飛鳥井千砂のレビュー一覧

  • アシンメトリー

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    2016/5/9

    ふー。読み終わって大きなため息をひとつ。
    4人の男女目線で語られる群像劇。ひとり目「一生懸命真面目に頑張っているのに報われないわたし」な朋美の目線がイライラして仕方なかったのだけれど、だんだんこんなにイライラしてるわたしってどうなの?人のこと言えるの?と思ってくる。
    人間関係って一筋縄じゃいかない。

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    2016年05月09日
  • チョコレートの町

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    満足度高い。繊細で丁寧で優しいお話。小悪党くらいは出てくるけど、総じて人間味ある登場人物が魅力的。劇的なドラマではない、日常的なドラマを。誰にでもすぐそこにあるものを親しみをもって語られる暖かい良い物語だったなぁ。
    「訪ねる」田舎はあるけど、「帰る」故郷は東京の自分にとっては想像するしかない感覚が主題になっているけど、それでも楽しく読めたなぁ。地方出身者のひとに読んでみてもらって感想を聞きたいなぁ。

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    2016年02月24日
  • 海を見に行こう

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    タイトルからもっと爽やかな内容を想像していたけれど、カラッとした太陽の下の海ではなく、どんよりした天気の中の海という雰囲気。
    連短編の最後、「海に見に行こう」がすごくグッときて、泣けた。
    わたしも海を見に行きたいなあ。

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    2015年08月30日
  • 君は素知らぬ顔で

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    「ゆうちゃん」という女優がお話のどこかに出てきて、それもゆうちゃんの成長とともに時間軸が過ぎていく、各章の登場人物も他の話で出てきたり繋がっていたりする物語。最後はほっこりする話から悲しい結末もあるが、最後の章はどんでん返しがあって、そうゆうことだったのか!とすっきりするしもう一度読み返してしまうほど面白かった!タイハピとも少し似ている構成で読んだあとは前向きになれるお話たちでした。

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    2015年08月22日
  • 君は素知らぬ顔で

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    読み始めた時は「しまった」と思った。
    今もっとも触れたくない、私から見たら十分恵まれた人生を送っているのに“女性特有の悩み”に悩む人たちの連作短編集。

    だけど、一編読むたびに泣いてしまった。
    まさにタイトルの通り“女の子はいつも”。

    それでも私は今いるステージを抜けて、彼女たちのステージに行きたい。
    そんな思いを強くした本でもあったかも。

    だけど…そのための一歩は踏み出せないんだな。
    向こうから歩いてきてもくれないし。
    どうしたものか…笑

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    2015年01月12日
  • サムシングブルー

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    この年頃の女の子にある繊細な心の描写がとっても上手。梨香の歳をとっくに過ぎちゃったけれど、あの頃そんな風に思っていたなぁと共感できるところが満載だった。

    いきなりあり得ないほどのブルーなことから物語が始まる。気持ちの折り合いをつけながら頑張ってる梨香が可愛らしくて…。きっと貴方なら大丈夫と思いながら読んだ。

    出口が見つからなくさまよっていたあの頃に出会いたかった一冊。

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    2014年09月08日
  • チョコレートの町

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    ネタバレ

    大阪で生まれ育ったと言うてる俺、厳密に言うと尼崎で生まれて島本で育って今は大阪に住んでいる。でも職場は実家にかなり近い(2014年6月現在)が正解

    さて、この作品の主人公、N(名古屋)近郊のチョコレート工場がある街(多分森永のある安城)で生まれ育ち、その街の閉塞感に嫌気がさして受験をきっかけに東京に出てきたしっかりもの。そんな主人公が仕事の都合で故郷に舞い戻ってきて…って話。

    確かに故郷(っちゅうとなんかむず痒いので地元と呼ぶが)っちゅうのは単純に手放しで愛せないとこあって、時々「あぁ良いとこだったなぁ」と思ってはみても、実際住んでみることを想像するとちょっと色々抵抗があるもんで。

