馳星周のレビュー一覧

  • パーフェクトワールド 下

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    救いがなく、人が死にすぎる。のに、キャラクターたちのどうしようもない思いと弱さの絡まり合いが、読んでいて面白かった。
    信念と、現実の暮らしを回していくための行動と、欲望と、弱さと葛藤が、とても丁寧に描かれた作品だった。それにしてもたくさん死んだ!

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    2024年07月16日
  • ソウルメイト【電子特別版】

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    とても良かったです。自分は犬が好きなんだと改めて思わせてくれたからです。
    犬を飼うとなったら、その犬種の特性をしっかり理解しておくことがものすごく大切なんだと痛感しました。
    わからないところは、調べながら読み進められてとても楽しく読めました。
    ジャーマンシェパードやバーニーズマウンテンドッグには惚れ込んでしまいました。特に好きになったのはボルゾイです。気高く高貴。プライドが高いところはあるが、本作でもあったように飼い主をイジメから守るという優しさも兼ね備えている。動画で何度もみてしまいました。
    特に感動した話は、やはり最後のバーニーズマウンテンドッグのカータの話です。組織球性肉腫、いわゆる血液

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    2024年07月10日
  • フェスタ

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    サラブレッドの系統をもつ馬、カムナビ。まさしくヤンキーな馬だ。競馬の事は全く分からないがカムナビに関わるホースマンたちの熱い思いが伝わる物語だ。夢を追い又、その夢を託すのだ。迫力ある文章で面白かった。

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    2024年07月05日
  • フェスタ

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    競馬の疾走感、手に汗握る展開。文章で読みながら、自分がその場にいて、カムナビを応援しているような感覚に陥った。

    友人が競馬ファンというのと、馳星周さんの作品だというので読むことにした作品。
    知っている馬の名前が出てきて、まさかこれノンフィクションか!と思って、カムナビという馬については調べないようにしていたので、最後に「本作品はフィクションです」と書かれていたときにはびっくりした。
    それほどリアリティのある作品だった。

    馬のこと、調教のこと、競馬場のことなど、知らないことがたくさんあったけれど、あまり気にならずに読めた。新しい世界を知ることができたと思う。作者さんの心配りがありがたい。

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    2024年05月22日
  • 暗手

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     馳氏2作目。『四神の旗』は歴史物だったからほぼ違う作者の作品のようなイメージで読んだ。(実際には本作の方が先に読み始めたのだが)
     初めて読んだノワール小説。どう読むべきか最後まで分からなかったが、現実には体験し得ない世界だからこそ、悪役目線で大森を痛めつけてほしいという気持ちで読んでいた。ただ、結末はバットエンドにはならず、期待は裏切られた。
     序盤は物語はゆっくりで少し退屈だったが、終盤の殺人の過程はスピードアップして引き込まれるものがあった。この緩急が人物の心情を体感させ、迫力を倍増させることに成功していると思う。
     本作は続編物らしく、前作を知っていると確かに面白いのだろうと思う。な

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    2024年05月11日
  • 神奈備

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    ネタバレ

    飲んだくれの母のもとに生まれ、自転車競技選手となる夢を諦めさせられ、工場で働く17歳の青年「潤」。「ぼくはどうして生まれてきたの?」。神様にその答えを問うために、二つ玉低気圧が近づく豪雪の中、御嶽山の山頂を目指す。一方、潤の母「恭子」に、潤が自分の息子であると聞かされた男「孝」は、御嶽山の山岳信者たちを運ぶ強力(ごうりき)として、潤の捜索を行う。

    孝は、雪に包まれた御嶽山を捜索する過程で、不幸な潤の身の上を思い、潤の父となる決意をする。しかし、そんな決意も虚しく、潤は、雪の中、低体温症となり逝ってしまう。
    御嶽には、神様がいることを信じ、山を登る潤に対して、孝は、神の存在を信じない。数年前に

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    2024年04月23日
  • 四神の旗

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    藤原不比等の四人の息子たちの物語

    奈良時代の話

    物語は藤原不比等が死去し、聖武天皇が即位するかしないかのあたりから始まります。

    澤田瞳子さんの月人壮子を以前読んでいて(本書よりも少し後の話)少しだけ(ほんの少しだけ)予備知識がありましたが、現代の日本人達とは全く名前の音が異なり、中国の武将の方が覚えやすいと思える登場人物達の名前・・・


    私の勝手なイメージでは藤原不比等は絶大な力を持っていたが息子達は四人でなんとか頑張って藤原氏を盛り立てていたのではと思いきや本書は全く異なる、権謀術数ひしめく宮廷劇!!!
    誰が誰の仲間で誰を信じられるのか?

