あらすじ
どうして、こんなにがんばってるんだろう。
大学卒業後、地元の携帯ショップで働いていた紗耶加は、息苦しい毎日に嫌気がさし、上京することを決心する。派遣社員ながらも新しい職場で充実した生活をスタートさせた。しかし、半同棲することになった彼氏の自分勝手な言動に違和感を抱きはじめる。幸せってなんだろう。仕事と恋愛の狭間で揺れる紗耶加を救ってくれたのはカメラだった。やがて紗耶加の撮った写真が雑誌編集者の目に留まり、彼女の運命は大きく変わっていく――。
※本書は、二○一四年九月に小社より刊行された単行本『砂に泳ぐ』を改題し加筆・修正の上、文庫化したものが底本です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
よくいるような普通の子が自分の人生を歩んでいくストーリー。主人公と年が比較的近いからかもしれないが、相変わらず飛鳥井さんは心情の動きを表現するのが上手い。途中、自分もモヤモヤとしてしまった。
後書きを読んでスッとそのモヤモヤの正体が分かり、サーッとすっきりした。
匿名
すごく繊細な女性だけれど、自分の気持ちを大事にしていて素敵な人です。苦しい時に周りに流されなかったからこそ、道を開ける事ができたんだと思う。
彼女みたいに自分の気持ちととことん向き合って、後悔しない決断が出来る人になりたいと思いました。
Posted by ブクログ
やりたいこともなく流されるままの主人公が、心が動くきっかけとなったカメラで写真を撮る事を仕事にするまでの10年間。自分の意思で人生を生きていくことの素晴らしさを感じられた。
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リアルで良かった。最初の話からまさか最後にこうなるとは…と。単なる恋愛ストーリーでもヒューマンドラマでもなく、現実的な素敵な話でした。
私も写真を撮ることが好きなので、紗耶加の写真を撮りたくなる気持ちに共感ができました。
Posted by ブクログ
とても良かった。
主人公は大学卒業後、地元の携帯ショップで働く紗耶加
やりがいを見つける事が出来ず思い切って東京へ行き、そこで新しい職場、気の合う同僚、後に半同棲する彼との出会いがあります。
そしてある出来事がきっかけでフォトグラファーの道に進みだします。
秀逸だったのは紗耶加の人物描写
仕事、恋愛、自分の将来に悩む女性の姿が丁寧にリアルに繊細に描かれています。
全く同じではなくても紗耶加のエピソードと近い経験は誰もが通る道だと思います。
ストレスからめまいを起こしたり、不安や寂しさ、焦りに悩む主人公が少しづつ成長し強くなって行く姿は本当に凛々しかった。
幸せな余韻が残る作品です。
Posted by ブクログ
「働く女性におすすめの本」で見つけた作品。
主人公が、仕事や恋愛、自分の生き方について向き合う姿は、自分とも重なる部分が多くて、この世界に一気に引き込まれた。
主人公の紗耶加が、転職や色んな人との出会いを通して、相手に自分の思いを伝えられるようになっていく姿が、カッコよくて勇気をもらえた。
「自分の本音」って人に簡単には言えないし、怖いと思う部分もあるよなぁと共感。
Posted by ブクログ
初めは、なんとも弱々しいサヤカに対し、同じ女として何故か苛立ちを感じてしまい、
これ面白くなるの??という疑念をぶつけながら読み進め、
ケイスケとの出会いに、何て幸せな女なんだ と、嫉妬すらしてしまった。
しかし、読み進めていくにつれ、
サヤカが様々な人と出会い、影響され、変わっていく姿に触れ、人との関わりの大切さを感じた。
作中でサヤカが「運がいい」と言われているが、運がいいのではなく、自分の力(人との関わり方や、自分らしい生き方)によって、その時必要なものを引き寄せてるのではないかと思った。
実際、私も必要なものを欲し、無意識のうちに自分の力を発揮している時には引きが良い気がしているため、考え方、生き様で人生は大きく変わるな、、としみじみ思った。
20代後半〜30代の女性におすすめしたい小説でした。
Posted by ブクログ
文庫本で再読。
やっぱり苦しい、くるしい。
ほんの少しだけ紗耶加と通ずるところがあって
考えてしまう。
わたしはこれからどうなるんだろう
どうするんだろう
「自分の力で起きあがれなければ、どのみち、
また倒れてしまうだろう」
人間も一緒だ。
Posted by ブクログ
introduction───
「はっくしょん!」
大きなくしゃみが出た。鼻水がずるっと垂れてきそうになり、慌てて紗耶加は手で鼻と口を覆う。
─────────
中盤、共依存寸前(というかもうそのもの)の恋人を断ち切ってからの解放感と躍動感が心地よくて一気に読み終えた。
紗耶加をだめな恋愛から救いだしてくれるのが、恋人以外の男性ではなくて女友達の言葉であるところ、すぐに次の恋愛が始まって今度こそ恋も仕事もうまくいく…という展開にはならないところもいい。
シンデレラストーリーではあるけれど、東京で自分の足で立とうと奮闘する女の子が女性に成長していく過程が丁寧に描かれている。
2018年1冊目。
紗耶加と圭介との関係性が変容していくあたりから、弟がどんな気持ちでこの本を貸してくれたのかを考えて申し訳ない気持ちになった。
もしかしたら深い意味なんてなにもなく、ただ飛鳥井作品だから持ってきてくれただけなのかもしれないけれど。
それでも、心当たりがありすぎて。
倫世の言葉が胸に痛い。
Posted by ブクログ
飛鳥井千砂さんは、若い女性の日常の描き方がリアルで共感できて且つ、最後何となく勇気がそこはかとなく、日常の中で、出る、という作家だと思っていて。
しかしこれは、なかなか主人公に共感できなくてー!
という感情は、解説で見事に紐解いてもらえます。
ラスト急に救われる、人の温かみを感じる、そこまで長い、、。
#飛鳥井千砂 #砂に泳ぐ彼女 #読書記録
Posted by ブクログ
まさにタイトル通り、砂という足場の悪い部分を足掻きながら進んでいく女性の10年間を描いています。
はじめは砂に足を取られてすぐ身動きが取れなくなってしまう主人公ですが、次第に足腰がしっかりして進んでいくようになる姿を見ていると応援したくなります。
Posted by ブクログ
最後ぐだったけど、面白く読みやすい作品だった。好きなことを見つけて、それを仕事にできるっていいな。仕事には、ならないまでも好きなことを見つけたい。
Posted by ブクログ
紗耶加の25歳~35歳までの10年間の物語。
派遣社員で働いている頃は、なんとなく弱弱しい(体力的にも精神的にも)感じがして、でもなんか付き合ってる人がいつもいて、なんかあんまり好きではなかった。
社員となってからはたくましくなったけど、その一方でプライベートなことがあまり描かれなくなってしまい、もっと明るくハツラツとした面も見たかったというのが本音。
でも明るい光がさしてる終わり方は好き。
Posted by ブクログ
非常に読みやすい作品でした。
主人公の女性が、色んな人との出会いと別れを経験しながら、葛藤し、必死に日々奮闘していく姿が綺麗に読み取れました。
ちょっと異性との出会いが多くて羨ましいなと思いました(笑)。
Posted by ブクログ
か弱かった主人公が強く成長していく。その過程に、いろんな人たちとの出会いがあったからだろう。
クズな元彼、智也とも結果的には強くなるための踏み台になっていた…。
ちょっとしたシンデレラストーリー。