飛鳥井千砂のレビュー一覧

  • チョコレートの町

    Posted by ブクログ

    飛鳥井さんの本は三冊目。

    人の心が微妙に変化していくさまを描くのが…うまいっ!

    するする読めて、あっという間にはまってしまう。そんな本。

    自分の人生とは少しも重なるところはないのだけれど、なぜかとても共感してしまう語り口。人が好きになってしまう。

    僕は生まれてから一度も故郷を出ていない。でも故郷が好きなのではなく、本当はうんざりしてる。出て行かないのは、他所で生きていく自信がないからかもしれない。

    半世紀生きて、そろそろ一度出てみようかなと思えてきた。故郷を懐かしく思える自分を手に入れるために。

    いい本です。飛鳥井さんの作品、もう少し読みたいな。

    0
    2013年12月28日
  • 君は素知らぬ顔で

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「ゆうちゃん」という子役とその成長と変貌が、すべてのストーリーを貫く一本の線。

      ふむ。


    ひとつひとつのストーリーの中の登場人物が、必ず何かの形で次のストーリーにつながっていく。

      ふむふむ。

    ひとつひとつのストーリーもよくできていて、気楽に読めるし面白い。まあいいんじゃないかな…と思いつつ読んでいたのだ。… 「Last scene どこかで誰かに」 までは。

    終わり近くで

      あれ?
     
    ストーリーを読み直して
      
      ええっ!?

    そうして…これらのsceneを繋いでいたテーマの素敵さに、ただただ拍手した。

    飛鳥井さん、ファンになりそうです。この作品、大好きです。

    0
    2013年12月14日
  • 君は素知らぬ顔で

    Posted by ブクログ

    読み終わってしばらくたった。
    1編1編のストーリーはあんまり覚えてないけど、
    全編で女優のゆうちゃんが出てくる。

    最初は子役のゆうちゃんが登場して、
    段々と大人になってくゆうちゃんが
    並行して描かれる。最終章では、
    ゆうちゃんが深く書かれてて、
    期待も裏切らず良かった。

    子役から成長してく女優の話は
    綿矢りさの「夢を与える」のインパクトが
    大きかったから、どきどきして読み進めたけど、
    ゆうちゃんが強い女優として描かれてて良かった。

    0
    2013年09月23日
  • 海を見に行こう

    Posted by ブクログ

    あすかいさんの、海にまつわる短編集。
    表紙が私の大好きないくえみさんなのです。

    「海風」
    親戚の夫婦がしていた民宿がラブホテルになっていた。
    「こんなはずじゃなかった。けど、生きてゆくためには。」
    現実ってやっぱりそうかな。。と、へこむでもなく思えるはなし。

    「笑う光」
    街灯の光を指さして「なんか、泣いてるみたいに見えない?あれ」
    切ない→ゆがみ
    に移行するところがなんとも言えない。
    あたたかい話じゃないけど、一番すきな話。

    「海のせい」
    彼氏に別れを告げようとしているけれど、告げられない。
    一番、先が気になった。

    0
    2013年09月19日
  • チョコレートの町

    Posted by ブクログ

    「ねぇ、君は故郷を愛しているかい?」

    恋人からの言葉で始まった、故郷への思いの振り返り。
    そういえばほとんど帰っていない、チョコレート工場からの甘い香りに包まれた中途半端な町。
    それが、その町にある店舗社員の不祥事に巻き込まれ、代理として勤務するために故郷へ戻ることに。

    家族とのぎこちない距離感、相変わらずだなと呆れたり困ったりの同級生、結婚、退職。
    決して長くはない期間で、少しずつ故郷と自分の距離、在り方が変わっていく様は、何だかとても近く感じた。
    帰ろうと思えばいつでも帰れる距離って、結構「帰らない」方を選んでしまう。
    でも存在はいつも近からず遠からずの位置にある気がして、主人公のよう

    0
    2013年08月18日
  • 君は素知らぬ顔で

    Posted by ブクログ

    飛鳥井さんのこういう話、結構好き!
    最後のゆうちゃんに気付いた時は小さなぞわぞわを感じられて満足でした!

    0
    2013年08月14日
  • チョコレートの町

    Posted by ブクログ

    故郷に特に愛着も無い男が、仕事の都合で故郷に戻るお話。
    あっという間に読み終わった。日常だけど、その人にとっては大事件…そういう話がとっても上手いなーと毎回思います。

    0
    2013年07月31日
  • チョコレートの町

    Posted by ブクログ

    ここ最近、文庫になった飛鳥井さんの本は期待が大きかった分どれもイマイチだったけど本作は良かった。
    地方出身ではないけれと、瞭の家族や故郷に感じる気持ちはよくわかる。ラストもよかったな。

    0
    2013年07月26日
  • サムシングブルー

    Posted by ブクログ

    人にはあまり言えない、汚い(?)気持ちとか、
    その他、あるある、ばかり。
    なんとなく買った本でしたが、良かったです。

    夏、ナツイチとかそういう響きや広告、
    季節を感じます!本を読みたくなります!