    そう

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    2014年06月27日
  • 君は素知らぬ顔で

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    最近ミステリー系の小説を読むことが多かったので、久しぶりにほんわかする話を読んだ気がします。
    まぁこの短編のなかにはほんわか系じゃない話もあったんですが、全体的には読んだら幸せになれる話でした(全体的にというより、全体を通してと言ったほうが良いかも)。

    連作短編集ということでタイハピ的な感じでした。
    ひとつひとつ別の人の物語だけど、いろんなところで人物間のリンクがあって、全編を通して「ゆうちゃん」が描かれています。
    「ゆうちゃん」の成長とともに時間軸が進んでいくという感じですね。
    私はやっぱり最初と最後の話が好きですね。
    「斜め四十五度」に出てくる先輩は私的に1番好きなキャラクターだったので

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    2013年10月06日
  • チョコレートの町

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    私自身故郷から遠く離れて暮らしているので、とても共感できました。実家の家族に久しぶりに会った時の違和感など、いちいちうなずけました。しばらく帰れていない実家、今度はいつ帰れるかな。

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    2013年07月27日
  • チョコレートの町

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    うん、やっぱ俺好きだなー、飛鳥井さんの小説。
    どこにでもありそうな町の日常を切り取ったもので
    そんなにおっきな浮き沈みもないのに退屈もしないし
    どんどん読み進めたくさせてくれる。不思議な感じ。

    チョコレート工場からの匂いが漂う、中途半端な田舎町。
    そんな故郷が嫌で大学進学を機に上京した早瀬。
    そのまま就職して不動産会社で働いていたのだが、
    故郷の支店で問題が発生し、暫定的にそこの店長代理をやることに。

    田舎ならではの人間関係や因習にとらわれた考え方が嫌で飛び出し、
    それまでほとんど帰ることのなかった故郷。
    不意に帰ることになった彼は戸惑いつつも、
    家族や同級生たちとこれまでより深く付き合う

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    2013年07月15日
  • サムシングブルー

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    彼氏と別れた次の日に、元彼と元親友の結婚式の招待状が届く

    そりゃ神様だって信じたくなくなるよね
    この歳になってくると結婚式に呼ばれること自体独り身を痛感させられるというのに、私だったらほんと出席したくない!と祝う気持ちより先にお断りの方法を考えてしまいそう
    まぁ、そんなところはみな同じようで主人公しかり、他の登場人物も多かれ少なかれそんな気持ちもなくもないようです

    楽しかった学生時代を織り交ぜつつ進むこのお話は、忘れていた元親友を思い出し、尚なかったことには出来ない過去を久々に目の前に置かれ、謝りたかったことや好きでしょうがなかった思いなど、主人公と一緒に思い出し、消化して、少しスッキリし

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    2013年06月27日
  • サムシングブルー

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    飛鳥井千砂さんの小説のなかでもかなり好きです。
    サムシングブルーというタイトルはサムシングフォーのなかのひとつからきているようです。
    私はそもそもサムシングフォーを知りませんでした;
    これを読んでブルーってちょっと不思議だなと思いました。
    サムシングブルーは青が純潔の意味があるからということらしいんですが、気分が憂鬱な時もブルーっていうので、ブルーは良い意味でも悪い意味でもあるっていうのがおもしろいですよね。
    話の冒頭では悪い意味でブルーだった主人公が、徐々にブルーの色合いを変えていっているのかなと思いました。

    高校時代の話が好きです。
    これぞ青春って感じで!
    恋愛もそうだし、学校行事とかも

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    2013年05月28日
  • 君は素知らぬ顔で

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    ネタバレ

    時代設定に最初疑問があったけど、“ゆうちゃん”の成長とともに話が進んでいくことで納得。

    一人一人で“ゆうちゃん”の見方が異なる点も面白かったし、第6章での展開はミステリ要素もあってよかった。

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    2014年01月18日
  • 海を見に行こう

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    飛鳥井さんの小説で始めて短編集を読みました。
    私は短編より、中身がごってりと詰まってる長編の方が好きなのですが、さすが飛鳥井さんの、お話。
    短編6作品とも全部味があって詰まった内容で感動して泣きそうでした。
    本当に飛鳥井さんの作品大好きです!

