あらすじ
人間は犬と言葉を交わせない。けれど、人は犬をよく理解し、犬も人をよく理解する。本当の家族以上に心を交わし合うことができるのだ。余命わずかだと知らされ、その最期の時間を大切に過ごす「バーニーズ・マウンテン・ドッグ」、母の遺した犬を被災地福島まで捜しに行く「柴」など。じんわりと心に響く、犬と人間を巡る7つの物語。愛犬と生きる喜びも、失う哀しさも包み込む著者渾身の家族小説。
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Posted by ブクログ
犬が大好きです。だから、犬のお話も大好きです。一つひとつのお話が、心に深く入っていきました。本当に、犬が大好きで良かったです。と、思わせてくれました。
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カータの闘病生活が事細かで目が離せない。生きながらえるだけの抗がん剤治療を拒否して自然療法食を探す妻と死ぬ間際迄側に寄り添う夫と軽井沢を選んだ2人は凄い尊敬できる。俺たちは群だ、家族だと言う所グッとくる そう自分には無いものだから。輸血に強心剤に点滴に、でもそれはカータが苦しみが終わらない意味だね、だから最後もカータの為にそれをしない選択した。妻に言われたのもあるけどここが正念場だった。カータには全てを差し出せるの言葉が沁みた。 馳星周さんの自民党は何一つせず 人災だと断言する声を上げるのがもっと広がって欲しい。原発は消えないし東京電力も畳むことなく大企業、処理水放出しても常磐モノと受け入れられたけど運が味方したからだけで自民党は何もしていない
ソウルメイト
私も犬が大好き。私が好きだよと声、表情、態度で表せば犬もまたありったけの表現で返してくる。信頼すれば決して裏切らない。健気。しかし寿命は短い。10〜18年。いつか別れの日が来る。分かっているはずなのに考えたく無い。失った後の喪失感を味わってしまうと犬を飼うことができなくなった。
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エピソード毎に涙腺崩壊。自分が犬に弱いのもあるが、ほんとーーーに馳さんが書く犬が愛おしい。そして作者の犬愛が溢れて止まらない。
読めば分かる。絶対犬好きの作者。
そして調べてみたら案の定バーニーズLoveのバーニーズ第一優先で生きてる人だった。笑
もうね、文章読んだだけで分かる。
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犬の魅力を引き出す描写がうますぎるのは無論のこと、作者の犬への愛が伝わる。今作で紹介されている、ポップで有名で人気種のわんちゃんたち。犬種に詳しい人なら、飼育難易度が高いと判断できるんだよな。それぞれ保たれてきた血統には性格とライフスタイルがあり、人間との向き合い方付き合い方がみーんな違う。唯一同じ点は、人間と犬は確固たる信頼関係のもと、魂間で付き合えること。これらの血統による犬種の違いが細かく描かれており、馳星周先生の研究熱心さ、犬への情熱に圧巻。
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7匹の犬と人間(飼い主やその家族など)との物語を描いた短編集。馳星周著「少年と犬 」を読み、同じ作者による他の犬と人間の物語を読んでみたくなり、「ソウルメイト」シリーズを見つけて読み始めた。
子供の頃、犬を飼っていたもののその後はペットを飼えない環境に暮らしてきた。今も管理規約でペット禁止のマンションに住んでいるが、内緒で3匹の猫を飼っている。猫を飼うのは初めての経験で最初は犬との違いに戸惑った。しかし、長年共に暮らす中で犬との共通性にも気付いた。今回『犬の十戒』を初めて読み、そのほとんどが猫に置き換え可能だと悟った。
7つの短編を読み進めるにつれて、犬と人間の心の交流に引き込まれていった。犬好きには(猫好きにも)涙や感動なくして読むことができない物語だ。
最後に「バーニーズ・マウンテン・ドッグ」を読み、ただひたすらに寂しかった。私の愛犬は私が進学のため実家を離れている間に亡くなった。したがって愛犬や愛猫の最後に立ち会ったことはまだない。私は愛猫達が亡くなった時、はたして寂しさに耐えらるだろうか…
『犬の十戒』
【1】ぼくは10年から15年ぐらいしか生きられないんだよ。 だから、ちょっとでも 家族と離れているのは辛くてしょうがないんだ。 ぼくを飼う前に、そのこと、考えてみてよね。
【2】父ちゃんがなにをして欲しがってるのか、 ぼくがわかるようになるまでは忍耐が必要だよ。
【3】ぼくのこと信頼してよ。ぼくが幸せでいるためには、 みんなの信頼が必要なんだから。
【4】長い時間怒られたり、 罰だっていって閉じ込められたりするのはごめんだよ。みんなには仕事だとか遊びだとか友達がいるでしょ? でも、ぼくには家族しかいないんだよ。
【5】いっぱい話しかけてよ。人間の言葉はわからないけど、 話しかけられてるんだってことはわかるんだ。
【6】ぼくにどんなことしたか、ぼくはずっと覚えてるからね。
【7】ぼくをぶつ前に思い出してよ。 ぼくはみんなの骨を簡単に嚙み砕けるんだよ。 でも、ぼく、絶対にそんなことしないでしょ?
