馳星周のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ソウルメイトの続編。
犬を飼うということの重さを、ひしひしと感じた。
前作以上に、犬と生きること、魂の絆を訴えてくる作品だと思う。
本編から外れるが初めに、この本を捧げる犬たちの名前が出てくるのだが、そこに『雨降る森の犬』の犬の名前があった。
あの犬は作者のソウルメイトだったのだなと、改めて知った。
また、あの作品に登場する少女の名前が、今作の中にもあるのは、こちらも思い入れのある名前なのかも?
…とここで解説を読んだら、この少女のモデルが作者の姪だと書かれていましたーーー!
私自身は、犬の物語が好きだが、現実に責任をもってここまで共に生きることは自信がない。
やはり本のなかで楽しませ -
Posted by ブクログ
トイプードル編:
白血病の少女と愛犬の話(涙)
・ミックス編:
妻に先立たれた男と愛犬の話
・ラブラドールレトリバー編:
目が不自由な物書きと愛犬の話
・バセットハウンド編:
仔犬時に親に顔を噛まれ容姿が悪いが周りを幸せにしセラピードッグを目指す話
・フラットコーデットレトリバー編:
病魔に侵され前片足を無くした後、周りを暖かくした愛犬が再度病魔に見舞われ最後、安楽死を決断する買主の葛藤を描く話(涙)
・フレンチブルドッグ編:
仕事も家庭も無くし自殺場所で捨て犬と出会い立ち直る話(涙)
・バーニーズマウンテンドック編
同犬種を3代に渡り買い続け若く病死した3代目の死で打ちひしがれ「ソウルメイト -
Posted by ブクログ
これが馳さんの最高傑作っていうコメントをどこかで見たので読んでみた。
確かにこれまで読んだ作品の中では一番面白かったと思うけど、五十歩百歩という気がしなくもないと言ったら悪く言い過ぎかな。
日本プロ野球界でエース級の活躍をしたものの故障が元で引退し、再起をかけて渡った台湾プロ野球で、己の弱さから八百長に手を染めてしまったのが運の尽き、あれよあれよという間に泥沼にはまり込んでいく男の姿を描いている。
主人公の男の理性が徐々に崩壊していく様子がきっちりみっちり描き込まれているのが印象的で、常人には理解できないほどの狂気が何とも言えない不気味な魅力を醸し出していると思う。
また舞台が台湾ということ -
Posted by ブクログ
2015年出版。『少年と犬』で作者の筆致に驚愕して、気になる本はいくつかあるものの、読みやすそうな題材だからって手に取ったものの、誤算だった!
柴犬の動画なんかを観てて、かわいいなあ、犬ほしいなあなんて分別なく犬を飼おうとしている人、ぜったい読むべき名著!
これは小説なのか?十訓抄なのか?ってぐらいに教訓が散りばめられている。ストーリーも面白いんすよ!馳星周の、簡潔ながらも脳裏に映像を浮かばせる秀逸な筆致も健在なんすよ!
でもそれ以上に、犬を飼うことに対する戒め、軽々しく飼ってはいけない警鐘のような作者の強いメッセージがグイグイくる。
それでいてやっぱり、犬いいなあと思わせる犬愛に満ち -
Posted by ブクログ
家族の中でなにかしら問題を抱える主人公と、その愛犬たちの物語7話を収めた短編集。タイトルが犬種名になっていて、その中に我が家の愛犬コーギーも名を連ねていたので衝動買いしてしまいました。
犬の表情や動きの描写がとてもリアルで、姿が目に浮かぶようです。作者の馳星周さんは軽井沢在住とのことですが、この短編集の舞台の多くが長野県で、その自然の描写もとても素晴らしく、引き込まれます。
個人的には、「ボルゾイ」「ジャーマン・シェパード・ドッグ」「ジャック・ラッセル・テリア」の3話が優しいお話で好きでした。
愛犬が10歳を過ぎ、これまでこの子と過ごした月日より、これから一緒にいられる時間のほうがずっと短い