馳星周のレビュー一覧

  • ゴールデン街コーリング

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    爽やか、とはいえないけれど、ほろ苦くすてきな青春小説。登場する飲んだくれたち、どれもこれも愛おしくなる。関西の片隅の学生としては「深夜プラスワン」という名前を聞くしかなかったけれど、そうか、あの頃のゴールデン街てこんな街だったのか。それにしても馳星周、うまいわ。そして、新作の紹介の中で「大神明」なる登場人物がいて「?」と思ったけれど腑に落ちたわ。『月の王』も読みたくなったし、ウルフガイシリーズも読みたくなったわ♪

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    2022年04月22日
  • 鎮魂歌 不夜城II

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    不夜城シリーズⅡも凄かった。前作の一人称一視点の主人公だった劉健一は背後に回り、殺し屋秋生と元刑事滝沢の三人称二視点が節ごとに交替する構成。表だってぶつかるのが、上海の流氓、北京の流氓、日本のやくざ、そして秋生、滝沢なので物語がより複雑。初読の時にはちゃんと摑めていなかった模様。きちんとノートを取って読み進めると、面白い面白い。それにしても背後に回ったせいで、余計に劉健一の悪魔性、楊偉民の魔神性が怖い。そして、今回も哀切な純愛の物語であった。さあ、三作目読むぞ!

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    2022年04月22日
  • 生誕祭(下)

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    騙し騙され、追い詰められる感じは、こちらも具合が悪くなりそうですがwそこからの馳ワールド全開でラストに向けての加速感は読み出すと止まらなかった。
    上巻でも感じましたが、仕事で行き詰まってる方や仕事でのトラブルで落ち込んでしまってる方には是非読んでほしい。
    不思議と活力が湧いてきますよ。

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    2022年03月26日
  • 生誕祭(上)

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    金、薬、策略、欲望、エロと過激な部分が多いですが読み出すと止まらない。
    仕事で行き詰まってる方、仕事でトラブルを抱えてる方、仕事でやる気が出ない方には是非とも読んでほしい。
    不思議と活力が湧いてきますよ。

    下巻も楽しみです。

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    2022年03月19日
  • ゴールデン街コーリング

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    一昔前の下宿学生の一コマなのか、青春というには泥臭くて、お酒にまみれて、居た堪れない部分もあったりと。でも、気取ってなくて人間らしくて、主人公の姿が若くて。読んでで微笑ましかったな。

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    2022年03月08日
  • 比ぶ者なき

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    歴史小説だけれど、難しい説明文はあまりなく、ストーリーがほぼ会話で進んでいくのでとても読みやすかった。これがハードボイルドの印象の強い馳星周の作品だなんて!この本に出会えて良かった。続編もあるようなのでそちらも楽しみ。

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    2022年02月21日
  • 比ぶ者なき

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    藤原不比等…飛鳥の世にもこんな人が。世の中権力者の都合ばかり、自分の一族の繁栄の為に利用できるものはなんでも利用する。しかも騙しのスケールは国家レベル

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    2022年02月12日
  • ゴールデン街コーリング

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     馳星周とは、彼が未だ実名の坂東齢人であった数年間に、交流をさせて頂いた。馳星周を当時ぼくはバンと呼び、十歳ほど年下の彼は、ぼくをシュンと呼び捨て、本書の後書きにもある通り、タメ口をきいていた。真夜中まで続く延々酒呑みながらの彼とのチャットは情報量においても感性においても楽しく、ぼくを連日の寝不足に追い込んでいたものだ。

     未だインターネット前のパソコン通信という時代。ぼくが冒険小説&ハードボイルドフォーラムのSYSOP(管理人)をやっていた頃のこと。オフラインと言って通信だけではなく現実に酒を飲んだり旅に出たりもしていた頃の話だ。

     ノベルズライター時代の彼が、執筆作業に専念したいので半

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    2022年02月02日
  • ソウルメイト

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    現在、犬(それも柴犬)を飼っているからこそ、柴犬のエピソードは特に刺さった。

    ウチはまだ幼犬だが、日々一緒に生活している中で見える仕草や表情など、共感できるものが多くどの話も最後は涙を堪えるのに必死で、通勤中に読むものではないなという感想。

    犬は魂の伴侶(ソウルメイト)。一緒に暮らしているからこそ心からそう思い、早く家に帰りたくなるような話でした。

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    2022年01月27日
  • ゴールデン街コーリング

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    馳星周の自伝的小説!

    舞台は新宿のゴールデン街、時代は古き良き時代の昭和末期!!!