【8】言うことを聞かないとか、頑固になったとか、 最近怠けてばかりだとか言って叱る前に、 ちょっと考えてよ。 食事が合ってなかったのかも。 暑い中ずっと外にいて体調が悪くなったのかも。 年をとって心臓が弱くなってるのかも。 ぼくの変化にはなにかしら意味があるんだから。
【9】ぼくが年をとってもちゃんと面倒見てね。 みんなもいつか年をとるんだからさ。
【10】ぼくの嫌なところに行くときは、 お願いだから一緒にいてよ。 見てるのが辛いとか、 見えないところでやってとか、 そういうことは言わないでよ。 そばにいてくれるだけでいろんなこと、 頑張れるようになるんだ。愛してるよ。 それを忘れないでね。
Posted by ブクログ
今年の初めに15年間癒してくれた愛犬を亡くした私には、この作品を小説としてどうこうと評価することは難しいです。
ただ、ただ、犬が好きな方、犬が側にいる方、犬が苦手な方、動物が好きな方に読んで欲しい一冊。
私が飼っていた犬種の章はありませんでしたが、どの犬の描写も私が大事に思っていた、かけがえのない愛犬のそれと重なり、涙なしでは読めませんでした。
とても暖かい気持ちになれます。
改めて、愛犬に深い感謝と愛を感じました。
Posted by ブクログ
現在、犬(それも柴犬)を飼っているからこそ、柴犬のエピソードは特に刺さった。
ウチはまだ幼犬だが、日々一緒に生活している中で見える仕草や表情など、共感できるものが多くどの話も最後は涙を堪えるのに必死で、通勤中に読むものではないなという感想。
犬は魂の伴侶(ソウルメイト)。一緒に暮らしているからこそ心からそう思い、早く家に帰りたくなるような話でした。
Posted by ブクログ
飼い犬と7つの物語。
それぞれがいろんな形の家族があって、ワンちゃんその一員として人間と暮らしている。
ただ可愛いだけで飼うのではなく、家族として向き合う
Posted by ブクログ
人間は犬の言葉を理解できるわけではないし
もっと通じ合えたら、気持ちが分かったら、
って悔しくなることもたくさんあるけど
ひとりとして真摯に向き合うことで
分かり合えるもんやなぁと、嬉しくもなった
犬目線の気持ちを読み取ると涙が止まらない
Posted by ブクログ
今年の最初に読んだ本になりました!
自分にも以前、ミニチュアダックスを飼っていて当時のことが思い出され涙が止まらなかった!
犬と人間の繋がりは、題名どおりだと強く感じた
犬の飼い主への真っ直ぐな目、純粋な心、全てが思い出されてまた、犬を飼いたくなった!
もう二度と、違う犬を飼うことはしないと決めてたのに!
愛犬との別れを知って!
もう、耐えられないと!
それでも、愛犬と暮らせる日々の楽しさを知れば心動かされる!
