あらすじ
不動産会社の支店で店長の遼は、故郷にある店舗に一時的に赴任する。閉塞的な土地柄や何事にもいい加減な家族を嫌っていたが、友人の結婚問題や、父親の退職にまつわるトラブルなどを経て、見方が変わっていく。そして遼自身も自分を見つめ直してゆく。共感度抜群のエピソードがちりばめられた、青年の成長物語。
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Posted by ブクログ
舞台は地方都市の近く、チョコレート工場からの匂いが漂う中途半端な田舎町。
そんな町や無神経な家族に嫌気が差していた主人公の遼は、大学から都会に出ていたが、仕事の都合により臨時で故郷に帰ることになる。
そして、色々な人、様々な出来事を通して、故郷への気持ちが変わっていくというお話。
「地方都市の近くの町」のなんとも言えない中途半端さの描写が上手い!
車社会、すぐ噂が広まる、地元に残った人の地元志向の強さ、外からは見えないヒエラルキー、外に出てる人の格好のイマイチさ……とかとか。
都会に比べてなんか情けなさを感じるやつね。
人物も、「そういう人居るよね」ってなるリアルな描写でした。
沙知さんがとっても好き。素敵。
あと、若槻さんも素敵。ああいう風に年を重ねたい。
Posted by ブクログ
満足度高い。繊細で丁寧で優しいお話。小悪党くらいは出てくるけど、総じて人間味ある登場人物が魅力的。劇的なドラマではない、日常的なドラマを。誰にでもすぐそこにあるものを親しみをもって語られる暖かい良い物語だったなぁ。
「訪ねる」田舎はあるけど、「帰る」故郷は東京の自分にとっては想像するしかない感覚が主題になっているけど、それでも楽しく読めたなぁ。地方出身者のひとに読んでみてもらって感想を聞きたいなぁ。
Posted by ブクログ
大阪で生まれ育ったと言うてる俺、厳密に言うと尼崎で生まれて島本で育って今は大阪に住んでいる。でも職場は実家にかなり近い(2014年6月現在)が正解
さて、この作品の主人公、N(名古屋)近郊のチョコレート工場がある街(多分森永のある安城)で生まれ育ち、その街の閉塞感に嫌気がさして受験をきっかけに東京に出てきたしっかりもの。そんな主人公が仕事の都合で故郷に舞い戻ってきて…って話。
確かに故郷(っちゅうとなんかむず痒いので地元と呼ぶが)っちゅうのは単純に手放しで愛せないとこあって、時々「あぁ良いとこだったなぁ」と思ってはみても、実際住んでみることを想像するとちょっと色々抵抗があるもんで。
そういう地元へのつかず離れず居心地よい距離感をさぐる気持ちが良く書けてる小説である
登場人物のキャラも綺麗にたっていて(飛鳥井さんのキャラ立ては作品を追うごとにどんどんうまくなっていくと思う)、活字を追ったら勝手に脳裏で動いてくれる感じ。人間関係の微妙さを描いた小説だからこそキャラを立てるって大事なんだなぁと思った次第。
Posted by ブクログ
私自身故郷から遠く離れて暮らしているので、とても共感できました。実家の家族に久しぶりに会った時の違和感など、いちいちうなずけました。しばらく帰れていない実家、今度はいつ帰れるかな。
Posted by ブクログ
うん、やっぱ俺好きだなー、飛鳥井さんの小説。
どこにでもありそうな町の日常を切り取ったもので
そんなにおっきな浮き沈みもないのに退屈もしないし
どんどん読み進めたくさせてくれる。不思議な感じ。
チョコレート工場からの匂いが漂う、中途半端な田舎町。
そんな故郷が嫌で大学進学を機に上京した早瀬。
そのまま就職して不動産会社で働いていたのだが、
故郷の支店で問題が発生し、暫定的にそこの店長代理をやることに。
田舎ならではの人間関係や因習にとらわれた考え方が嫌で飛び出し、
それまでほとんど帰ることのなかった故郷。
不意に帰ることになった彼は戸惑いつつも、
家族や同級生たちとこれまでより深く付き合うことになり少しずつ…
といったお話。
冒頭にも書いたけど、これといったクライマックスは無い。
強いて言うなら、あそこかなーという箇所があるくらい。
それでもね、面白いです。
主人公の早瀬の考え方が自分とよく似てるなと思ったからかも
しれないけど、とっても共感もできたしね。
俺ももう少し帰る頻度を高くしよう・・・かな。
Posted by ブクログ
面白かったけれど、UNTITLEDに少し似ている?と思いました。
田舎って、家族や友達、職場の仲間との関わりがすごく温かくて、素敵な環境だと思います。
窮屈そうだなとも思うけど、都会で心病んだら住んでみたいなぁ
Posted by ブクログ
遼が実家を出たかった理由、深くうなづきながら読んでた。
そうなんだよねぇ。
でも同感する場面ばかりじゃなく、遼を若いなと思ってしまう場面も多く、それだけ私が年を取ったのかもしれない。
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自分が地元に転勤したときのことを思い出して、主人公に共感した。
故郷を「中途半端」だと言うのもよくわかる。
嫌いではないけど特別好きなわけでもない。
それでも帰る故郷があるのはいいなと思った。
Posted by ブクログ
地元ってうんざりすることも多い。狭すぎるコミュニティとか、不便さとか。でも少し離れると、良いところも見えてくる。生まれ育った街がかけがえのないものに思えてくる。嫌いにならずに、ずっと大切に思えたらいいなぁ。
Posted by ブクログ
故郷が好きになれずに都会に出て来たはずなのに、仕事の都合で一時的に戻ってみると、かつては見えなかった良いところに気付く。
自分も生まれた町を出て20年以上が経つので、また戻ると違う印象があるのかな。
飛鳥井さんの繊細な描写は、どれを読んでも心が温まります。
Posted by ブクログ
「俺の居場所って、どこなんだ?」
東京に出てきてから何年も経つ。
自分はここで必要とされているのか?
