飛鳥井千砂のレビュー一覧

  • 砂に泳ぐ彼女

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    携帯ショップで働く女性が地元での生活に閉塞感を覚え東京に出てくる。女性が居場所を見つける物語だ。
    飛鳥井さんはやさしい表現だけど人間の嫌な部分をうまく描いてくる。本作でもいろんな人物の微妙に嫌な部分をいくつも見せられた。男としては締め付けられるような感覚も味わった。
    それでも、希望や救いのある結末にしてくれる。だからまた読みたくなる。

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    2017年09月04日
  • 海を見に行こう

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    後半の三作がとてもよかった。
    「海のせい」
    同棲カップルのすれ違い、別れを決めて切り出そうとしているけれど、タイミングがつかめず切り出せない彼女。
    微妙な分かり合えなさからもどかしくなったり、本当にこのまま付き合い続けていいのだろうか?と揺れ動く気持ちが、すごく絶妙に書かれていると思う。
    別れようと決めたのに、いいところもあると考えたり、過去の思い出がよぎって結局別れられなかったり。。。。
    怜子はこの先も同じことで悩んで、二人は上手く行かなくなるきがするけれど・・・

    「小さな生き物」
    結婚や子供についての価値観が対象的な考えの幼馴染三人組。
    子供ができたかもしれない、けどまだそれを受け入れる

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    2017年06月12日
  • 神様たちのいるところ/運命の人はどこですか?

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    本のタイトルからちょっと手に取るのが恥ずかしかった。
    作中に出てくる女性が皆独身30歳前後、という設定。

    ・「神様たちのいるところ」飛鳥井千砂
    アテネの街の描写が綺麗。
    アクロポリス遺跡、フィロパポスの丘、早速ググって調べました。壮大なところ。
    10年後に約束の地で再会しようという設定はベタですが、元カレへの心残りから揺れ動く心境に少し苦しくなりながらもラストどうなるのかが気になって仕方がなかった。
    ★★★★

    ・「かなしい食べもの」彩瀬まる
    『かなしい食べもの』というタイトルから、途中でだれか死んでしまうのか、とか発想力の乏しい頭で考えていたのですが、なんともいえない昔の思い出のキーアイテ

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    2017年05月18日
  • アシンメトリー

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    長らく積んでいた本。

    セクシャルマジョリティ、マイノリティについて。
    普通とは、普通でないとは何なのか。
    いや、本当に何なんでしょうね。

    私は恋愛対象も性対象も男性(異性)ですが、
    そうではない人たちがいても何ら不自然ではないと思います。
    聖書でも同性愛について書かれていますが、
    神様がそう創られたんですもの。不自然ではない。

    登場人物の朋美が『同性愛者って本当にいるのね。信じられない』と発言したシーンではかなり怒りを覚えました。
    自分の世界だけが全てだと思っていて、知ろうとする気がないのなら否定なんてするもんじゃない。
    と、かなりムカムカときていました。

    最終的に彼女は“知った”事に

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    2017年05月14日
  • アシンメトリー

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    ネタバレ

    マイノリティ、マジョリティ。マジョリティにカテゴライズされていたとしても、”普通”という人間はいないということを強く感じさせられた一冊でした。ただ、誰一人として登場人物に共感を抱けなかったのが残念なところ。

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    2017年04月25日
  • アシンメトリー

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    朋美は自分に似ているのかな?
    ちょっとキツイ思いをして、諦めてしまうのかな?と思ったけどたくましく成長!
    良かった!女は強い!紗雪と治樹の関係はあんまり理解できなかった。

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    2017年01月11日
  • 海を見に行こう

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    海辺の街を舞台にした6つの話

    どれも迷ったり悩んだり少し切ない話

    「海風」「キラキラ」「海を見に行こう」は
    良かったねーと、ほっこり出来る話

    「笑う光」はモヤモヤが残ってしまう後味の悪い印象

    「海のせい」は仕事がつづかない気分屋で調子の良い無職の彼
    親友にも別れた方がいいと…
    別れる決心をするが…
    うーん…これもまたモヤモヤだけが残った話

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    2017年01月11日
  • 君は素知らぬ顔で

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    6つの連作短編。
    連作短編なので、この話には誰がからんでくるのかしら?と楽しみながら読めるのがおもしろい。
    他の話で、その人の別な顔が見れたりするのがおもしろかった。
    どの話もちょっと悩んでいるけど、最後には、がんばれ!と声をかけたくなるような話。
    どの話にも「ゆうちゃん」と呼ばれる女優さんが出てくる。一話ごとに「ゆうちゃん」が成長していく。それも興味深かった。

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    2017年01月15日
  • 神様たちのいるところ/運命の人はどこですか?

