馳星周のレビュー一覧
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とても良かったです。自分は犬が好きなんだと改めて思わせてくれたからです。
犬を飼うとなったら、その犬種の特性をしっかり理解しておくことがものすごく大切なんだと痛感しました。
わからないところは、調べながら読み進められてとても楽しく読めました。
ジャーマンシェパードやバーニーズマウンテンドッグには惚れ込んでしまいました。特に好きになったのはボルゾイです。気高く高貴。プライドが高いところはあるが、本作でもあったように飼い主をイジメから守るという優しさも兼ね備えている。動画で何度もみてしまいました。
特に感動した話は、やはり最後のバーニーズマウンテンドッグのカータの話です。組織球性肉腫、いわゆる血液 -
Posted by ブクログ
競馬の疾走感、手に汗握る展開。文章で読みながら、自分がその場にいて、カムナビを応援しているような感覚に陥った。
友人が競馬ファンというのと、馳星周さんの作品だというので読むことにした作品。
知っている馬の名前が出てきて、まさかこれノンフィクションか!と思って、カムナビという馬については調べないようにしていたので、最後に「本作品はフィクションです」と書かれていたときにはびっくりした。
それほどリアリティのある作品だった。
馬のこと、調教のこと、競馬場のことなど、知らないことがたくさんあったけれど、あまり気にならずに読めた。新しい世界を知ることができたと思う。作者さんの心配りがありがたい。
大 -
Posted by ブクログ
馳氏2作目。『四神の旗』は歴史物だったからほぼ違う作者の作品のようなイメージで読んだ。(実際には本作の方が先に読み始めたのだが)
初めて読んだノワール小説。どう読むべきか最後まで分からなかったが、現実には体験し得ない世界だからこそ、悪役目線で大森を痛めつけてほしいという気持ちで読んでいた。ただ、結末はバットエンドにはならず、期待は裏切られた。
序盤は物語はゆっくりで少し退屈だったが、終盤の殺人の過程はスピードアップして引き込まれるものがあった。この緩急が人物の心情を体感させ、迫力を倍増させることに成功していると思う。
本作は続編物らしく、前作を知っていると確かに面白いのだろうと思う。な -
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ネタバレ飲んだくれの母のもとに生まれ、自転車競技選手となる夢を諦めさせられ、工場で働く17歳の青年「潤」。「ぼくはどうして生まれてきたの?」。神様にその答えを問うために、二つ玉低気圧が近づく豪雪の中、御嶽山の山頂を目指す。一方、潤の母「恭子」に、潤が自分の息子であると聞かされた男「孝」は、御嶽山の山岳信者たちを運ぶ強力(ごうりき)として、潤の捜索を行う。
孝は、雪に包まれた御嶽山を捜索する過程で、不幸な潤の身の上を思い、潤の父となる決意をする。しかし、そんな決意も虚しく、潤は、雪の中、低体温症となり逝ってしまう。
御嶽には、神様がいることを信じ、山を登る潤に対して、孝は、神の存在を信じない。数年前に -
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藤原不比等の四人の息子たちの物語
奈良時代の話
物語は藤原不比等が死去し、聖武天皇が即位するかしないかのあたりから始まります。
澤田瞳子さんの月人壮子を以前読んでいて(本書よりも少し後の話)少しだけ(ほんの少しだけ)予備知識がありましたが、現代の日本人達とは全く名前の音が異なり、中国の武将の方が覚えやすいと思える登場人物達の名前・・・
私の勝手なイメージでは藤原不比等は絶大な力を持っていたが息子達は四人でなんとか頑張って藤原氏を盛り立てていたのではと思いきや本書は全く異なる、権謀術数ひしめく宮廷劇!!!
誰が誰の仲間で誰を信じられるのか?
物語のスピード感はドロドロしした煮え切らな -
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最近読んだ小説の中で、トップクラスに壮絶な描写、そしてラストでした。謀略&バイオレンス&セックスのどストレートなノワール+ハードボイルドサスペンスと思って読み進めていたら、ラストでこんな感情になるとは思いもしませんでした。
小説の舞台となるのは歌舞伎町。中国や台湾のマフィアが暗躍するなか、繰り広げられる追走劇と策略。
主人公となる劉健一は、自身の生き残りをかけてかつての相棒を探し出し、組織に差し出さなければならなくなる。そこに夏美と名乗る謎多き美女が絡んできて、話はどんどん加速していきます。
健一と夏美。互いに孤独を抱え惹かれあいながらも、一方でこれまで育ってきた境遇や、そしてそれぞれの