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    2013年06月10日
  • 見つけたいのは、光。

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    環境も住む場所も異なる3人の女性のお話し。
    ワンオペ育児をしつつ、
    過去に派遣切りを経験した亜希。
    夫とふたりで暮らし、
    仕事に奮闘する中でマタハラを訴えかけられている茗子。

    この2人はある一人の女性のブログを読んでいて
    ある投稿からその人物に会いに行こうとする。

    前半部分は両者ともに気持ちがとてもよくわかる
    重ためなお話で、
    育児をしていると思わぬ場面で休まなければ
    ならなくなることがあるのもわかるし、
    でもその休んだ分の仕事は誰がやるのか
    という誰かが負担になることもとても分かる…

    そして『子育てしている人は』『妊娠している人は』
    などとその人のこと、本当は何も知らないのに
    一括りに

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    2025年10月23日
  • タイニー・タイニー・ハッピー

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    短編で主人公が繋がっていく本。
    人間同士の繋がり、関わりっていいな、と思わせてもらえる一冊。
    あたたかいね、好きなことやもの、人と接している時間って。

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    2025年07月29日
  • タイニー・タイニー・ハッピー

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    飛鳥井さんの本を読むのは2冊目。
    事件や事故などの大きなイベントは起きないけれど、日常起こるような不安や葛藤や心の動きを表現するのが上手な方だなと思う。

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    2025年07月27日
  • 神様たちのいるところ/運命の人はどこですか?

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    面白かったです。
    特に印象に残ったのが、初めて読む南綾子さんの作品。
    主人公がめんどくさいって何度も言うのがグサってくる。
    後、友人が結婚をあっという間に決めたり、結婚てそんなものだよなと思う。
    中途半端な関係の相手との先も知りたい。
    後、独身で派遣はきついなあと改めて思った。
    それから、みんな平等に歳をとる。
    今のままではいられない。
    高校生に戻りたくても戻れない。だから若い人には今しか出来ない事をして欲しい。

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    2025年07月25日
  • This is the Airport

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    空港を利用する人、グランドスタッフや書店員、ディスプレイを施工する人など空港で働く人達の連作短編
    ちょっとずつ前章の人達がでてきたり、全編通して出ていたりで、その後もわかって良かった。
    特に「扉ノムコウ」「夜の小人」が好き。
    時々涙ぐんだり、ほんわかしたりしながら読んでいましたが、最後のタイトルにもなっている章だけ一気に重たくなりました。
    911で飛行機にトラウマをもってしまった女性。阪神淡路大震災、東日本大震災とでてきますが、少し駆け足な印象。もっとじっくり読みたかった。

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    2025年07月13日
  • This is the Airport

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    留学生を迎える夫婦、添乗員、書店員、グランドスタッフ、空港内のディスプレイ業者、ある事件の影響で飛行機や空港に忌避感のある女性。
    それぞれの人生のドラマとしても、お仕事小説としても面白かったです。

    連作短編集で、登場人物が少しずつつながっていくのが楽しくて嬉しい。

    特に良かったのは
    *「夜の小人」
    空港のディスプレイを作り上げる男性が主人公。
    『誰がいつやったかわからないうちに、みんなが喜ぶものを作り上げておく』
    というフレーズにグッときたし、ラストの一行まで素敵で心を奪われました。

    *「扉ノムコウ」
    派遣の海外ツアーコンダクターとして働く女性の物語。添乗員視点から見るツアー客やお仕事の

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    2025年06月25日