上京してきた人の多くが感じる思い。
甘ったるくて、ときどきほろ苦い。
そんな話。
Posted by ブクログ
飛鳥井さんの本は三冊目。
人の心が微妙に変化していくさまを描くのが…うまいっ!
するする読めて、あっという間にはまってしまう。そんな本。
自分の人生とは少しも重なるところはないのだけれど、なぜかとても共感してしまう語り口。人が好きになってしまう。
僕は生まれてから一度も故郷を出ていない。でも故郷が好きなのではなく、本当はうんざりしてる。出て行かないのは、他所で生きていく自信がないからかもしれない。
半世紀生きて、そろそろ一度出てみようかなと思えてきた。故郷を懐かしく思える自分を手に入れるために。
いい本です。飛鳥井さんの作品、もう少し読みたいな。
Posted by ブクログ
「ねぇ、君は故郷を愛しているかい?」
恋人からの言葉で始まった、故郷への思いの振り返り。
そういえばほとんど帰っていない、チョコレート工場からの甘い香りに包まれた中途半端な町。
それが、その町にある店舗社員の不祥事に巻き込まれ、代理として勤務するために故郷へ戻ることに。
家族とのぎこちない距離感、相変わらずだなと呆れたり困ったりの同級生、結婚、退職。
決して長くはない期間で、少しずつ故郷と自分の距離、在り方が変わっていく様は、何だかとても近く感じた。
帰ろうと思えばいつでも帰れる距離って、結構「帰らない」方を選んでしまう。
でも存在はいつも近からず遠からずの位置にある気がして、主人公のように突然また目の前に、みたいになったらそりゃあ戸惑うだろう。
おそらく誰もが感じたことのあるものが、散りばめられていると思う。
田舎なら特にだと思うが、人が人に積極的に関わって成り立っている節があると思う。
都会だと隣人を知らないなんてザラだけど、田舎はそれはない。
関わらさせられる、とでも言おうか(笑)
小さな町、どこにいても誰かしら知り合いを見かけたり見かけられたり。
でもそんな場所だからある付き合いも、降り積もる出来事や思い出もある。
わたし自身、帰ろうと思えばいつでも帰れる距離に育った故郷があるし、田舎だ。
でもほとんど帰っていない。
もう少し、帰る回数…「戻る」回数を増やしてみてもいいかもしれないと思った。
Posted by ブクログ
故郷に特に愛着も無い男が、仕事の都合で故郷に戻るお話。
あっという間に読み終わった。日常だけど、その人にとっては大事件…そういう話がとっても上手いなーと毎回思います。
Posted by ブクログ
ここ最近、文庫になった飛鳥井さんの本は期待が大きかった分どれもイマイチだったけど本作は良かった。
地方出身ではないけれと、瞭の家族や故郷に感じる気持ちはよくわかる。ラストもよかったな。
Posted by ブクログ
故郷の町を歩くたびに旧友と出会い、声をかけられる遼が羨ましいと思った。
それは、小さな町だからということではなく、遼がそれだけ慕われていることへの憧れだ。
長い間離れていても、昔の同級生から親しげに声をかけられる。遼の場合は、同級生だけでなく、職場の同僚や上司にも頻繁に食事に誘われている。
それだけ遼が付き合いやすく、魅力的な人なんだな、と思うのだ。
言っていいことと悪いこと、言うタイミング、自分の立場などをわきまえて、そのときに一番ふさわしい態度を取る。
そして、たまに本音(弱音も含む)を吐く。
みんなから慕われているけれど、本人がそれを自覚してないところもまた、人間たらしだなあと思う(褒めてます)。
Posted by ブクログ
仕事の都合で一時的に地元へ帰った主人公の気持ちを描いた作品。
飛鳥井千砂さんの作品はまだ2冊目だけど、感情の変化を描くのがとてもうまいと思う。そして脇役の良さ。私は実家を故郷と呼べるほど遠くにいたことがまだないため、主人公の気持ちは正直理解しきれるわけではないけれど、きっと離れたらわかることなのかな。
チョコレートの匂いがする街、どんななんだろう。
【2014.10】
Posted by ブクログ
"故郷を愛している"という台詞がキーワード。
強く印象に残りました。
実家が首都圏だから地元を離れる気持ちや嫌う気持ちはあまりわかりません。だけど、幼い頃過ごした土地を100%嫌うことってできないんじゃないかなって思いました。
Posted by ブクログ
不動産会社で店長をしている遼は急遽トラブル対応のため故郷にある店舗で店長をすることになる。久々に戻った故郷で両親や兄、友人たちと関わるなかで、気持ちの変化が起きる。
自分でなければダメな仕事、立場。
人から必要とされること。
28歳の遼の気持ちは結構共感できる部分が多かったかな。
ただ東京で生まれ育って両親も祖父母も都内にいるあたしとして故郷とか望郷の念とかいうのは想像するしかないけど
羨ましくもあります。