬の血統というものの面白さや不可思議さに作者の想像力から生まれるカムナビの性格。
    全てが...続きを読む
  • 少年と犬
    直木三十五賞受賞作という情報のみで読書スタート。震災の事、あがく登場人物たち、どうなるのかドキドキしながら読み進めました。あまりにもしんどい登場人物たちに休憩を挟みながら…しかし多聞の静かな優しさと強さに、彼らと同じように慰められたように思います。ラストは号泣してしまいました。あくまで静かに寄り添う...続きを読む
  • 少年と犬
    『犬には言葉は重要ではないのだ。人間の心をちゃんと汲み取ってくれる。』
    犬と人の繋がりを感じられてすごく良かった。
    個人的に『娼婦と犬』が好き。人々の悩みに寄り添いながらも癒してくれる犬の存在がとても尊い生き物に感じる。
    私も犬を飼っていて、2ヶ月前に亡くなってしまったがずっと心の中で生き続けて見守...続きを読む
  • 走ろうぜ、マージ
    愛犬の看病記。
    1年3か月前に読むことができていたらと思います。
    ただ撫でてやることしかできなかったことが、悔しくて申しわけなくて。

    僕はまだペットロスの中にいる。
  • フェスタ
    常に楽しみにしている大好きな馳星周の新作ですが、競馬には大して興味が無いので、ワクワクも半減。
    舌打ちしながら読み始めたところ、
    予想に反し(失礼極まりない)、冒頭から、とても心地よく惹き込まれ、競馬の知識関係無く、あっという間に読み終えてしまいました。
    今後も競馬作品が増えそうな予感ですが、次の新...続きを読む
  • フェスタ
    競馬小説としては、早見和真氏の「ザ・ロイヤルファミリー」もそこそこ面白かったが、はるかに凌駕する競馬小説の傑作。ステイゴールド・ナカヤマフェスタという稀代の荒馬から誕生したカムナビの活躍を通して、馬を愛する日高の弱小生産牧場・居酒屋経営の弱小オーナー・預託を受けた二流調教師・定年間近な老練だが馬に恵...続きを読む