飛鳥井千砂のレビュー一覧
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育休中に読んだので、どうしても亜希に感情移入してしまったが、茗子のような思いをしている人も職場に必ずいるだろうし、自分が妊娠中に迷惑をかけていなかったか思い返して、なんだか勝手に少し反省もしてしまうほどリアルだった。
女性に産まれてきた以上、誰しもが直面する可能性の高い内容だけに、読者の共感を呼ぶのだろう。
実際には本作のように自分の心を全て打ち明けることはきっとないし、タブーとされているようなところもあるので、そういう意味では3人の居酒屋の場面は現実には起こり得ないのではと思うが、きっと同じような感情が渦巻いている人って日本全国に多々いるんだろうな、と。
最後はスッキリした終わり方だが、もっ -
Posted by ブクログ
空港は色んな人の人生が交差する場所だと思った。さらに言うと、人生の“初めて“が詰まっている場所だと思う。自分も初海外、初ジュニアパイロット、初転校、初めて訪れる地……読みながら空港での初めての経験をたくさん思い出した。どれもわくわくと不安が入り混じる経験だった。だから今でも空港に行くと新しい自分になれる気がして、空港が好きなんだな。
本書は六話の短編集で、空港を舞台に色んな人の人生が交差する物語。全く同じ経験をしたわけではないけれど私にとって、その気持ちわかる! となる経験が散らばっていた。それは必ずしも空港にまつわるエピソードでなく、自分の人生と重なる場面があった。
最後の第六章だけ、災害 -
Posted by ブクログ
あなたは、研修合宿で『まったく正反対』の人と同室に割り当てられたとしたらどうするでしょうか?
この世にはさまざまな人がいて、さまざま考え方があります。自分なら絶対に着ないような服が売られ、自分なら絶対に食べないような料理が出され、そして自分なら絶対に選ばないような『アイカラー』が存在する。それは、あなたが選ばなくともこの世にはそれを好んで選ぶ誰かの存在がある証拠とも言えます。服も食も、そして『アイカラー』にも正解はありません。その人その人によって私たちは好みのものを選択する権利があるのです。
一方で、私たちは、自分が絶対に選ばないような選択をする人たちとも関わりを持たざるを得ない時がありま