あらすじ
落馬事故以来荒んだ日々を送る元花形騎手の円谷翔吾は、ある日、娘の願いを聞く。「ルプスデイに勝って」。比類なき強さで障害競馬界の絶対王者の座に君臨するサラブレッド、ルプスデイ。円谷はセンスを見出した馬、キアーロディルーナと困難な戦いに挑む。一方、ルプスデイの主戦騎手の森山翔吾は、再起をかける男の姿を静観する。だが、王者には老いの影が迫っていた。二頭の競走馬とふたりの翔吾。譲れない勝負の行方は!?
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障害競馬の騎手である二人の翔吾と絶対王者ルプスデイと挑戦者キアーロディルーナ二匹の馬の物語。言葉はいらない。挫折し再生を目指す騎手と気鋭の若手、老いる王者と上り坂の若馬、そして馬を愛する人々の心踊る熱い物語!
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馳星周が読みたい。
歌舞伎町でくすぶる不良中国人、
どうしようもなくなり八百長に手を染めるプロ野球選手、
薬物にハマって抜け出せない若者、
そんな暗黒犯罪小説を描く馳星周が読みたいのである。
待ちに待った新刊だが・・・
競馬に興味は無いし・・・
・・・・
さて、
今作ですが、
メチャクチャ良かった!
なんというか、奥行きがあり、ワクワク感も、
緊迫感も、最後には涙が・・・
・・・あれっ?
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舞台は障害競馬。若い真面目な騎手と酒に溺れ一度追放されたベテラン騎手。絶対王者の馬と若き馬。勝つのは?
超スーパーウルトラ良かった。ムネアツだった。ラストに向かってどうなるかドキドキし、ラストを超えてもさらにドキドキだった。すげー。
競馬小説を読むと思う。馬は調教師や騎手に制御されて、自分の自由はある程度制限される。我々は人間は自由に生きてると思うが、競走馬のように制限されてる。無意識に。知らない土地で飯を食おうと思うと食べログの点数に。登録者数に再生回数に。自分は自由に生きてると思っているけど、自由には生きていない。馬と同じ
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素晴らしかった。
障害競走馬の話。障害競走というレースがあることも知らなかったが、この本を読んで見てみたいと思った。
馬とジョッキーの話だが、行き着く暇もなく話は進み、あっという間のラストだった。
一つのレースのようにあっという間にの熱い時間を過ごすことができた。
本当に素晴らしい作品に出会えた事に感謝したい。
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面白かった。作者の馬に対する愛情がたっぷり。競馬に詳しくない読者にもさりげなく説明があり読みやすい。「フェスタ」も良かったけれど本作はさらに上。作者はホントにステイゴールドを愛してたんだな。
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この人が書く競馬小説はスケールが大きい。ラストの舞台は序盤から予想できたが結末は予想外。競走馬の引退後のリアルな本を読んだ後だったので余計にグッとくるものがある。
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競馬はホント興味ないんだけど、ぐいぐい引き込まれて読んでしまう。馬はかわいいしね。前作みたいに軽いタッチのものよりこういう真面目?なものの方がいいな。ただ、いろいろライバルとしたかったのかもしれないけど、恋の鞘当てというか、そこはなんか違うって感じがした。
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競馬は全く知らないが、面白く読んだ。
平地と障害がある事も知らなかった。
この作者はノワール小説が有名だが、犬の話や競馬の話はノワールとは違いとても良いと感じる。
実際に近くで馬を見たり、競馬場に行ってみたくなった。
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この本を読むと競馬が単なるギャンブルじゃないと感じますね。
二人の翔吾は性格は違うけどジョッキーとしての本質は一緒だと思いました。
ラストの展開は意外でしたね。
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馳星周、競馬シリーズ
障害競馬が舞台、2人の騎手の熱い物語。
主人公の円谷翔吾、人には辛辣で嫌われ者だが馬乗りとしては超一流で馬への愛情が深い。
このキャラで最後まで通して欲しかった。人にまで良い人に変わって行くのが普通ぽくて残念だった。
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やっぱり馳さんの描かれる競馬小説は良い。
ホースマン、そして馬達への愛情に溢れています。
ラストのレースの描写は2人の心の滾りが伝わってきました。
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同じ翔吾という名前の2人のジョッキーが障害界の王者を決める闘いとお互いの苦悩を描いた一冊。
キアーロディルーナと出会って変わった元花形ジョッキーの円谷と絶対王者ルプスデイに跨って謳歌をモノにする森山という2人の騎手の戦いを描いた物語はお互いの光と影をうまく映していて読み応えがありました。
史実にあるオジュウチョウサンを彷彿とさせる平地挑戦やそこに対するお互いの障害騎手としての想いや障害騎手同士の絆を感じる描写もあり胸が熱くなる場面も多くありました。
ローテーションも史実と同様だったり、平地と比べて日の目を見ないところや障害馬としてレースに出れるまでの育成風景にも触れられておりより障害の奥深さを知ることもできました。
調教師の今井や藍奈、円谷の娘の沙織といった登場人物も個性的で良かったですが、演出上の部分もあるとは思うのですが森山の周りの人物ももう少し出て欲しかったなと感じました。
平地免許を返上してなんとしてもルプスデイを倒してシュイユエの無念を晴らしたい円谷の想いや障害だけでなく平地でも乗って有馬記念やダービーに乗りたいと思う森山の想いなど2人の障害に生きる人間の複雑な気持ちも心に残りました。
本書を読んで改めて物語を通して一頭とじっくりと向き合う障害競走の世界に触れることができ素晴らしさを感じることができました。そして、これから競走にたどり着くまでの日々などを思ったりといった違った目線で楽しむことができると感じた作品でした。
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『黄金旅程』ではステイゴールドがモデルだったが、馳さんはよほどこの馬がお好きとみえて、本作はステイゴールド産駒を想定したストーリー仕立てになっていました。
平地ではなく障害競走にフォーカスしたところが面白く、免許が別なのか~、とか障害騎手同志は連帯が強いのか~、とかいろいろ発見がありました。
もしかしたら、ルプスデイは『オジュウチョウサン』がモデルなんじゃないか、とか思ったり。。
ステイゴールド、懐かしいですね!
Posted by ブクログ
森山翔吾は待っていた。
目の前には横木と呼ばれる丸太が転がっている。森山翔吾が跨ったオタヴァは三十分近く横木の前で立ち尽くしている。
初めて目にする丸太が怖いのだ。 (本文冒頭)
競馬は博奕、スポーツ、夢、ロマン。