飛鳥井千砂のレビュー一覧
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空港を行き交う人と人生を描いた6つの物語。
添乗員や空港書店員、グランドスタッフ、ディスレイ制作の人など、4つの物語は空港に関わる仕事をする人々の物語。
CAやパイロットのように目立つ仕事ではないけれど、
それぞれ自分の仕事を一生懸命頑張り、ときに壁にぶつかったり、落ち込むことがあっても、
空港での出会いを通して、また前を向いて進んでいく。
ありふれたことかもしれないけれど、
どの章も読後は爽やかで、何かを一生懸命頑張る人の話は自分も明るい気持ちになれてとても好き。
最終章の、本のタイトルでもある「This is the Airport」
同時多発テロや震災 -
Posted by ブクログ
主人公は3人の女性。ワンオペ育児中の女性、マタニティハラスメントを訴えられ絶望している子供のいない女性、そして二児のシングルマザー。この3人はあるブログで繋がっているのだ。
この三人はそれぞれ匿名でブログ上で交流していたが、偶然出雲で出会うことになる。
3名のうちの1人はブログでいつも管理人の意見を否定するようなコメントを書いており、周りからも嫌われていた人物。そして1人は子供が幼くてこのブログの管理人に救いを求めていた人物。そしてもう1人はそのブログを書いている管理人。
ネット上での人格と、リアルで会った時のギャップに戸惑いつつも、やがて本音で語り合うようになる…。
話は変わるが、僕 -
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ネタバレ短編集だけど、1話1話に読み応えがあってとても面白かったです!
空港にはさまざまな人がいる。
幸せな気持ちへ旅に向かう人も、
悲しい気持ちでどこかへ帰る人も。
そんな当たり前のことに気付かされました。
そして旅立つ人だけではなく、そこで働く人たちのお話もあるのが面白かったです。
グランドスタッフや、航空署で働く人、はたまた空港内のディスプレイ製作者や書店員まで
さまざまな職種に光が当たっていて新鮮でした。
中でもやはり書店員の矢崎さんのお話が興味深かったです。普通の書店に比べて、空港の書店に来る人はもう2度とその書店に来ることは無いかもしれない。そんな中で本を紹介する緊張感だったり、空港という -
匿名
購入済みブログを通じて繋がってゆく女性達。人との繋がり方についてとことん追求している。人の言葉を聞き、自分の言葉を相手に伝える。すごく誠実な言葉のやり取り。簡単なようだけど、嘘のない本当の気持ちを伝えるって難しいです。まずは相手の言葉をちゃんと受け止めてみたいと思いました。
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ネタバレ久々に全部好きな話が詰まったアンソロジーだった。
何よりインパクトがあったのはラストの町田その子さんの「六年目の弔い」。最後にとんでもない爆弾をぶっ込んできたな…。
設定の時点で結構突っ込んだ内容になりそうだったけど、その中で珠美と志乃がいい関係性になれてほっこり終わるのかと思ったら最後に胸がざわつく展開に。
冠婚葬祭の中で、一番無難そうで難しいテーマの「婚」がSFだったのも面白かった。普段SF読まない人間でも読みやすくて好きな話だった。雪舟えまさん、他の作品も読んでみたいな。
寺地はるなさんも安定して好みの作品。40代の幼馴染たちがバタバタする話って微笑ましい。 -
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ネタバレ今の私の世代の女性4人のお話。
同じ高校で過ごした女子たちだが、当時は一緒にグループにいた訳ではなく、偶然大人になってから集まることになる。
不倫で夫を略奪し、医者の妻として女性であることをすべて自然に受け止めて生きるまりこ。
バリバリ仕事をしてるけど、ある日子宮内膜症が見つかり、その後妊娠して、、、
「女の子であることを利用して生きるな」と親から言われ続けていたせいで30代まで人に媚びることなくエリートとして生きてきたゆうき。
4人の中では1番普通の子、ひとみ。
平凡な旦那さんと暮らすが、不妊治療に悩み、他人の幸せを喜べなくなっている。
自分の道を生きる元気な女の子、りお。
けど、実 -
Posted by ブクログ
アラサー女子に刺さりそうな内容だと思って読んだ。まさしく、夫婦、仕事、妊娠、、、ぶっ刺さりすぎる内容。
高校の同級生だった4人が、偶然再会して毎月食事するようになる。面白いのは、元々4人は仲良しグループというわけでもなくキャラも性格もバラバラだということ。今も、医師の夫をもつ専業主婦満里子、編集の仕事をするバリキャリ悠希、ゆるくパートで働く仁美、フリーで売れっ子翻訳家の理央と、仕事も生活もバラバラ。高校時代からの友人だったらたぶん感じないような、そもそもの性格の違いから感じられる壁や遠慮を感じる部分がある。
妊娠という女性にしかない人生の一大イベントがあることで、結婚、仕事にもどこか有効期限 -
Posted by ブクログ
ネタバレ嶋津輝「漂泊の道」
葬式の時にしか会わない遠い親戚との話。自分の母親の兄の奥さんの妹の娘、遠すぎてものすごく考えた…その親戚、カナさんと4回顔を合わせ、その後、父親の後妻になっていた、そんな複雑でもあり得そうな話。何度登場してもカナさんはステキで、自分に対してもハッキリ物申す人で憧れていたのに、いつか違う感情を抱くようになっていた。薄く長いスパンの付き合いの親戚ならではの動きのあるストーリーだと思った。
町田そのこ「六年目の弔い」
哀しみを共有してくれる人がいて必要と思えば手を差し出し触れ合える、それがありがたかった
というところ、が身にしみる。
亡くなった人は、思い出の中でしか生きられない