馳星周のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
会社の課題図書だのなんだので、全然好きな本を読めず久々に読めた。
久々だったので好きな競馬モチーフの話にした。馳星周さんといえば『黄金旅程』でもそのステゴ一族愛を存分に見せつけてくれたし、面白いだろうと思った。
実際にめちゃくちゃ面白かった。
厩務員、調教師、調教助手、馬主、生産牧場。それぞれの事情と思いがドラマのカットのように短いテンポで切り替わっていく。凱旋門賞を勝ってくれという大きな夢をみんなで見ている。
競馬ファンにとっての凱旋門賞制覇は本当に夢で、あの武豊騎手ですらいまだ達成し得ない悲願だ。悲願だからこそこうやって小説になる(秋から始まるドラマもそうらしい)
読者として大きな夢を一緒に見ているし、すべての専門用語が分かるので、まるで身内話のように面白くてスラスラ読んだ。しかし振り返ると「これ、競馬ファン以外はどのくらいまで楽しめるんだ…?」と疑問がうっすらと湧く。
なんだろうコレ…そうか、競馬にそこまで興味ない友人を競馬場に誘ったらずっとスマホ眺められてる時の気まずさだ!と、謎の納得を得た。
気性の荒い馬、クセ馬、逃げ馬、だからこそ愛さずにいられない馬。カムナビがもし現実の競馬界にいたら熱心なファンが何人もいて、何人もシャンティイ競馬場まで追いかけていただろうな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ悪性組織球症で余命三ヶ月を告げられたバーニーズマウンテンドッグのマージとの三ヶ月を綴った、日記形式のドキュメンタリー。マージの大好きな軽井沢に二ヶ月別荘を借り、そこに連れて行ってもらった時のマージの喜びようと、腫瘍が小さくなって元気に走れるようになったマージの様子に、心から祝福したくなる。マージの看病と介護をしながら、元気の盛りの一歳のワルテルの散歩にもしょっちゅう行ってちゃんと世話してる馳さんすごい。犬のご飯を毎回違うメニューでいろいろ作っているのもすごすぎる。自力で排泄できなくなっていくマージの様子に、うちの犬の最後の方の姿が重なった。安楽死を覚悟したその日の、先生が来る直前に馳さんの腕の中でマージは息を引き取るけれど、犬ってそういうのちゃんと分かってるんだよなぁ。犬は今を生きているから、そのボスたる飼い主も今を生きねばならない。馳さんのボスぶりがすごい。
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Posted by ブクログ
偶然ですが、この本を読み終えたのは、飼っているフェレットが息を引き取った日のことでした。その子は里子に出されたのをうちで引き取った子でした(アイコンの子とは別の子です)。
私はずっと、自分がその子の面倒を見ているのだと思っていました。でもその子が天国に旅立ったとき、まったく逆だということに気がつきました。その子が私の面倒を見てくれていたのです。
ご飯をあげたり、おもちゃで遊んだり、トイレの始末をしたり、その子は私にそういう役目を与えてくれていたのです。なあ、お前はそのために私のところへ来たんだろう?
この小説はフィクションですから、いくら犬が賢いといっても、現実にはこんな奇跡は起こらないでしょう。でも、奇跡というのは何も特別なことではないのです。
私がこの家に引っ越してきたとき、自分がペットを飼う可能性なんて考えたこともありませんでした。だから私がその子をお迎えしたことは、たくさんの偶然が鎖のように連なりあった結果であり、もしそのどれかひとつでもかけ違っていたら起こり得なかったことなのです。
つまり、犬がひとりの少年を守るために日本を縦断することも、日常のありふれた出来事も、確率的には同じように起こっているのです。奇跡とは、その偶然性を発見したときに、私たちの前に奇跡として現れるのではないでしょうか。