飛鳥井千砂のレビュー一覧
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ネタバレ基本的に女性、特に主人公と同じくらいから上くらいの人が読むと共感できる小説なんだと思うんだけど、何故か中年のおっさんである俺が思ったよりはまってしまった。
結婚考えるとこまで進んでた彼氏と別れた翌日に元彼と元親友の結婚披露宴招待状がきたら、そら「神様なんていない」ってメゲるわなぁ。結婚や恋愛にまつわるいろんなもん憎むわなぁ。
そんな状況から主人公がどうやって2人を祝う席に行くようになるのか、参考になるやり方も、そらあかんやろってやり方もいっぱいやって平常を取り戻してく過程がなんか良い。
特に義理の妹が立ち直るヒントをくれるところと、女性同士の中華料理店でのくだり、それと地雷男の野島が良い -
Posted by ブクログ
飛鳥井さんの本は三冊目。
人の心が微妙に変化していくさまを描くのが…うまいっ!
するする読めて、あっという間にはまってしまう。そんな本。
自分の人生とは少しも重なるところはないのだけれど、なぜかとても共感してしまう語り口。人が好きになってしまう。
僕は生まれてから一度も故郷を出ていない。でも故郷が好きなのではなく、本当はうんざりしてる。出て行かないのは、他所で生きていく自信がないからかもしれない。
半世紀生きて、そろそろ一度出てみようかなと思えてきた。故郷を懐かしく思える自分を手に入れるために。
いい本です。飛鳥井さんの作品、もう少し読みたいな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「ゆうちゃん」という子役とその成長と変貌が、すべてのストーリーを貫く一本の線。
ふむ。
ひとつひとつのストーリーの中の登場人物が、必ず何かの形で次のストーリーにつながっていく。
ふむふむ。
ひとつひとつのストーリーもよくできていて、気楽に読めるし面白い。まあいいんじゃないかな…と思いつつ読んでいたのだ。… 「Last scene どこかで誰かに」 までは。
終わり近くで
あれ?
ストーリーを読み直して
ええっ!?
そうして…これらのsceneを繋いでいたテーマの素敵さに、ただただ拍手した。
飛鳥井さん、ファンになりそうです。この作品、大好きです。
と -
Posted by ブクログ
「ねぇ、君は故郷を愛しているかい?」
恋人からの言葉で始まった、故郷への思いの振り返り。
そういえばほとんど帰っていない、チョコレート工場からの甘い香りに包まれた中途半端な町。
それが、その町にある店舗社員の不祥事に巻き込まれ、代理として勤務するために故郷へ戻ることに。
家族とのぎこちない距離感、相変わらずだなと呆れたり困ったりの同級生、結婚、退職。
決して長くはない期間で、少しずつ故郷と自分の距離、在り方が変わっていく様は、何だかとても近く感じた。
帰ろうと思えばいつでも帰れる距離って、結構「帰らない」方を選んでしまう。
でも存在はいつも近からず遠からずの位置にある気がして、主人公のよう