飛鳥井千砂のレビュー一覧

  • タイニー・タイニー・ハッピー

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     登場人物たちが皆んな前向きに進んで行くのが良かったです。名前を全然覚えられない人間なので「こいつ誰やっけ...?」と何回も前のページに戻りました。

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    2022年10月14日
  • 海を見に行こう

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    海辺にふさわしく、さわやかに、でも切ない話でまとめられた連作短編です。
    旅立ちの時期にもぴったりかもしれません。海を見に行きたくなりました。

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    2022年03月30日
  • アシンメトリー

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     著者2作目だが、飛鳥井さん作家読みしようかな。先が気になり、なかなか読むのを止められなかった。主要登場人物全員がリアルで、単なる良い人・嫌な人というカテゴリ分類ではなく、それぞれの良い部分・悪い部分が入り交じり、最終的には4人とも憎めない存在になっている。テーマはLGBTQです、と前面に主張するのでもなく、さらっと取り入れているところもスマート。
     大人になると仲がこじれると言いたいことを言わず、そのまま疎遠になることが多いけれど、朋美と紗雪はちゃんと向き合って仲直りしていて微笑ましく、羨ましかった。

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    2022年02月28日
  • 女の子は、明日も。

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    月に1度会う仲でも相手のことはそこまで知らない。
    そこまで知らないからこそ、仲良くできる女の子たちの距離感。
    一般的に幸せといわれる人の苦しみは想像されにくく見え辛い。
    彼女たちのパートナーがここぞというときは救ってくれる人たちでよかった。

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    2022年02月11日
  • タイニー・タイニー・ハッピー

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    デパート”タイニータイニーハッピー”が舞台。狭い世界の中で、人間関係に悩みながらも生きてる登場人物たちに寄り添いながら読めた。今いる場所で頑張ろう、って思わせてくれた本。

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    2021年10月24日
  • この部屋で君と(新潮文庫nex)

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    最後の短編が特に生々しくて。他のもどれも生々しかった。のぞき見している気分。同棲って何なんだろう。結婚のように契約でもなんでもなくて、気持ち次第ですぐに出て行って。また夢に見そう。

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    2021年09月04日
  • この部屋で君と(新潮文庫nex)

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    朝井リョウはん目当てで手に取りましたが、
    最後の吉川トリコさんの短編がお気に入りです。

    私自身も、自分の性格や習慣はこれまで一緒に過ごした人に影響されてるところがあるのだろうと思い馳せました。

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    2021年07月31日
  • タイニー・タイニー・ハッピー

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     ショッピングモールが舞台の小説。身近な施設で私自身大好きで頻繁に利用しているが、取り上げられた小説に出会うことが少なく、新鮮な気分で読んだ。
     ショッピングモールで働く人々とその周辺人物で構成された、20代の恋愛を描いた連作短編集。何冊かに1冊は日常を描いた小説が読みたくなる。ドンピシャの世代ではないけれど遠い昔の記憶というほどでもなく、読んでいて心地良かった。聞いているようで聞いていない夫の話は頷きながら読み、最後の「ワイルドフラワー」で妻側もちゃんと話を聞けていないことに気づくシーンで同じくハッとした。読み進むうちに小山さんが少しずつ好きになっていった。
     勝手に最近出た小説かと思ってい

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    2021年07月31日
  • 女の子は、明日も。

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    登場人物の4人の女子。
    みんな、それぞれの悩み…
    多分、女子なら一度は思ったことがある悩みと一つくらいは重なるかな?

    女子特有のドロドロした話もなく
    サクサクと読めました。

    同級生に会いたくなりました。

    幸せそうに見えても、みんな外には見えないけど
    悩みを抱えてるよなぁ。

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    2020年02月14日
  • この部屋で君と(新潮文庫nex)

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    神様のやつが一番良かった。
    『そういうことか!』『そうだったんだ!』ってなるような話が好きなので。
    あとはインコのやつも良かったです。

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    2019年11月08日
  • チョコレートの町

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    舞台は地方都市の近く、チョコレート工場からの匂いが漂う中途半端な田舎町。
    そんな町や無神経な家族に嫌気が差していた主人公の遼は、大学から都会に出ていたが、仕事の都合により臨時で故郷に帰ることになる。
    そして、色々な人、様々な出来事を通して、故郷への気持ちが変わっていくというお話。

    「地方都市の近くの町」のなんとも言えない中途半端さの描写が上手い!
    車社会、すぐ噂が広まる、地元に残った人の地元志向の強さ、外からは見えないヒエラルキー、外に出てる人の格好のイマイチさ……とかとか。
    都会に比べてなんか情けなさを感じるやつね。

    人物も、「そういう人居るよね」ってなるリアルな描写でした。
    沙知さんが

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    2019年10月13日
  • アシンメトリー

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    最後の評論家の方の言葉に凄く共感した。
    違いを受け止めて前に進む終わり方に人間らしさを感じた。とても厚みのある内容に思えた。いい意味で期待を裏切られた。

