飛鳥井千砂のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
後半の三作がとてもよかった。
「海のせい」
同棲カップルのすれ違い、別れを決めて切り出そうとしているけれど、タイミングがつかめず切り出せない彼女。
微妙な分かり合えなさからもどかしくなったり、本当にこのまま付き合い続けていいのだろうか?と揺れ動く気持ちが、すごく絶妙に書かれていると思う。
別れようと決めたのに、いいところもあると考えたり、過去の思い出がよぎって結局別れられなかったり。。。。
怜子はこの先も同じことで悩んで、二人は上手く行かなくなるきがするけれど・・・
「小さな生き物」
結婚や子供についての価値観が対象的な考えの幼馴染三人組。
子供ができたかもしれない、けどまだそれを受け入れる -
Posted by ブクログ
本のタイトルからちょっと手に取るのが恥ずかしかった。
作中に出てくる女性が皆独身30歳前後、という設定。
・「神様たちのいるところ」飛鳥井千砂
アテネの街の描写が綺麗。
アクロポリス遺跡、フィロパポスの丘、早速ググって調べました。壮大なところ。
10年後に約束の地で再会しようという設定はベタですが、元カレへの心残りから揺れ動く心境に少し苦しくなりながらもラストどうなるのかが気になって仕方がなかった。
★★★★
・「かなしい食べもの」彩瀬まる
『かなしい食べもの』というタイトルから、途中でだれか死んでしまうのか、とか発想力の乏しい頭で考えていたのですが、なんともいえない昔の思い出のキーアイテ -
Posted by ブクログ
長らく積んでいた本。
セクシャルマジョリティ、マイノリティについて。
普通とは、普通でないとは何なのか。
いや、本当に何なんでしょうね。
私は恋愛対象も性対象も男性(異性)ですが、
そうではない人たちがいても何ら不自然ではないと思います。
聖書でも同性愛について書かれていますが、
神様がそう創られたんですもの。不自然ではない。
登場人物の朋美が『同性愛者って本当にいるのね。信じられない』と発言したシーンではかなり怒りを覚えました。
自分の世界だけが全てだと思っていて、知ろうとする気がないのなら否定なんてするもんじゃない。
と、かなりムカムカときていました。
最終的に彼女は“知った”事に -
Posted by ブクログ
アシンメトリー
この単語が好きで、手に取った本。
4人の男女の恋愛模様。
それぞれが抱く恋愛への理想と現実。
異なる家庭環境に育てば「普通」もまた異なり。ちぐはぐな恋愛感が交差するなかで、すれ違いながらも、人として歩みよっていく姿は美しい…というのかも知れない。
2009年初版なのですが、今はもう少し…GLBTに優しい社会になっているかな。
とは言っても…まだまだなのでしょう。
これだけは、当事者にしか分からないことなので、安易に口には出せないですね。
ただ思うのは、恋愛も人により多種多様なことが当たり前だということは、ずいぶん理解されてきたんじゃないかな。
人の恋愛を笑うな!ですね。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ姉の園と弟の行。両親が離婚し、園は母親と、行は父親と住んでいたため別々に暮らしていたけれど二人の仲の良さは変わらず、社会人と高校生になっても時々一緒に過ごす間柄。そんな中、二人が幼少時代から飼っていて、離婚後は行が面倒を見ていた飼い犬のハルが、老衰により余命がわずかとなった頃、行も身体を壊し入院してしまう。そこで一人暮らしをしていた園が、しばらくの間ハルの面倒を見ると買って出る。行は、入院中もお見舞いに来てくれたクラスメートのなっちゃんとのことや、大学進学という目の前の選択のこと。園は職場での人間関係や、婚約者がいる幼馴染とのこと。と、それぞれが抱えている悩みがある中で、物語が進行していく。タ