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Posted by ブクログ
オウム真理教をモデルにした長編。
カルトに狂っていく人の怖さと、それに取り巻いて甘い汁を吸おうとする警察や国会議員達がみんな愚かでなかなかの大作だった。
乱暴にも感じる文章がより物語を荒々しく感じさせて、映画を見ているような感覚に…
高学歴で賢いはずの人々が、なぜ教祖を慕い狂っていくのか。以前森達也監督のオウム真理教のドキュメンタリー「A」「A2」を見たけど、松本サリン事件で容疑者とされた方へオウム幹部が会いにいく場面で、ぐだぐだとして謝罪もできずその方を苛々させるところを思い出した。上手く立ち回ることができない詰めの甘い行動が多く、社会で生き辛いから余計宗教にのめり込んでいったんじゃないかと勝手に思った。
Posted by ブクログ
物語は、新興宗教〈真言の法〉を立ち上げた教祖・十文字、その教団運営を取り仕切る弁護士の幸田、18歳で十文字に傾倒し出家した青年・太田、そして左遷された公安刑事・児玉。
彼らそれぞれの視点を往復しながら、教団と社会が不可逆的に崩壊へ向かっていく過程を描いていく。
宗教組織としての基盤は、教祖の薬物中毒、選挙活動への介入、弁護士一家殺人事件など、すでに脆く揺らいでいる。
そこへ、教団を資金源として利用する警察官、その資金を上納させる政治家が絡み合い、権力者たちは自らの都合で教団をコントロールしようとする。
しかし、教祖の反社会的な意識は次第に狂気を帯び、物語はあのサリン事件へと突き進んでいく。
それぞれの人物が、それぞれの立場で「事件を防ごう」とする意識を持ってはいる。
だが、一度流れ始めた狂気の連鎖は、もはや誰にも止められない。
煉獄とは、罪を浄化するための苦しみを受ける場所。本作はまさに、煉獄へと向かって堕ちていく人々の群像劇となる。
サリン事件に至るまでの経緯も非常に詳細で、信者たちの苦悶、阻止しようとして身を滅ぼす者の姿まで、丁寧に描き込まれている。
圧倒的な情報量と構成力を持つ大作でした。
Posted by ブクログ
1600ページというのはなかなか。オウム事件をベースにした長編。事実をベースにして作家が物語に仕立てる。事実そのままではない。本当ではないほんとう。報道や記事で知っていることは断片的なものだ。それが物語になって表れる。視点が複数ありどことなく読んでいて、聖書の成り立ちはこのようなものなのかもしれないと思った。もちろん、これは悪魔の聖書ということになるけれど。大まかな流れは元ネタの事件をトレースしている。しかし、報道では窺い知れない当事者の内側が描かれていてそれにリアリティがある。もちろんフィクションだろうが、そこにはリアリティがある。あながち嘘ではないような気がする。オウムの事件としではなくマントラの事件として架空の事件であってもそこには狂気に至る人の弱さや欲深さがしっかりと描かれていたと思う。
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