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    2019年10月03日
  • この部屋で君と(新潮文庫nex)

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    作家8名によるアンソロジー。
    ひとつの部屋で暮らす、いろんな二人の物語。

    ひとつ屋根の下というと、ルームシェアか同棲がイメージしやすかったのですが、妖怪とか少女とか変わった関係も多くて。
    初読みの作家さんも多かったのですが、個人的には徳永圭さんの『鳥かごの中身』がせつなくて、少しあたたかくて好きでした。

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    2019年07月22日
  • アシンメトリー

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    ネタバレ

    ・『はるがいったら』が面白かったので、同じ作家の本ということで読んでみた。
    ・本書も面白く、読みだしたら止まらなくなり2日くらいで一気に読んでしまった。
    ・今回は男女2人ずつ、4人のキャラクターでどれも非常に魅力的で、全員に入り込めた。
    ・特に女性2人については対照的で、お互いの視点で話が語りがなされるときも、自分が「当たり前」に思っていることと、相手が「当たり前」に思っていることのすれ違いの会話が非常に面白かった。
    ・自分的には完全に考えて気には「紗雪」派なので、何にせよ「それが普通でしょ」で行動する朋美はただのアホな女(言葉悪、1)としか思えなかったが、最後の方で覚醒していくのはかっこよか

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    2019年06月01日
  • はるがいったら

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    ネタバレ

    久しぶりにページを捲るのが止まらないような面白い小説を読んだ気がする。
    なにかにつけて完璧主義で容姿端麗だけど結婚が決まっている幼馴染と不倫を続けている姉と、やれば何でもそこそこ出来るけど「まぁそんなもん」が口癖で何かに熱中したことが無くやりたいことも見つからない受験生の弟を中心に、老犬ハルとともにそれぞれの壁に悩みながらぶつかっていく物語、といえるだろうか。
    語り方として一人称を姉と弟と交互に切り替わっていく形で、これが非常に面白く、片方の視点の認識や印象と、もう片方の認識や印象とのズレをスリリングに読み進めることができた。
    また、それぞれの人間性をエピソードを交えて協調する部分が非常に面白

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    2019年05月30日
  • 海を見に行こう

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    同じ海の街が舞台で繋がった短編集です。ゆるやかに連作となっています。6作品あり、基本は恋愛小説な感じですが、最後の表題作が家族の物語で胸がじわっと熱くなりました。どのお話も良いです。

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    2018年11月11日
  • はるがいったら

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    寝たきりの愛犬と迷える姉弟の青春物語。
    両親が離婚し離れて暮らす姉弟。
    完璧主義の姉・園は不毛な恋愛にはまり、体が弱く冷めた性格の弟・行は進路に悩んでいる。
    寝たきりの愛犬・ハルを間に揺れる二人。
    第18回小説すばる新人賞受賞作。

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    2018年01月04日
  • 君は素知らぬ顔で

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    ネタバレ

    *とある女優の成長を軸に、様々な時代を生きる人々の心のささくれを丁寧に描いた六編。最後に新鮮な驚きと爽やかな感動が待っている、連作小説の傑作*
    テーマは「自分の存在が誰かに影響を与えるということ」ですが、どこにでもいるような男女の、どこにでもありそうな出来事なだけに、無理なく入り込めるし、逆に反発したり。物語が本当にリアルなので、登場人物の追体験をしている気分になります。そこが一番の魅力。「ゆうちゃん」の成長を絡めた構成も新鮮だし、見る人や角度にによって感じ方が違う面白さも十二分に味わえる。その上、連作なので、所々で前作の登場人物のその後が垣間見えて二倍楽しめる。「どこかで誰かに」でパズルのピ

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    2017年03月15日
  • はるがいったら

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    年老いたハルの介護・看取りを通して、姉と弟は自分らしさを知り他人を理解することを覚えていく。
    完璧主義者の姉・園と自分の本心が分からない弟・行のどちらにも共感できるところがあった。
    タイトルの通りハルとお別れするとき、悲しさだけではない木漏れ日に触れたような温かな涙が滲んだ。

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    2016年10月23日
  • アシンメトリー

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    ネタバレ

    *結婚に強い憧れを抱く女、朋美。結婚に理想を追求する男、貴人。結婚に縛られたくない女、紗雪。結婚という形を選んだ男、治樹。朋美は、親友の紗雪が幼なじみの治樹と突然結婚を決めたことにショックを受ける。心から祝えない朋美だったが、ふたりの結婚パーティーで出会った貴人に次第に魅かれていく。しかし、紗雪と治樹の結婚には隠された秘密があった…。アシンメトリー(非対称)なアラサー男女4人を巡る、切ない偏愛ラプソディ*

    これは・・・予想を裏切る展開でした!もちろん、良い意味ですが。LGBT絡みかな、とは思っていたけど、更にその裏があったり、「普通」に対する概念の違いや、それぞれの持つ歪みも見事にあぶり出さ

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    2016年10月13日