    物語のスピード感はドロドロしした煮え切らな

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    2024年04月19日
  • 雪月夜

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    相変わらずのノワール。530ページもの長編読んできて、最後がこれか…
    もちろん面白いのだけれど、そして考えてみれば、裕司も幸司もこういう結末にならないといけない。
    にしても、根室は、エライ書かれようだったな。

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    2024年04月14日
  • フェスタ

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    競馬うまの話だ。競馬場を競走馬が疾る刻の表現力は思わず引き込まれ時間の経つのを忘れてしまった!流石馳氏だ。まるで競馬場で走る馬達を観戦している様だった。登場人物達にもドラマがあり最後の一文には夢を残して終わるとは!

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    2024年04月01日
  • 鎮魂歌 不夜城II

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    エグい。
    新宿こえー(フィクションだけど)

    今回は、健一が中心じゃない。
    殺し屋と元警官の2人が主人公。
    それぞれの視点を行ったり、来たり。

    歌舞伎町 上海系のボスの情夫がキーなんだが、まあ彼女に振り回される。一作目と同じような展開。ただ、この2人、考えて動いてるつもりだけど…あれなんだよね、、、
    下っ端のつらみ。
    なんかツイフーいまいち奮ってないけど、最後まで目まぐるしく変わる状況と緊迫感、やっぱりたまらんね。

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    2024年03月31日
  • 北辰の門

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    盛者必衰、驕れるもの久しからずや。
    そんな言葉が浮かぶ藤原仲麻呂の物語。
    内裏の権力闘争を仲麻呂、阿部内親王の視点で描くが、仲麻呂の跳梁と没落の対比がリアルに面白い。
    結局は身内同士の、血の争いでしかない貴族社会を辛辣に描いた歴史小説。

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    2024年03月27日
  • フェスタ

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    ネタバレ

    いゃ〜、凱旋門賞のまさかの大逃げ、興奮しました。

    「フェスタ」というタイトルで、ナカヤマフェスタ!凱旋門賞!と脊髄反応してしまう競馬好きならたのしめるでしょう。

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    2024年03月16日
  • 雨降る森の犬

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    2024.03.10〜03.14
    自然豊かな信州で、自分を見つけるお話。
    私も、犬を飼いたいと思った。1日1日を一生懸命に生きる。目の前のことをおいかける。そんな姿を見ながら、暮らす。大変なことも楽しいこともひっくるめて、人生の色が濃くなる気がする。

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    2024年03月14日
  • 神の涙

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    自然を敬い厳寒のときも暖かなときも現実をそのまま受け入れて生きていくことの難しさと尊さ。物語としての面白さもテンポもよく読後感も暖かかった。

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    2024年03月10日
  • 北辰の門

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    藤原仲麻呂が人事を操り、天皇すらコントロールする。しかし、孝謙天皇の所に道鏡と吉備真備が来ると

    日本史リアル劇画化小説。面白かった。まさに劇画

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    2024年03月04日
  • 暗闇で踊れ

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    馳星周の小説だった。
    令和ではむしろあり得る様な気がする。
    昭和だと衝撃なんだけどね。
    不思議だな。
    登場人物が持っているものがある。
    「熱量」暗黒の世界Passion。
    突き動かされる人間の恐ろしさと哀しみを馳星周は教えてくれる。

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    2024年02月20日
  • 北辰の門

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    日本の天皇は万世一系となっている。続日本書紀にある話なのだろう藤原家も名門の家でこの頃の時代活躍していた話だ。藤原仲麻呂一代の生涯をこの一冊にまとめている。なかなか読み応えのある一冊だった。人の出世欲や権力欲は果てしなくあるものなんだな。

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    2024年02月14日
  • 不夜城

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    最近読んだ小説の中で、トップクラスに壮絶な描写、そしてラストでした。謀略&バイオレンス&セックスのどストレートなノワール+ハードボイルドサスペンスと思って読み進めていたら、ラストでこんな感情になるとは思いもしませんでした。

    小説の舞台となるのは歌舞伎町。中国や台湾のマフィアが暗躍するなか、繰り広げられる追走劇と策略。

    主人公となる劉健一は、自身の生き残りをかけてかつての相棒を探し出し、組織に差し出さなければならなくなる。そこに夏美と名乗る謎多き美女が絡んできて、話はどんどん加速していきます。

    健一と夏美。互いに孤独を抱え惹かれあいながらも、一方でこれまで育ってきた境遇や、そしてそれぞれの

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    2024年10月12日
  • 殺しの許可証 アンタッチャブル2

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    宮澤が、離婚したことを認めない伝説のアンタッチャブルに翻弄され続けっぱなしで終わる物語。
    馳星周だからかな、結末はなんだかよくわからない形で終わってるので、そりゃないよって気持ちなんだけど、それはそれで、話としては面白くてあっという間に読み終わってしまった…

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    2024年01月30日
  • 四神の旗

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    日本史で習ったはずなのに、それも遠い昔となれば、なんで藤原氏は天皇家と深く繋がってるんだっけと、訳がわからなくなっていた。この本の前に永井路子の「この世をば」を読んだので。 そして、遡ってみて、家系図を見て、そうだったなと、微かに思い出し。 本を読んで、理解できないことを調べて、頭を柔軟にしておこう。

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    2024年01月27日