飛鳥井千砂のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「ねぇ、君は故郷を愛しているかい?」
恋人からの言葉で始まった、故郷への思いの振り返り。
そういえばほとんど帰っていない、チョコレート工場からの甘い香りに包まれた中途半端な町。
それが、その町にある店舗社員の不祥事に巻き込まれ、代理として勤務するために故郷へ戻ることに。
家族とのぎこちない距離感、相変わらずだなと呆れたり困ったりの同級生、結婚、退職。
決して長くはない期間で、少しずつ故郷と自分の距離、在り方が変わっていく様は、何だかとても近く感じた。
帰ろうと思えばいつでも帰れる距離って、結構「帰らない」方を選んでしまう。
でも存在はいつも近からず遠からずの位置にある気がして、主人公のように突然また目の前に、みたいになったらそりゃあ戸惑うだろう。
おそらく誰もが感じたことのあるものが、散りばめられていると思う。
田舎なら特にだと思うが、人が人に積極的に関わって成り立っている節があると思う。
都会だと隣人を知らないなんてザラだけど、田舎はそれはない。
関わらさせられる、とでも言おうか(笑)
小さな町、どこにいても誰かしら知り合いを見かけたり見かけられたり。
でもそんな場所だからある付き合いも、降り積もる出来事や思い出もある。
わたし自身、帰ろうと思えばいつでも帰れる距離に育った故郷があるし、田舎だ。
でもほとんど帰っていない。
もう少し、帰る回数…「戻る」回数を増やしてみてもいいかもしれないと思った。 -
Posted by ブクログ
久しぶりに好きな時間軸が当たりました涙
中々こういう風に、最初関係なさそうな人物が度々出てきて、最後に繋がる。っていう本と出会うのはないので、嬉しかったです。
こういう本は、読み返すと更に面白さが増すので本当に大好きです。
scene3とscene5はすごく身にしみました。
なんとなく学校行きたくなくて、学校休んでずっと本を読んで過ごしていました。
去年は人間関係から逃げて皆勤取れたんだ。とか、皆勤なんて寂しい人間が取るものだ。とか、自分で自分を傷つけてました。
休んだところで、結局逃げてるには変わりないのに、踏ん切りがつかなくて…。ていう感じですが、scene3のラストで、ちょっと元気がでました。
”きっと今は簡単に負けてしまう”
また明日から頑張ればいいや。って思えました。
scene5は、一度そういう男性に引っかかってるので、没頭しました。
今現在も、”俺は仕事が忙しくて疲れてるんだよ。由紀江ぐらい俺のこと癒してくれよ”とかいう人はいますが、心配はしてくれません(笑)
ある程度の心配はしてほしいなと、ちょっと要求してしまいます。
彼から、サボりだろ。さっさと学校来い。って言われたら、すぐ用意して行くのに(笑) -
Posted by ブクログ
離れて暮らす姉弟と、寝たきりの愛犬ハル。完璧主義の園が続ける恋愛と、冷めた性格の行の進路の悩み。どうにもならない現実と向き合って、いろんなことを考えていく。タッチがどこか軽いからかな、読みやすかったし、好きだと思いました。
2017/08/23再読
最初に読んだときはあまりピンとこなかった、園と恭ちゃんの温度感。今なら鮮明にわかると思うのは、それだけ何かを経験したということなのか。ハルを主軸にしながら、家族とその周りの人々に起こる様々な出来事。誰に何が起きるのかなんてその時になってみないとわからない。何かが起きて初めて、人は自分の周りにいる人が自分にとってどんな存在なのかを知るんだと改めて思った。