飛鳥井千砂のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ*とある女優の成長を軸に、様々な時代を生きる人々の心のささくれを丁寧に描いた六編。最後に新鮮な驚きと爽やかな感動が待っている、連作小説の傑作*
テーマは「自分の存在が誰かに影響を与えるということ」ですが、どこにでもいるような男女の、どこにでもありそうな出来事なだけに、無理なく入り込めるし、逆に反発したり。物語が本当にリアルなので、登場人物の追体験をしている気分になります。そこが一番の魅力。「ゆうちゃん」の成長を絡めた構成も新鮮だし、見る人や角度にによって感じ方が違う面白さも十二分に味わえる。その上、連作なので、所々で前作の登場人物のその後が垣間見えて二倍楽しめる。「どこかで誰かに」でパズルのピ -
Posted by ブクログ
ネタバレ*結婚に強い憧れを抱く女、朋美。結婚に理想を追求する男、貴人。結婚に縛られたくない女、紗雪。結婚という形を選んだ男、治樹。朋美は、親友の紗雪が幼なじみの治樹と突然結婚を決めたことにショックを受ける。心から祝えない朋美だったが、ふたりの結婚パーティーで出会った貴人に次第に魅かれていく。しかし、紗雪と治樹の結婚には隠された秘密があった…。アシンメトリー(非対称)なアラサー男女4人を巡る、切ない偏愛ラプソディ*
これは・・・予想を裏切る展開でした!もちろん、良い意味ですが。LGBT絡みかな、とは思っていたけど、更にその裏があったり、「普通」に対する概念の違いや、それぞれの持つ歪みも見事にあぶり出さ -
Posted by ブクログ
ネタバレ大阪で生まれ育ったと言うてる俺、厳密に言うと尼崎で生まれて島本で育って今は大阪に住んでいる。でも職場は実家にかなり近い(2014年6月現在)が正解
さて、この作品の主人公、N(名古屋)近郊のチョコレート工場がある街(多分森永のある安城)で生まれ育ち、その街の閉塞感に嫌気がさして受験をきっかけに東京に出てきたしっかりもの。そんな主人公が仕事の都合で故郷に舞い戻ってきて…って話。
確かに故郷(っちゅうとなんかむず痒いので地元と呼ぶが)っちゅうのは単純に手放しで愛せないとこあって、時々「あぁ良いとこだったなぁ」と思ってはみても、実際住んでみることを想像するとちょっと色々抵抗があるもんで。
そう -
Posted by ブクログ
最近ミステリー系の小説を読むことが多かったので、久しぶりにほんわかする話を読んだ気がします。
まぁこの短編のなかにはほんわか系じゃない話もあったんですが、全体的には読んだら幸せになれる話でした(全体的にというより、全体を通してと言ったほうが良いかも)。
連作短編集ということでタイハピ的な感じでした。
ひとつひとつ別の人の物語だけど、いろんなところで人物間のリンクがあって、全編を通して「ゆうちゃん」が描かれています。
「ゆうちゃん」の成長とともに時間軸が進んでいくという感じですね。
私はやっぱり最初と最後の話が好きですね。
「斜め四十五度」に出てくる先輩は私的に1番好きなキャラクターだったので -
Posted by ブクログ
うん、やっぱ俺好きだなー、飛鳥井さんの小説。
どこにでもありそうな町の日常を切り取ったもので
そんなにおっきな浮き沈みもないのに退屈もしないし
どんどん読み進めたくさせてくれる。不思議な感じ。
チョコレート工場からの匂いが漂う、中途半端な田舎町。
そんな故郷が嫌で大学進学を機に上京した早瀬。
そのまま就職して不動産会社で働いていたのだが、
故郷の支店で問題が発生し、暫定的にそこの店長代理をやることに。
田舎ならではの人間関係や因習にとらわれた考え方が嫌で飛び出し、
それまでほとんど帰ることのなかった故郷。
不意に帰ることになった彼は戸惑いつつも、
家族や同級生たちとこれまでより深く付き合う -
Posted by ブクログ
彼氏と別れた次の日に、元彼と元親友の結婚式の招待状が届く
そりゃ神様だって信じたくなくなるよね
この歳になってくると結婚式に呼ばれること自体独り身を痛感させられるというのに、私だったらほんと出席したくない!と祝う気持ちより先にお断りの方法を考えてしまいそう
まぁ、そんなところはみな同じようで主人公しかり、他の登場人物も多かれ少なかれそんな気持ちもなくもないようです
楽しかった学生時代を織り交ぜつつ進むこのお話は、忘れていた元親友を思い出し、尚なかったことには出来ない過去を久々に目の前に置かれ、謝りたかったことや好きでしょうがなかった思いなど、主人公と一緒に思い出し、消化して、少しスッキリし -
Posted by ブクログ
飛鳥井千砂さんの小説のなかでもかなり好きです。
サムシングブルーというタイトルはサムシングフォーのなかのひとつからきているようです。
私はそもそもサムシングフォーを知りませんでした;
これを読んでブルーってちょっと不思議だなと思いました。
サムシングブルーは青が純潔の意味があるからということらしいんですが、気分が憂鬱な時もブルーっていうので、ブルーは良い意味でも悪い意味でもあるっていうのがおもしろいですよね。
話の冒頭では悪い意味でブルーだった主人公が、徐々にブルーの色合いを変えていっているのかなと思いました。
高校時代の話が好きです。
これぞ青春って感じで!
恋愛もそうだし、学校行事とかも -
Posted by ブクログ
「ゆうちゃん」がキーワードな全六話。
どの話も好きだけれど、印象に残った、これからも使いたいと思うような言葉がふたつ。
ひとつめは、一話の、ゆうちゃんがストーカーに襲われかけたときに言う「怖かったけど、負けたくなかった」。生きているといろいろ理不尽なことも辛いことも、たくさんあるけど、頑張ろうって思えるひとこと。
ふたつめは、六話のゆうちゃんの旦那、祐一のひとこと。「他にいいなって思う人ができたとしても、それって彼女を想ってるのとは別の心の中の場所でいいなと思うだけで。彼女のことを好きじゃなくなるなんてことは一生ないんじゃないかと思ったんです」
今、わたしもそう想うし、そう想っててほしいなって -
Posted by ブクログ
私、疲れてるなー。。。
忙しすぎて、心がしんどすぎて、本を読めてなかった。が、本は休息。というツイートを見て、久々に飛鳥井千砂を。
空港を舞台とした6つの短編。
最初の5篇では登場人物が交差して、つながりあっている。
一生懸命生きながら、働きながら、葛藤を抱えながら、前を向いていく人々の話。
2話目の旅行添乗員が主人公の扉ノムコウで、外で読んでるのに泣く。疲れてるなー。
自省しがちで、なんでももっとできたのに、と思ってしまう主人公の過去と現在が繋がって、自分の行動が人に貢献してるかもしれないとほんのり感じられる。
一生懸命でも、できないこと、うまくいかないことはあって。それをずっと後悔した