    こんな街で呑んだくれることが出来たら!
    こんな店で小説のことを語り合えたら!
    こんな人達と毎日出逢えたら!
    どれだけ人生を謳歌しダメ人間(必ずしも悪い意味でなく)に成っていくんだろうなぁと思いました。


    大学の合格とともに北海道から上京してきた坂本は新宿ゴールデン街の伝説の酒場【マーロウ】でバイトをしている!?
    店主の斉藤は一時代を築いたコメディアンで今は書評家、シラフの時は良い人だが酒を飲むと人を傷つける権化と化す。
    そんな酒場でバイトする主人公の坂本、同僚の田丸、オカマのリリー、憧れのホステス葉月と、

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    2022年01月23日
  • ゴールデン街コーリング

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    馳星周がまだ坂東齢人であった頃の青春記。
    新宿ゴールデン街の飲み屋でアルバイトしながら酔っ払いたちと過ごすしがない生活の日々をフィクションに仕立て上げている。こんな馳星周は初めて読むけど面白い。
    解説の北上次郎も楽しい。
    バンドーに訊け!が絶版になっているようで書店で手に入らないのが残念。、

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    2022年01月16日
  • ゴールデン街コーリング

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    馳星周『ゴールデン街コーリング』角川文庫。

    時代と共に人も変われば、街も変わる。寂しさもあるが、それが時の流れというもの。珍しいというか、まさかと驚いた馳星周の自伝的青春小説である。この時代の雰囲気や熱気を知る人間には懐かしい小説だった。

    『マーロウ』の店主・斉藤顕のモデルは、内藤陳で、主人公の坂本俊彦が馳星周ということになる。何故か作家の船戸与一、本の雑誌の目黒考二が実名で登場するのが面白い。

    新宿ゴールデン街にある日本冒険小説協会公認酒場を自称するバー『マーロウ』。コメディアンで書評家の斉藤顕が店主を務めるこの店で北海道から大学入学で上京してきた坂本俊彦がアルバイトを始める。

    酒乱

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    2021年12月24日
  • 神の涙

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    木彫りを通してアイヌの文化と言いますか、アイヌ魂を感じられるのが興味深く読みました。登場人物も魅力的ですし、展開も面白い。終わり方もいいです。

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    2021年12月09日
  • 鎮魂歌 不夜城II

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    ネタバレ

    前作主人公が復讐を遂げる話を駒の視点から描く物語。相変わらず全員救いがないし暴力描写はさらに濃くなっている。
    道化として最後まで踊らされ続けた滝沢の視点から陰謀のカラクリが見えてくるのがとてもGOOD。ミステリーというか膨大な人数を口八丁で動かして狙い通りの絵を描く凄さを体感できる。

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    2021年10月29日
  • 不夜城

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    ネタバレ

    暴力と金と化かし合いと口車と嘘しかない。
    最高。

    全員相手を信じることができない悪人だらけのバッドエンドカタルシスは唯一無二だと思う。
    この手の裏社会ものはハードボイルドに寄せて美学とか矜持とか、そういうのが物語の核になるんだけどそんなものは一切ない。
    ただ全員殺し合ってるだけ。
    面白かった。
    主人公が結局ハメられて闇堕ちしたところまで含めて最高です。

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    2021年10月29日
  • 神の涙

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    若かりし頃友達と北海道旅行に行きアイヌの木彫りのお土産を買ったことを思い出しました。
    熊に襲われたときはドキドキでした。敬蔵、悠、雅比古みな無事で良かった 最後の10ページほどは泣けました。良かったです。

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    2021年09月14日
  • 陽だまりの天使たち ソウルメイトII

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    獣医さんに、第2弾もお借りした。
    1冊目よりこっちの方が好き!動物を飼うことの喜びと大変さと哀しさをバランスよく描き出していて、とても共感できた。うちにいる子達がますます愛おしくなっちゃうね。我が家にいるのは犬ではなく猫だけど。

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    2021年09月11日
  • 神の涙

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    この世界は、とてもシンプルにできている。
    北の大自然に囲まれたアイヌの思想が美しいのは、そのためだと思う。文中、山が合わない人は海を好む、とあったがまさにその通りだと思った。
    出し抜いてのしあがって生きていく競争社会で、削られてしまう人間の本質を取り戻す手がかりだと思った。
    「罪は神がさばく、人はただゆるすだけ」心に残る言葉だった

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    2021年08月15日
  • 夜光虫

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    たまにこういうドロドロ・グチャグチャ・卑怯者や裏切りばかり、ヤクザが好き勝手に暗躍する金と欲に塗れた救いようのない小説を読みたくなる。この小説はその期待を裏切らない途中で本を置けない一冊。一気に読んでしまった。日本球界で華々しい成功を収めた投手が、怪我で野球人生転落。台湾で再起を図るが八百長に手を染め、黒道(ヤクザ)に誘われるままに売春宿の経営や他の選手の勧誘など、これでもかというくらいにどんどん落ちてゆく。他の登場人物も合わせ、救いようのないストーリーで、ほっとすることはひとつもない。このタイプの小説が好きな方にはおすすめ。馳星周さんの小説は初めてだったが、とても面白かった。

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    2021年08月10日
  • 神の涙

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    羆もアイヌも迫害される謂われなど無い。
    元々先に住んでいたのは私たちでは無いのだから。
    唯一の被爆国であることを忘れて、原子力発電を止めないことも含めて、改めて人間の愚かさを感じさせる。
    そんな中でも、心優しく生きる主人公たちの愛のお話です。
    数少ない人にオススメしたくなる本でした。

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    2021年08月07日