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Posted by ブクログ
最近ハマっている飛鳥井千砂さん。美人で何事にも妥協しない完璧主義の姉・園と、冷静で大人っぽくて普通な高校生の弟・行を中心としたお話。題名の『はるがいったら』の『はる』は春に2人が拾った犬、ハルのことだった。
起承転結があるお話ではない、ごくごく普通な日常のお話なのにすごく好きな空気感だった。特に、行のような真っ直ぐで優しい青年の考え方が好きなんだよなぁ。真面目だけど、決してつまんないやつではない、魅力的な青年。老犬のハルを介護するとことか、自分の犬だから当たり前っていうその当たり前のことを当たり前に出来ることが凄いいいんだよね。好きだなぁ。
姉の園は綺麗だしさっぱりしていて好きだったから、変な女に嫉妬されても負けないでほしいし、恭司との関係が凄く悲しいなと思った。恭司、なんで園に手を出したんだ!とね。ただ、園が恭司に別れを告げたのはよかった。つらいけど、絶対に園には幸せになって欲しいから別れを告げて大正解!がんばれ園!!!
Posted by ブクログ
久しぶりの飛鳥井さん。
こちらは第18回小説すばる新人賞受賞作なんですね。
毎回感じる「わかるよわかる」というこの感じ。わかるからこそチクッと胸が痛いところもあれば、なんだか懐かしく思えるところもあって、改めて好きだなあと思いました。
物語の中心は、完璧主義な姉と病弱な弟、そして老犬ハル。
描かれているのは何気ない日常なんですが、飛鳥井さんの瑞々しい感性でもって切り取られた世界は、何だかかけがえのない大切な日々に映ります。
写真を見ても、小説を読んでも感じることですが、「ああ、この人には世界がこんな風に見えているんだな」という感動がこみ上げてきます。
登場人物でいえば、私は園が好きです。
美人だし完璧そうなのに、誰よりも不器用なところが愛おしい。
園と恭司、実は鏡に映したようにそっくりですよね。
恭司も随分残酷なことをするものだ、と思うんですが、きっと悪意のない愛情表現なんですよね。それがまた悔しい。
まるで状況は違うのに、気付けば園に感情移入している自分がいました。
一方で、園が嫌い!という女性の気持ちもわからないではない。
見るからに高嶺の花な園には、羨ましさ半分、妬ましさ半分というところでしょうか。
「たとえ何があっても、相手を傷つけていいという理由にはならない」と心から理解するためには、実はそれなりに精神を成熟させる必要がある、と気づいたのは大人になってからです。
園も好きですが、行の若々しさ満載の物語も爽やかさ満載で胸がきゅっと締め付けられます。
行となっちゃんみたいな友情も、すごく素敵。
それに、行と忍の家族関係も。
いい時期に、いい人たちと関係を築けたんだね、と読んでいて微笑ましい気持ちです。
なかなか人の感情というのはシンプルではないから、複雑な想いもたくさん重ねるけど、それでも大切な人がいる日々というのは、それだけで随分愛おしいものだと、この本が教えてくれました。
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