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    神様たちのいるところ/飛鳥井千砂
    かなしい食べもの/彩瀬まる
    運命の湯/瀬尾まいこ
    宇田川のマリア/西加奈子
    インドはむりめ/南綾子
    残業バケーション/柚木麻子

    読後一番の感想は、「恋愛アンソロジーじゃないやん!」です。運命は恋愛だけじゃない。

    好きなのは【運命の湯】
    おもしろかったのは【神様たちのいるところ】
    意表をついたのは【宇田川のマリア】

    彩瀬まるは、もっといろんな話を読んでみたい。

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    2016年10月14日
  • アシンメトリー

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    2016.6.14
    ふう。読み終わってこんな感じ。それぞれの人物にそれぞれの事情や感情があって、簡単な答えや解決策、正解なんてない。

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    2016年06月15日
  • サムシングブルー

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    元彼と友達の結婚式なんて。絶対心の底から祝えない・・!体育祭の話が自分の高校時代とよく似てて懐かしくなった。高校生の時は学校が全てで、行事一つ一つが思い出で。
    わかる部分がいっぱいあって、一気読み。

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    2016年02月12日
  • はるがいったら

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    ネタバレ

    話いろいろ省いていくと
    2つの「きょうだい」のかたち、というのが
    一番印象的かも

    血がつながっていても、厳密には他人だから
    お互いの考えていることはわからないこともある
    そんな姉と弟

    血がつながっていなくても、家族は家族だから
    何も言わなくてもお互いに分かり合える瞬間もある
    連れ子どうしの義兄と義弟

    そうなっちゃうと別にわんこが間に入らなくても
    よかったのかなぁと個人的には思ったりして・・・

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    2016年02月09日
  • 神様たちのいるところ/運命の人はどこですか?

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    ネタバレ

    ★かなしい食べもの
    つらいとき、底に沈んでいってしまわないように、自分の手を掴んでくれた人。
    その人が作ってくれた料理を、今も定期的に食べなければ落ち着かない女。
    もうつらいことは過ぎているのに、落ち込むといつまでも同じ方法に縋る。
    そうすることで、自分を安心させているのだ。
    でも、そうやっていつまでも一人で膝を抱えているなんて、悲しすぎる。
    今ある周囲との関わりを、自ら断ってしまっていることに、気づいているだろうか。
    すぐに止めろとは言わないけれど、少しずつ減らしていこうよ。

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    2016年01月24日
  • 神様たちのいるところ/運命の人はどこですか?

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    西さんより前の短編で、そういう感じかーって読んでたら。西さん! 飛ばしてんなあ。運命の人はどこですか⁈って感じ。他のも悪くないのに、この本の1番を西さんがかっさらっていった。

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    2016年01月24日
  • 神様たちのいるところ/運命の人はどこですか?

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    キュンとするのかな?と思いながら読んでしまったため、ちょっと物足りない気分です。
    短編で作者がそれぞれ違うので、色んな雰囲気を楽しめて良かったです。

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    2016年01月10日
  • サムシングブルー

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    1度目は結婚前に読んで、高校時代と今の恋愛を引きずる主人公に共感。なかなか大変な状況で、いろんな人がいろんな状況にあること割にもあいまって楽しめた。
    2度目は結婚した後に読んで、なんとな本の見え方が変わった。

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    2015年12月25日
  • 海を見に行こう

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    鎌倉を舞台に(鎌倉とは出てこないけど静御前が踊る話や富士山麓が出てくるから多分)人生に立ち止まる男女6人の短編集。6人がそれぞれ関わるということではないがそれぞれ主人公が悩み、もがいているのが現代人ぽかった。主人公が自暴自棄っぽく終わる「笑う光」や、別れようと思ってた彼氏と結局別れない選択をした「海のせい」は読んだ後の後味がうーん…モヤモヤする感じなので星3です。

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    2015年12月12日
  • アシンメトリー

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    アシンメトリー
    この単語が好きで、手に取った本。
    4人の男女の恋愛模様。
    それぞれが抱く恋愛への理想と現実。
    異なる家庭環境に育てば「普通」もまた異なり。ちぐはぐな恋愛感が交差するなかで、すれ違いながらも、人として歩みよっていく姿は美しい…というのかも知れない。

    2009年初版なのですが、今はもう少し…GLBTに優しい社会になっているかな。
    とは言っても…まだまだなのでしょう。
    これだけは、当事者にしか分からないことなので、安易に口には出せないですね。

    ただ思うのは、恋愛も人により多種多様なことが当たり前だということは、ずいぶん理解されてきたんじゃないかな。
    人の恋愛を笑うな!ですね。

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    2015年11月28日
  • 神様たちのいるところ/運命の人はどこですか?

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    それぞれの作家さんの作品が面白くない訳じゃないですが、このタイトルと表紙から想像するお話とは違う方向の話が多かった。
    綾瀬さんと、南さんの文章は好みですけどね。
    タイトルや表紙とフィットするのは、最後の柚木さんの作品くらいしかなかったなあ……。
    同期ふたりのやり取りに、にやにやできました。

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    2015年09月09日
  • はるがいったら

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    ネタバレ

    姉の園と弟の行。両親が離婚し、園は母親と、行は父親と住んでいたため別々に暮らしていたけれど二人の仲の良さは変わらず、社会人と高校生になっても時々一緒に過ごす間柄。そんな中、二人が幼少時代から飼っていて、離婚後は行が面倒を見ていた飼い犬のハルが、老衰により余命がわずかとなった頃、行も身体を壊し入院してしまう。そこで一人暮らしをしていた園が、しばらくの間ハルの面倒を見ると買って出る。行は、入院中もお見舞いに来てくれたクラスメートのなっちゃんとのことや、大学進学という目の前の選択のこと。園は職場での人間関係や、婚約者がいる幼馴染とのこと。と、それぞれが抱えている悩みがある中で、物語が進行していく。タ

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    2015年07月07日