馳星周のレビュー一覧

  • 黄金旅程
    かつての名馬「ステイゴールド」をモデルに、
    『エゴンウレア』という1頭のサラブレッドと、
    エゴンウレアに夢を託す人達の物語。
    ただただ競馬の世界を描いているのではなく、
    人馬一体を描いた、人と馬の物語だった。
    いろんな要素が詰まっていて、
    設定や展開が凄く面白くて、
    読み進めるうちにどんどん小説の世...続きを読む
  • 神奈備
    実母に虐げられ続ける人生を送ってきた少年が、生きる意味を御嶽山の神に問いたいと、頂上を目指す。
    自死を覚悟した置き手紙を見た母親は、旧知の強力に息子の捜索を依頼する。
    そこからは、少年と強力とが交互に語られる、ほぼ全編雪山のシーン。
    二つ玉低気圧が接近するという悪天候が彼らを待ち受ける。それぞれの目...続きを読む
  • ゴールデン街コーリング
    一昔前の新宿の雰囲気が想像できて、そこにいる人達もリアルに描かれていた。とても大学生らしからぬ日常が酷くもありながら楽しそう。
  • 暗手
    細かい評価は3.6ってところで、四捨五入して4.0にしました。馳星周さんの作品を読むのは2020年に直木賞を受賞した「少年と犬」以来。「少年と犬」は自分の中では結構好きだったので、そういう意味では安心して読めました。
    だけど「少年と犬」とは全く違った作品の雰囲気にびっくり。裏社会を舞台にしたかなりダ...続きを読む
  • 雨降る森の犬
    父を亡くし、母は恋人とアメリカに行ってしまい、不登校になっていた中学生の雨音は、立科に住む山の写真家の伯父道夫の家で同居することになる。
    最初は馴染まなかった彼の犬バーニーズ・マウンテン・ドッグのワルテルとも心を通わすようになり、さらに隣に住む高校生の正樹とも仲が深まる。
    雨音にとっては、道夫が父で...続きを読む
  • 長恨歌 不夜城完結編
    劉健一の話が終わる
    前二つの話から人間関係や伏線をちゃんと引き継いで閉じたのは好印象
    ただし主人公が最後ヒロインに殺されるのは字面だけなら納得感があるが、結局劉健一は後継者を作れなかったということでもある。裏で糸を引いて完璧な絵を作りあげる虚無の男の最期としてはやや物足りないかな……という印象
  • 不夜城
    面白いです。映画も好きだけど、小説のほうがはるかに面白い。新宿の泥臭さを文章で現す筆力に圧倒されます。
  • 蒼き山嶺
    北アルプスで山岳ガイドをしている得丸は、体力技術不足の登山者と出会う。
    それは得丸の大学時代の山岳部同期、池谷だった。
    卒業後、公安の刑事となった池谷は山から離れていたため、すっかり鈍っており、得丸にガイドを依頼する。

    山岳小説であり、公安がらみの事件に巻き込まれる男っぽい作品で、非常に面白かった...続きを読む
  • 蒼き山嶺
    山好きの自分としては、山の美しい風景、厳しさ、山歩きのメンタリティが鮮やかに描かれていて、とても面白かった。
    まるで自分が登山している気分になる。

    日本海に着いた後、得丸らはどうなったのかまで描いて欲しかったが、そういう終わり方もアリか。

    K2に若林を捜索しにいく続編が書かれることを切に願う。
  • 約束の地で
    絶望にうちひしがれた5人の主人公…+α登場人物。全てその後が気になりますが、全員どん底まで落ちた未来しか想像出来ないです
  • ソウルメイト
    犬と人間との暮らしを綴った七編の短編集。
    時に支え支えられ、人間と犬とが寄り添って生きる姿に感情を揺さぶられ、じんわりと心に響いてきます。
    子供の頃、実家で飼っていた犬との日々を思い出し懐かしさでいっぱいになった。

    言葉は交わせないけど、人間の言葉や感情を理解しているとしか思えないときが確かにある...続きを読む
  • 蒼き山嶺

    時間を忘れます

    登山経験のない自分でも、映像が頭に浮かんできました。
    事前の知識がなくても楽しめると思います。
  • 暗闇で踊れ
    一気読み。

    暗闇でしか踊れないのか…

    最後は、まさかと思ってたけど、えっ!って。

    初めての作者だったけど、他も読んでみようかな。
  • 不夜城
    これが馳さんのデビュー作かあ。今頃になってようやく読みましたが、結論から言うと面白かったです。
    一番気に入ったのは登場人物が作者の計算を超えたところで行動しているように読める点で、理屈で考えると変だし冷静に考えると割に合わないような行動をとっているのですが、案外そういう矛盾したところも人間の一面とし...続きを読む
  • 【カラー口絵付】陽だまりの天使たち ソウルメイトII
    犬を題材というか主人公にした短編小説集。ソウルメイトⅡという副題がつけられているように、同じく犬を主人公にした短編小説集「ソウルメイト」の続編。前作と同じく、馳星周の犬への強い愛情が感じられる短編小説集だ。
    好き嫌いが分かれる本だと思う。愛犬家の方はおそらく好きな小説集だと思う。犬に興味のない方は、...続きを読む
  • 蒼き山嶺
    同作者の『神奈備』という山岳小説を読み、本作へ高い期待を持ち読み始めた!

    読んで正解の一冊となる!


    山岳ガイドの得丸は、雪山で大学時代の山岳部で同期の池谷と再開する。
    池谷はかつて徳丸と並ぶ程の山屋であったが久々の山登りに四苦八苦・・・
    どうしても山を登りたい池谷は得丸をガイドとして雇うのだが...続きを読む
  • ソウルメイト
    馳星周は以前よく読んでいた。「不夜城」から始まる、いわゆるノワール小説、ジェイムズ・エルロイ的なテイストがあり、好きな小説家だった。
    昨年、馳星周が直木賞を受賞したのを知った時も、ノワール小説で受賞したのだと思っていたが、「少年と犬」という小説で受賞したのだと聞き、ノワール小説以外の分野も書くように...続きを読む
  • 比ぶ者なき
    日本史で真っ先に学ぶ時代だし、残された資料が乏しいこともあってか覚える事項も少ないから、比較的記憶に残りやすい天皇黎明期の物語。なるほど、タイトルは不比等由来って訳か。天皇制にとって都合よく捏造されたという日本書紀の解釈も、かなりの説得力あり。そういった常識をひっくり返される爽快感と、テンポの良い展...続きを読む
  • 生誕祭(下)
    自分の欲求のためにいろいろなものを犠牲にしてどんどん視野が狭まっていくのは、どんなものが欲求であろうが無意識的に起こることなので気をつけようと思った。

  • 生誕祭(上)
    金と酒と女と、、、
    こういう裏社会もの、そして馳星周さんの作品は初なのですが、男の大好物なストーリーだと気付かされてしまいました。