馳星周のレビュー一覧

  • 暗手
    あの女を手に入れろ、とささやく頭の中のもうひとりの自分自身。これもまた「夜光虫」でおなじみのシークエンス。最高だ。
    どんどん逃げ場がなくなり愛するものからも憎悪の目で追い詰められる暗手に、感情移入しつつ、最後のページまであっという間に読んでしまった。
    まさに馳ワールド、素晴らしい。
    やはり馳先生はノ...続きを読む
  • 雪炎
    この本が、原子力利権や、選挙に対しどの程度現実に即しているのかわからないが、エンターテイメントとして原子力問題を扱いながらも、原子力と街の利権考えさせられます。今後の日本で田舎町はどんどん淘汰されていくだろうなかで、生き残るためにはお札でビンタされても原子力に頼らないとならないのだろうか。反対と言う...続きを読む
  • ソウルメイト
    映画「わんだふる・ライフ」
    映画「わんだふる・ジャーニー」
    が 
    お好きな人は 必読
    この「ソウル・メイト」
    が 
    お好きな人は 上記の映画は 必見

    馳星周さんは初読でしたが
    いやいや 何度も ぐっ
    と させられてしまいました

    最後の一編「バーニーズ・マウンテン・ドッグ」
    を読んだ後、
    ...続きを読む
  • 美ら海、血の海
    私自身幾度となく沖縄を訪れ多くの戦争遺構を見聞きして回ることで当時そこで行われていた異常な世界を人並み以上には認識していると思うのだが。
    しかしそんな知識の端くれがあったとしてもたった14歳の鉄血勤皇隊の少年の目を通して見る地獄絵図にはやはり驚きは隠せず戦争の持つ狂気に忿怒の言葉さえ見失ってしまう。...続きを読む
  • 陽だまりの天使たち ソウルメイトII
    会社の方から頂いた一冊。

    目次を見るとどうやら短編小説のようだった為、暫く積ん読になっていた。

    読む本が無くなり、読み始めてみた。

    短編であるが、一作一作の熱量が凄い。
    どの作品も心掴まれ、物語の世界に浸透してしまう。
    情景も一気に頭の中に広がり、犬たちとのやりとりに仕事で疲れささくれ立ってい...続きを読む
  • 夜光虫
    なんつー、重く哀しく辛い話なんだ....。

    人生が狂いどんどん堕ちていくあたりは、もう止めてくれと心は叫ぶが、
    手はページを勝手にどんどんめくってしまい、
    貪るように読んでしまった。
    もー凄まじいインパクトある物語。

    救いはラスト、女性と会うシーン。
    彼女のとった行動と、主人公の対応がこれまた泣...続きを読む
  • 長恨歌 不夜城完結編
    最終章。

    あれだけの闇を生き抜いた健一が
    まさかの・・・最期。

    チョット・・・呆気なかったけど
    健一の人を嘲笑い、操り、自分の思うように歌舞伎町を
    動かす、あの非道な策略は
    3作読んでても飽きなかった。

    皆が健一の手の内に堕ちるのが分かる気がする。

    前作より残忍な描写がなかったので
    読みやす...続きを読む
  • 陽だまりの天使たち ソウルメイトII
    ソウルメイトは犬好きにとっては泣ける本筆頭のような本でした。この本はその2なのでやはり品質は保証つきです。元々この方は文章のリズムで読ませるタイプの人なので、そんなに内容変えなくとも読者がついてくる作家ではあります。でも「走ろうぜマージ」「ソウルメイト」そして本作「陽だまりの天使たち」はその路線に全...続きを読む
  • 長恨歌 不夜城完結編
    不夜城で始まった物語の終着駅。しかし、路線は異なるけれど同じような軌道を走る物語につながるような終点。

    ノワール小説はしばらくは十分。
  • 鎮魂歌 不夜城II
    前作以上にノワールな作品。特に中盤まではただひたすら悪辣で悪行、悪夢のような展開。終盤、全ての謎につながる物事がはまりはじめると、ミステリーとしての味わいが楽しめます。そこまでの辛抱かも。
  • 長恨歌 不夜城完結編
    タイトルを見てびっくり。えっ、不夜城ってまだ完結してなかったの・・・?
    内容のほうは、えー、ミステリ的な読み物として読むならば、かつ、「不夜城」の続編だという意識を捨てて読むのであれば、まぁ、悪くはない読み物だと思います。
    しかも、不夜城の「完結編」となれば、オチはあれしかない。それがわかってし...続きを読む
  • ソウルメイト
    犬の十戒も含め、ペットを飼う前に、その動物の性格などを勉強するのが飼い主の務めであるとしみじみ感じた。
  • 不夜城
    小蓮(シャオリェン)というキャラクターの強烈さ。最後まで裏切り続け、その中のギリギリの愛?信じながらも裏切る、本能的な哀しさ。カタルシスのない小説。本当の意味での孤独。センチメンタリズムに陥らない。
  • パーフェクトワールド 下
    予想通り全員が地獄に落ちてしまった。それにしても大城の狂いっぷりが凄まじい。ここまで人を陥れることに躊躇いを感じさせないとは。上巻冒頭の警視監の前でガチガチに緊張していたのが信じられないくらいの変貌ぶりが怖すぎる。本人は変わってしまったことを周りのせいにしていたが、間違いなく本質的にそういう要素を備...続きを読む
  • 煉獄の使徒(下)(新潮文庫)
    投資で言うと損切りできなかったひとたちのお話というところでしょうか笑

    オウム真理教をモデルにした新興宗教のお話。
    弁護士一家を殺したり、地下鉄にサリンをばらまいたり。

    この話はあくまでフィクションで小説なんですよというのを前提にして読まないとダメだと思う。
    オウム真理教のノンフィクションものでは...続きを読む
  • パーフェクトワールド 上
    「9.11倶楽部」に通ずる灼熱のような暑さを感じる。純粋すぎる青年たちが呪詛の塊のような一癖も二癖もある大人たちに利用されるであろうということが目に見えてわかりもどかしさが募るが、これが馳ノワールの真骨頂とも言える。これから下巻を読むがハッピーエンドはあり得ないだろう。
  • やつらを高く吊せ
    愛車のポルシェを疾走させ、出歯亀栃尾が叫ぶDriiiiive!!!
    秘密を覗く事に快感を得る主人公がひょんな事から肉体関係を持った淫乱女子高生高木舞を相方に他人の秘密をあばく。スケベで品のない最高の娯楽小説。
  • 不夜城
    新宿を舞台にした、アジア人マフィアの抗争。
    主人公含め全く共感できないが、熟読してしまった。
    自分の生きている環境とは違い過ぎておもしろいのかもしれない。
  • ソウルメイト
    内容(「BOOK」データベースより)
    人間は犬と言葉を交わせない。けれど、人は犬をよく理解し、犬も人をよく理解する。本当の家族以上に心を交わし合うことができるのだ。余命わずかだと知らされ、その最期の時間を大切に過ごす「バーニーズ・マウンテン・ドッグ」、母の遺した犬を被災地福島まで捜しに行く「柴」など...続きを読む
  • ソウルメイト【電子特別版】
    短編集で、それぞれのタイトルには犬種が冠されています。
    どれも犬を愛する人間には頷けてたまらない要素が満載なのですが、あくまでリアルな質感であって、ドラマチックに仕立てている感じはありません。そのぶん感情を揺さぶる読み応えは薄いかもしれません。

    ただ、最後の「バーニーズ・マウンテン・ドッグ」だけは...続きを読む