馳星周のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ペットロスを経験された方にとって見るに耐えない物語やドキュメント番組などが多数ある昨今、こういったジャンルを敬遠される方も多いかもしれません。
経験者の私もそうでしたが、勇気をふり絞り手にとって見ました。
「これは大丈夫!!馳インチャ(ファン)ならば絶対読んでほしい。」
311以降原発に関する作品が少なくない先生ですがレガシーな馳星周ビヘイビアが戻ってきた!と感じた一冊!
とはいえギラギラ、胸の奥のチクチク感は無いのでご安心ください。
心の温まる情感にあふれた素晴らしい作品です。
アニモ!ワルテル! (ANIMO, Vamos Walter!!) -
Posted by ブクログ
池上冬樹の解説にも書いてあるように「まさか馳星周の小説を読んで泣くとは思わなかった」。
東日本大震災の被災地、石巻。そこから物語が始まる。大津波に襲われた石巻の風景描写…読み始めてすぐに泣けてきた。東日本大震災の直後に両親の安否を確認するため向った沿岸の町…全てが津波で流され、大きな船が打ち上げられ、瓦礫に覆われた道路…虚ろな表情で歩く人々…余りにも強く残る人々の生活の痕跡…あの光景が頭の中に蘇った。
そして物語の舞台は終戦間際の沖縄へ。あの悲惨な戦争と東日本大震災がオーバーラップし、ページをめくるたびに涙がこぼれる。本土に見捨てられた沖縄…その中で必死に生きる14歳の真栄原幸甚…馳星周の -
Posted by ブクログ
いやあ、疲れましたねえ、この本は。
馳星周なる人物の作品を読むのはかなりしんどい作業になる。
なぜか?それは、彼の作品は、人間の黒い部分を抉り出すようなモノだからだ。
人は、必ずしも正義だけでは生きていない。人格者といわれる人物も、一つ後ろを振り返ると、悪い部分が必ず存在する。イヤ、人格者だからこそ、より暗い部分が必要になる。
彼の本の登場人物は、そういったバックボーンを背負っている。
マンゴーレイン これはタイに降る雨の事を言う。乾季に入る前に決まって降るスコールの事を言う。
この物語は、タイで人買いをし、生活をする一人の日本人男性が、ある女性を国外に脱出させてくれと頼まれたとこ