いい話が詰まった本でした
Posted by ブクログ
チワワ
佐伯泰造
定年退職して以降は、ルビィを朝の散歩に連れ出す役目。絵画が唯一の趣味。
ルビィ
今年九歳になるチワワの雌。
時枝
泰造の妻。
楓
長女。
桜
次女。
ボルゾイ
悠人
小学四年生。
レイラ
ボルゾイ。
マナブ
丹羽学。理恵の再婚相手。
理恵
悠人の母。
齋藤正樹
クラス一の長身。
西田康平
クラス一のチビ。齋藤の子分。
加藤謙太
クラス一の俊足。
良昭
悠太の父。胃癌で死んだ。
柴
神田
仕事を休職し一年間ボランティア活動に従事する。母が飼っていた犬を探しに行く。
田口
風太を譲ってくれたブリーダーが紹介したレスキューライヴズの責任者。ブリーダーがの甥。
風太
柴の雄。
朝倉里香
レスキューライヴズ実働部隊の紅一点。
さくら
里香の飼い犬。秋田犬。
ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
真波
レイアを飼っている。
希美
お向かいさんが捨てていったコーギーを引き取るが、一週間で音を上げる。
レイア
真波が飼っているダックス。
ルーク
真波のお向かいさんが飼っていた犬。引っ越して捨てていった。コーギー。
良輔
真波の夫。
紗江子
ミニチュア、ダックスフントを飼っている大学からの友人。
ライナス
紗江子のダックス。
ジャーマン・シェパード・ドッグ
梶田愛
起きたばかりで測定してなんとか百五十センチの小さな身体。従姉に軽小沢でフラワーショップで働くことをすすめられた。登山をはじめる。
優理子
店長。百七十センチ近い長身。愛の従姉の同級生。軽井沢でフラワーショップをはじめる。
メグ
シェパード。元警察犬。
柳沢
優理子の知り合い。愛を誘って涸沢カールの紅葉を見に誘う。登山の師匠とも呼ぶべき人。
川久保正樹
元警察官 犬の訓練士。
依田
柳沢の友人。
松木
柳沢の友人。
ジャック・ラッセル・テリア
藤本康介
サクラちゃんママ
ジョイ
チワワ。インディっていう子に襲われた。
美樹
康介の別れた妻。
亮
七歳。
ジャック・ラッセル。
インディ。亮の誕生日にせがまれて飼った。
アンドレ
ゴールデン・レトリーバーと和犬のミックス。
バーニーズ・マウンテン・ドッグ
真一。フリーランスのグラフィックデザイナー。
カータ
短命な犬種。バーニーズ・マウンテン・ドッグ。雌。
鈴子
専業主婦だったが、カータと暮らし、海外の犬関連の雑貨を集めることが趣味になり、それを自分のブログで紹介しているうちに口コミで稟議が広まった。
刈谷守
大学の同期。小さな出版社の三代目。
増田
鈴子の店のスタッフ。
佐藤
獣医師。
ダイアン
佐藤が飼っているニューファンドランド。急患のために血液を提供する役目も担っている。
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それぞれの家族と犬の7編の短編小説集。
「犬が笑うなんて犬を飼うまで知らなかった」
私も結婚と同時に犬を飼い、愛犬に沢山の幸せを
貰っている。だから余計に全ての話が心に響いて
とくに最後のバニーズマウンテンドッグの話は
涙が止まらなかった。
犬を飼うまでは知らなかったけど、犬は笑うし
人同士の話を聞いていて理解もする。悲しい時は
寄り添ってくれるし、表情豊かに気持ちを表す。
この本と出会って改めて愛犬との時間を考えるきっかけになったし、大切にしたいと思った。
Posted by ブクログ
この作者の犬に関する描写は本当に忠実で驚きを隠せない。犬と共に暮らしている身としては、犬と人間の絆や人間を守ろうとする姿に共感。
ドッグイヤーと言う言葉が存在するように、どうしても犬の一生は人間よりも短いものである。覚悟はしているが耐え切れることが出来るだろうか。忙しい毎日を送る際に犬の存在が当たり前になりかける際に、このような本を通して犬との関わりを再考していきたい。
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私も犬を飼ってます。誕生日を迎え5歳になりました。犬を擬人化せずに犬として接する筆致でしかも感情がこもってる。忘れがちな優しさに触れられる良い機会になりました。
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犬を飼うのは喜びだけでなく、悲しみもあることを改めて感じた。あとがきにある「奪い去られることを定められた幸福」という言葉が印象的。そして馳星周の犬への愛情が伝わってくる作品でした。
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2015年出版。『少年と犬』で作者の筆致に驚愕して、気になる本はいくつかあるものの、読みやすそうな題材だからって手に取ったものの、誤算だった!
柴犬の動画なんかを観てて、かわいいなあ、犬ほしいなあなんて分別なく犬を飼おうとしている人、ぜったい読むべき名著!
これは小説なのか?十訓抄なのか?ってぐらいに教訓が散りばめられている。ストーリーも面白いんすよ!馳星周の、簡潔ながらも脳裏に映像を浮かばせる秀逸な筆致も健在なんすよ!
