飛鳥井千砂のレビュー一覧
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ネタバレ久々に全部好きな話が詰まったアンソロジーだった。
何よりインパクトがあったのはラストの町田その子さんの「六年目の弔い」。最後にとんでもない爆弾をぶっ込んできたな…。
設定の時点で結構突っ込んだ内容になりそうだったけど、その中で珠美と志乃がいい関係性になれてほっこり終わるのかと思ったら最後に胸がざわつく展開に。
冠婚葬祭の中で、一番無難そうで難しいテーマの「婚」がSFだったのも面白かった。普段SF読まない人間でも読みやすくて好きな話だった。雪舟えまさん、他の作品も読んでみたいな。
寺地はるなさんも安定して好みの作品。40代の幼馴染たちがバタバタする話って微笑ましい。 -
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ネタバレ今の私の世代の女性4人のお話。
同じ高校で過ごした女子たちだが、当時は一緒にグループにいた訳ではなく、偶然大人になってから集まることになる。
不倫で夫を略奪し、医者の妻として女性であることをすべて自然に受け止めて生きるまりこ。
バリバリ仕事をしてるけど、ある日子宮内膜症が見つかり、その後妊娠して、、、
「女の子であることを利用して生きるな」と親から言われ続けていたせいで30代まで人に媚びることなくエリートとして生きてきたゆうき。
4人の中では1番普通の子、ひとみ。
平凡な旦那さんと暮らすが、不妊治療に悩み、他人の幸せを喜べなくなっている。
自分の道を生きる元気な女の子、りお。
けど、実は貧血を持っていたり、まわりからは「なんでも持ってて羨ましい」と思われるけど実際はそんなことない。
女って生きるの難しいし、どの女の子も世の中にいるからそりゃ気遣って生きるよなーとか考えた。
私自身はいま子供は別に要らないし、けどぼんやり結婚はしたいなあと思ったり。毎日のんびり考えるけど人生の選択肢が広すぎて難しい。
ゆうきが言うように、女であることを利用してずる賢く生きる女がどうも苦手なのも共感。
でも女であることを受け入れたり、たまには人に甘えてみたりすることも大事なのかなって思えた。
他人の結婚や出産の話に対して「負けた」と思うことがあるのも事実で、そんな自分も嫌になることがある。代わりに自分のキャリアでマウント染みた発言をしてしまうこともある。
みんな平等に欲しいものや手に入らないものがきっとあるから、もっとお互いを認め合って生きていきたいな。 -
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アラサー女子に刺さりそうな内容だと思って読んだ。まさしく、夫婦、仕事、妊娠、、、ぶっ刺さりすぎる内容。
高校の同級生だった4人が、偶然再会して毎月食事するようになる。面白いのは、元々4人は仲良しグループというわけでもなくキャラも性格もバラバラだということ。今も、医師の夫をもつ専業主婦満里子、編集の仕事をするバリキャリ悠希、ゆるくパートで働く仁美、フリーで売れっ子翻訳家の理央と、仕事も生活もバラバラ。高校時代からの友人だったらたぶん感じないような、そもそもの性格の違いから感じられる壁や遠慮を感じる部分がある。
妊娠という女性にしかない人生の一大イベントがあることで、結婚、仕事にもどこか有効期限があるような感覚がある。早い者勝ちのような捉え方がある。そんなことないのに、どうして「負けた」なんて思ってしまうのか。
ものすごくリアルな感情描写で共感の嵐だった。特に仁美の話は。。。妬んでしまうよね。しかたがないよね。親しい友人をも妬んでしまう自分も嫌になるよね。わかる。
最終的にはみんな前向きになって救いがあるからわたしも受け入れようと思えるそんな小説。 -
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ネタバレ嶋津輝「漂泊の道」
葬式の時にしか会わない遠い親戚との話。自分の母親の兄の奥さんの妹の娘、遠すぎてものすごく考えた…その親戚、カナさんと4回顔を合わせ、その後、父親の後妻になっていた、そんな複雑でもあり得そうな話。何度登場してもカナさんはステキで、自分に対してもハッキリ物申す人で憧れていたのに、いつか違う感情を抱くようになっていた。薄く長いスパンの付き合いの親戚ならではの動きのあるストーリーだと思った。
町田そのこ「六年目の弔い」
哀しみを共有してくれる人がいて必要と思えば手を差し出し触れ合える、それがありがたかった
というところ、が身にしみる。
亡くなった人は、思い出の中でしか生きられない、ひとりだと自分一人の胸に収めないといけない、そして万一自分が思い出せなくなったら、と辛いから。夫は家に住み始めた直後にカタクリを植えていた。開花まで8年ほどかかる、そして志乃の誕生花。ここでラストがよかったな。
アンソロジーは初読みの作家さんに出会えるチャンス! -
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2024.10.08
「女」でいることを誇れるような、そんな読後感だった。
4人それぞれいろいろな事情を持つ女性たちがいて、それぞれの想いが交差する。
女ってドロドロしてて陰湿なもの、という通説は自分も女である以上ある程度自覚しつつ読んだものの、それとは正反対の印象を受けた。
女同士っていいよなぁ。と改めて思える。
仁美にはとても共感する部分が多く、自分と重ねながら読んでしまった。
繊細な女性の感情の機微を丁寧に描いていて、女性にしか描けないだろうな、と感じる。
また歳を何年も重ねた後は違った人物に感情移入するかもしれないのでその頃に再読したい。 -
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ネタバレ彼氏と別れた翌日に、高校時代の元彼謙治と元親友沙希ちゃんからの結婚式の招待状が届く、という最悪な状況から物語は始まる。
元彼に執着していたわけでもないのになんとなくショックを受けつつ、何に対してショックを受けているのか理解しきれていない梨香。
高校の体育祭で青春を過ごした実行委員のメンバーに招待状が届いたことから、実行委員でプレゼントを準備することをきっかけに、過去と向き合い始めていく。
ストーリー自体は難しくなく、スムーズに読むことができる。
物語は”10年”という単位がポイントになっているように思える。特に、年の差の恋愛に関する記載にハッとさせられた。
梨香の職場の後輩中谷くんは、10個上の梨香の友達マキちゃんに恋心を抱く。年なんて関係ないと励ます梨香だが、それは10年間をマキちゃんなりに歩んできたことを否定するようだ、と言う。たしかに、と思った。お互いに好意を持つことと、年の差があることは全く別の話で、お互いがお互いの人生を歩んできた結果、年の差がある状態で道が交わっただけなのだろうなと感じた。
また謙治、沙希ちゃん、さらに直近の元彼智久のセリフがあまりないこと、昇くんや阿部くんとも最終的に恋愛感情が多く語られず、物語としてもいわゆる”蛇足”にならなかったのも良かった。梨香は梨香として、自分で過去に向き合って生きていこうとしている様子が伝わった。
私自身、なかったことにしたい過去もある。でもその過去でも確かに私は一生懸命生きていて、その自分を否定するのは自分にとって失礼だ。過去に向き合って、そして今の自分、未来の自分のために日々過ごそうと思えた.