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Posted by ブクログ
大阪で生まれ育ったと言うてる俺、厳密に言うと尼崎で生まれて島本で育って今は大阪に住んでいる。でも職場は実家にかなり近い(2014年6月現在)が正解
さて、この作品の主人公、N(名古屋)近郊のチョコレート工場がある街(多分森永のある安城)で生まれ育ち、その街の閉塞感に嫌気がさして受験をきっかけに東京に出てきたしっかりもの。そんな主人公が仕事の都合で故郷に舞い戻ってきて…って話。
確かに故郷(っちゅうとなんかむず痒いので地元と呼ぶが)っちゅうのは単純に手放しで愛せないとこあって、時々「あぁ良いとこだったなぁ」と思ってはみても、実際住んでみることを想像するとちょっと色々抵抗があるもんで。
そういう地元へのつかず離れず居心地よい距離感をさぐる気持ちが良く書けてる小説である
登場人物のキャラも綺麗にたっていて(飛鳥井さんのキャラ立ては作品を追うごとにどんどんうまくなっていくと思う)、活字を追ったら勝手に脳裏で動いてくれる感じ。人間関係の微妙さを描いた小説だからこそキャラを立てるって大事なんだなぁと思った次第。