でもそれ以上に、犬を飼うことに対する戒め、軽々しく飼ってはいけない警鐘のような作者の強いメッセージがグイグイくる。
それでいてやっぱり、犬いいなあと思わせる犬愛に満ちた稀有な物語の数々に心を打たれた。久々に、人に勧めたいと思わせる小説を読んだ気がした。
Posted by ブクログ
家族の中でなにかしら問題を抱える主人公と、その愛犬たちの物語7話を収めた短編集。タイトルが犬種名になっていて、その中に我が家の愛犬コーギーも名を連ねていたので衝動買いしてしまいました。
犬の表情や動きの描写がとてもリアルで、姿が目に浮かぶようです。作者の馳星周さんは軽井沢在住とのことですが、この短編集の舞台の多くが長野県で、その自然の描写もとても素晴らしく、引き込まれます。
個人的には、「ボルゾイ」「ジャーマン・シェパード・ドッグ」「ジャック・ラッセル・テリア」の3話が優しいお話で好きでした。
愛犬が10歳を過ぎ、これまでこの子と過ごした月日より、これから一緒にいられる時間のほうがずっと短いだろうことをよく考えるようになりました。その時のことや、その時に向かってだんだん弱っていく愛犬の姿を想像して、ときどきいたたまれなくなったりもします。
でも、人と犬が心を通わせて一緒にいる物語を読んでいると、今この子と一緒にいられる贅沢をもっと楽しまないと!と思えました。
これからも「大好きだよ~」の気持ちを手のひらから大放出しながら毎日愛犬をなでて過ごそう。
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犬と人間との暮らしを綴った七編の短編集。
時に支え支えられ、人間と犬とが寄り添って生きる姿に感情を揺さぶられ、じんわりと心に響いてきます。
子供の頃、実家で飼っていた犬との日々を思い出し懐かしさでいっぱいになった。
言葉は交わせないけど、人間の言葉や感情を理解しているとしか思えないときが確かにある。
優しくて、頼もしくて、愛しくて、守るべきかけがえのない家族♪
犬と人間の絆に心温まる場面もあれば、人間の身勝手さに読んでいて胸が痛くなる場面もありました。
動物と暮らす悲喜こもごもを感じる作品。
特に動物と暮らした経験のある人は、涙なしに読めないと思います。
Posted by ブクログ
我が家には、いつも生き物がいた。
金魚は年がら年中いたし、猫を拾ったこともある。
亀と文鳥がいて、一人暮らししてもハムスターとトカゲを飼っている。
犬も、もちろんいた。
10年、時間をともにした。
犬種は本作にも出てくるジャックラッセルテリア。
マスクという映画を見た母が、
犬を飼うならこの犬種じゃないと飼わないと、
ただ飼いたいだけでおねだりした私と姉への条件をつけて連れてきた犬だった。
愛らしい見た目に反して暴れん坊で、神経質。
一度嫌と思ったらその日は1日動かない。
ご飯も散歩もいかない。
手を焼いた、愛らしい子だった。
本作は、犬を飼ったことがある人なら
誰しも経験するようなエピソードが多い。
その中でも、この本のすごいところは、
犬種の特性に沿った話のところだ。
ジャックラッセルテリアは、
小さい身体に可愛い顔をしてかなりタフで暴君だ。
一度興奮したら止められない。
そんな特性を濃く描いている。
そして、出てくる人間たちがその特性をもった
犬たちに選ばれて、最良のソウルメイトになっていく。
読み終わって考える。
人生で一度の飼い犬だった彼女は、
私と、私の家族といて幸せだったのだろうか。
私たちの欲のままにしてきたつもりはないが、
彼女にとって、私たちとの出会いが最高だったのか。
ソウルメイトに、なれていたのだろうか。
もう会えない、でももう一度会いたい。
大切なソウルメイトに想いを馳せる。
そんな本だった。
Posted by ブクログ
犬を飼いたいと思いこの小説を購入。
短編なので読みやすいです。
犬の尊さだけでなく、飼い主の責任感と喪失感がよく分かりました。
最後のバーニーズの話は泣ける
Posted by ブクログ
7匹とその家族を描いた短編集。どうしても犬が最後を迎える話が中心になってしまうので、つらい。同作者の受賞作「少年と犬」に繋がっているのがよく分かる。また作者が無類のイヌ好きであることも十分納得できる。
Posted by ブクログ
この作品は、初めに書かれていた
「犬の十戒」を読んだだけで、
こみ上げてくるものがありました。
犬との信頼関係が生まれていく様子は
読んでいて温かな気持ちになります。
でも、失う哀しさの話に気持ちが引きずられて
読み終えた時は、切なさが強かったです。
☆3は、長編好きなので、ちょっと辛め。
Posted by ブクログ
犬と人間を巡る7つの短編小説。登場する犬はチワワ、ボルゾイ、柴、コーギー、シェパード、ジャックラッセル、バーニーズ。
バーニーズの章は組織球性肉腫になったバーニーズとその飼い主の最後の数ヶ月が描かれており、泣きながら読んだが良い過ごし方だと思った。まさに犬と人がソウルメイトとして絆を持つとこうなのかな、と思った。
Posted by ブクログ
犬を飼っている方にぜひ読んでほしいと思った一冊。
犬を飼っている母に勧められて読んだ。
この話を読んでからわんちゃん動画、ネコ動画を見まくってしまう。
うーん!犬と一緒に暮らしたくなる!!