飛鳥井千砂のレビュー一覧
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ネタバレ大阪で生まれ育ったと言うてる俺、厳密に言うと尼崎で生まれて島本で育って今は大阪に住んでいる。でも職場は実家にかなり近い(2014年6月現在)が正解
さて、この作品の主人公、N(名古屋)近郊のチョコレート工場がある街(多分森永のある安城)で生まれ育ち、その街の閉塞感に嫌気がさして受験をきっかけに東京に出てきたしっかりもの。そんな主人公が仕事の都合で故郷に舞い戻ってきて…って話。
確かに故郷(っちゅうとなんかむず痒いので地元と呼ぶが)っちゅうのは単純に手放しで愛せないとこあって、時々「あぁ良いとこだったなぁ」と思ってはみても、実際住んでみることを想像するとちょっと色々抵抗があるもんで。
そう -
Posted by ブクログ
最近ミステリー系の小説を読むことが多かったので、久しぶりにほんわかする話を読んだ気がします。
まぁこの短編のなかにはほんわか系じゃない話もあったんですが、全体的には読んだら幸せになれる話でした(全体的にというより、全体を通してと言ったほうが良いかも)。
連作短編集ということでタイハピ的な感じでした。
ひとつひとつ別の人の物語だけど、いろんなところで人物間のリンクがあって、全編を通して「ゆうちゃん」が描かれています。
「ゆうちゃん」の成長とともに時間軸が進んでいくという感じですね。
私はやっぱり最初と最後の話が好きですね。
「斜め四十五度」に出てくる先輩は私的に1番好きなキャラクターだったので -
Posted by ブクログ
うん、やっぱ俺好きだなー、飛鳥井さんの小説。
どこにでもありそうな町の日常を切り取ったもので
そんなにおっきな浮き沈みもないのに退屈もしないし
どんどん読み進めたくさせてくれる。不思議な感じ。
チョコレート工場からの匂いが漂う、中途半端な田舎町。
そんな故郷が嫌で大学進学を機に上京した早瀬。
そのまま就職して不動産会社で働いていたのだが、
故郷の支店で問題が発生し、暫定的にそこの店長代理をやることに。
田舎ならではの人間関係や因習にとらわれた考え方が嫌で飛び出し、
それまでほとんど帰ることのなかった故郷。
不意に帰ることになった彼は戸惑いつつも、
家族や同級生たちとこれまでより深く付き合う -
Posted by ブクログ
彼氏と別れた次の日に、元彼と元親友の結婚式の招待状が届く
そりゃ神様だって信じたくなくなるよね
この歳になってくると結婚式に呼ばれること自体独り身を痛感させられるというのに、私だったらほんと出席したくない!と祝う気持ちより先にお断りの方法を考えてしまいそう
まぁ、そんなところはみな同じようで主人公しかり、他の登場人物も多かれ少なかれそんな気持ちもなくもないようです
楽しかった学生時代を織り交ぜつつ進むこのお話は、忘れていた元親友を思い出し、尚なかったことには出来ない過去を久々に目の前に置かれ、謝りたかったことや好きでしょうがなかった思いなど、主人公と一緒に思い出し、消化して、少しスッキリし -
Posted by ブクログ
飛鳥井千砂さんの小説のなかでもかなり好きです。
サムシングブルーというタイトルはサムシングフォーのなかのひとつからきているようです。
私はそもそもサムシングフォーを知りませんでした;
これを読んでブルーってちょっと不思議だなと思いました。
サムシングブルーは青が純潔の意味があるからということらしいんですが、気分が憂鬱な時もブルーっていうので、ブルーは良い意味でも悪い意味でもあるっていうのがおもしろいですよね。
話の冒頭では悪い意味でブルーだった主人公が、徐々にブルーの色合いを変えていっているのかなと思いました。
高校時代の話が好きです。
これぞ青春って感じで!
恋愛もそうだし、学校行事とかも -
Posted by ブクログ
環境も住む場所も異なる3人の女性のお話し。
ワンオペ育児をしつつ、
過去に派遣切りを経験した亜希。
夫とふたりで暮らし、
仕事に奮闘する中でマタハラを訴えかけられている茗子。
この2人はある一人の女性のブログを読んでいて
ある投稿からその人物に会いに行こうとする。
前半部分は両者ともに気持ちがとてもよくわかる
重ためなお話で、
育児をしていると思わぬ場面で休まなければ
ならなくなることがあるのもわかるし、
でもその休んだ分の仕事は誰がやるのか
という誰かが負担になることもとても分かる…
そして『子育てしている人は』『妊娠している人は』
などとその人のこと、本当は何も知らないのに
一括りに -
Posted by ブクログ
留学生を迎える夫婦、添乗員、書店員、グランドスタッフ、空港内のディスプレイ業者、ある事件の影響で飛行機や空港に忌避感のある女性。
それぞれの人生のドラマとしても、お仕事小説としても面白かったです。
連作短編集で、登場人物が少しずつつながっていくのが楽しくて嬉しい。
特に良かったのは
*「夜の小人」
空港のディスプレイを作り上げる男性が主人公。
『誰がいつやったかわからないうちに、みんなが喜ぶものを作り上げておく』
というフレーズにグッときたし、ラストの一行まで素敵で心を奪われました。
*「扉ノムコウ」
派遣の海外ツアーコンダクターとして働く女性の物語。添乗員視点から見るツアー客やお仕事の