    0
    2013年07月14日
  • 海を見に行こう

    Posted by ブクログ

    すっごくドラマティックというわけでもないだけに現実味があって、細かい心理描写がいいなと思う。

    最後の話が良かった。

    0
    2013年07月04日
  • 海を見に行こう

    Posted by ブクログ

    海辺の町で生きていたり、そこを故郷にする男女の短編集。
    個人的には、海なし県育ちだから、何かあって海が見たくなって、見に行くことができる、その環境がすごくうらやましい(笑)
    ほっこりしたり苦しかったり、優しかったり切なかったり。
    いろんな感情を最後にくれて、そして彼らのその後は続いていくんだろうと思わせる終わり方がとても好き。
    表題作の「海を見に行こう」が一番、自分の中にすとんと落ちた感じがした。
    癒されるというと語弊があるかもしれないけど、どこかほっとするような、やさしくなれるような作品でした。

    0
    2013年07月02日
  • 君は素知らぬ顔で

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「ゆうちゃん」が最初に出てきたときはなんじゃこりゃ?と思っていたが、最後につながっていくのね。
    彼女の成長と同じように多くの人が成長していったり自分の人生を見つめなおしたりしていく話。
    どうしたって誰かは誰かの人生に影響を与えずに生きてはいかれないということを感じた。
    逃げちゃ駄目だ。

    ずっと「ゆうちゃん」は私には前田敦子の顔だった。何でだろ?

    0
    2013年06月25日
  • サムシングブルー

    Posted by ブクログ

    私は男性で、しかも青春も遠い過去になってしまったのに、何故か惹かれる飛鳥井作品。
    この表紙は恥ずかしいのでブックカバーをつけて通勤電車で読みましたが、毎日少しだけ前向きな気持ちになれました。
    澤田さん、格好いい!

    0
    2013年05月24日
  • 君は素知らぬ顔で

    Posted by ブクログ

    久しぶりに好きな時間軸が当たりました涙
    中々こういう風に、最初関係なさそうな人物が度々出てきて、最後に繋がる。っていう本と出会うのはないので、嬉しかったです。
    こういう本は、読み返すと更に面白さが増すので本当に大好きです。

    scene3とscene5はすごく身にしみました。
    なんとなく学校行きたくなくて、学校休んでずっと本を読んで過ごしていました。
    去年は人間関係から逃げて皆勤取れたんだ。とか、皆勤なんて寂しい人間が取るものだ。とか、自分で自分を傷つけてました。
    休んだところで、結局逃げてるには変わりないのに、踏ん切りがつかなくて…。ていう感じですが、scene3のラストで、ちょっと元気がで

    0
    2013年05月14日
  • 君は素知らぬ顔で

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    飛鳥井さんの短編集だけど、話が実は繋がってるってのがすごく好きで、ただの短編集と違って続きがあるから他の人物の動きとかが分かってすごく楽しい。
    今回もそんな感じで色んな人が子役だった女の子が女優になって成長していく中、その子に色んな人が色んな影響を受け、最後はその女優さんの旦那さんの話で、最後に色々繋がってくるのが楽しかったです。

    0
    2013年06月10日
  • 君は素知らぬ顔で

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    飛鳥井千砂さんの連作小説はとても素晴らしいと思う。
    一つのつながりからいろいろ人の視点が見える。
    その見え方が自分の中にスーっと入ってくるのがすごい好きです。

    0
    2013年04月19日
  • サムシングブルー

    Posted by ブクログ

    彼氏と別れた翌日に元親友・元彼の結婚式の招待状が届く…というところからスタートする。

    所々高校時代の回想が入るけど、それと現在のギャップが切ない。
    終盤、共通の友人から元彼の想いを聞くところが1番好きなシーンかも。

    結婚・出産が身近になってきたから余計かな?

    0
    2013年03月02日
  • アシンメトリー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    この作者にこんなに惹かれるのは何故だろうと思ったら、彼女が同世代だからのようだ。
    現代を生きるアラサーの心情が痛いほど上手に描かれている。
    ---
    結婚に強い憧れを抱く女、朋美。結婚に理想を追求する男、貴人。結婚に縛られたくない女、紗雪。結婚という形を選んだ男、治樹。朋美は、親友の紗雪が幼なじみの治樹と突然結婚を決めたことにショックを受ける。心から祝えない朋美だったが、ふたりの結婚パーティーで出会った貴人に次第に惹かれていく。しかし、紗雪と治樹の結婚には隠された秘密があった……。アシンメトリー(非対称)なアラサー男女4人を巡る、切ない偏愛ラプソディ。

    0
    2015年06月03日
  • はるがいったら

    Posted by ブクログ

    離れて暮らす姉弟と、寝たきりの愛犬ハル。完璧主義の園が続ける恋愛と、冷めた性格の行の進路の悩み。どうにもならない現実と向き合って、いろんなことを考えていく。タッチがどこか軽いからかな、読みやすかったし、好きだと思いました。

    2017/08/23再読
    最初に読んだときはあまりピンとこなかった、園と恭ちゃんの温度感。今なら鮮明にわかると思うのは、それだけ何かを経験したということなのか。ハルを主軸にしながら、家族とその周りの人々に起こる様々な出来事。誰に何が起きるのかなんてその時になってみないとわからない。何かが起きて初めて、人は自分の周りにいる人が自分にとってどんな存在なのかを知るんだと改めて思

    0
    2017年08月23日
  • This is the Airport

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    6編からなる短編小説。ゆるくつながる感じ

    最後のタイトルと同じ「This is the Airport」が一番良かった。

    3.11のテロで飛行機に乗れなくなった瑠美。そのために大好きな夫裕也と別れることになる。辛い展開だった。

    0
    2025年10月26日