飛鳥井千砂のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
飛鳥井さんの本は三冊目。
人の心が微妙に変化していくさまを描くのが…うまいっ!
するする読めて、あっという間にはまってしまう。そんな本。
自分の人生とは少しも重なるところはないのだけれど、なぜかとても共感してしまう語り口。人が好きになってしまう。
僕は生まれてから一度も故郷を出ていない。でも故郷が好きなのではなく、本当はうんざりしてる。出て行かないのは、他所で生きていく自信がないからかもしれない。
半世紀生きて、そろそろ一度出てみようかなと思えてきた。故郷を懐かしく思える自分を手に入れるために。
いい本です。飛鳥井さんの作品、もう少し読みたいな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「ゆうちゃん」という子役とその成長と変貌が、すべてのストーリーを貫く一本の線。
ふむ。
ひとつひとつのストーリーの中の登場人物が、必ず何かの形で次のストーリーにつながっていく。
ふむふむ。
ひとつひとつのストーリーもよくできていて、気楽に読めるし面白い。まあいいんじゃないかな…と思いつつ読んでいたのだ。… 「Last scene どこかで誰かに」 までは。
終わり近くで
あれ?
ストーリーを読み直して
ええっ!?
そうして…これらのsceneを繋いでいたテーマの素敵さに、ただただ拍手した。
飛鳥井さん、ファンになりそうです。この作品、大好きです。
と -
Posted by ブクログ
「ねぇ、君は故郷を愛しているかい?」
恋人からの言葉で始まった、故郷への思いの振り返り。
そういえばほとんど帰っていない、チョコレート工場からの甘い香りに包まれた中途半端な町。
それが、その町にある店舗社員の不祥事に巻き込まれ、代理として勤務するために故郷へ戻ることに。
家族とのぎこちない距離感、相変わらずだなと呆れたり困ったりの同級生、結婚、退職。
決して長くはない期間で、少しずつ故郷と自分の距離、在り方が変わっていく様は、何だかとても近く感じた。
帰ろうと思えばいつでも帰れる距離って、結構「帰らない」方を選んでしまう。
でも存在はいつも近からず遠からずの位置にある気がして、主人公のよう -
Posted by ブクログ
久しぶりに好きな時間軸が当たりました涙
中々こういう風に、最初関係なさそうな人物が度々出てきて、最後に繋がる。っていう本と出会うのはないので、嬉しかったです。
こういう本は、読み返すと更に面白さが増すので本当に大好きです。
scene3とscene5はすごく身にしみました。
なんとなく学校行きたくなくて、学校休んでずっと本を読んで過ごしていました。
去年は人間関係から逃げて皆勤取れたんだ。とか、皆勤なんて寂しい人間が取るものだ。とか、自分で自分を傷つけてました。
休んだところで、結局逃げてるには変わりないのに、踏ん切りがつかなくて…。ていう感じですが、scene3のラストで、ちょっと元気がで -
Posted by ブクログ
ネタバレこの作者にこんなに惹かれるのは何故だろうと思ったら、彼女が同世代だからのようだ。
現代を生きるアラサーの心情が痛いほど上手に描かれている。
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結婚に強い憧れを抱く女、朋美。結婚に理想を追求する男、貴人。結婚に縛られたくない女、紗雪。結婚という形を選んだ男、治樹。朋美は、親友の紗雪が幼なじみの治樹と突然結婚を決めたことにショックを受ける。心から祝えない朋美だったが、ふたりの結婚パーティーで出会った貴人に次第に惹かれていく。しかし、紗雪と治樹の結婚には隠された秘密があった……。アシンメトリー(非対称)なアラサー男女4人を巡る、切ない偏愛ラプソディ。 -
Posted by ブクログ
離れて暮らす姉弟と、寝たきりの愛犬ハル。完璧主義の園が続ける恋愛と、冷めた性格の行の進路の悩み。どうにもならない現実と向き合って、いろんなことを考えていく。タッチがどこか軽いからかな、読みやすかったし、好きだと思いました。
2017/08/23再読
最初に読んだときはあまりピンとこなかった、園と恭ちゃんの温度感。今なら鮮明にわかると思うのは、それだけ何かを経験したということなのか。ハルを主軸にしながら、家族とその周りの人々に起こる様々な出来事。誰に何が起きるのかなんてその時になってみないとわからない。何かが起きて初めて、人は自分の周りにいる人が自分にとってどんな存在なのかを知るんだと改めて思