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Posted by ブクログ
空港は色んな人の人生が交差する場所だと思った。さらに言うと、人生の“初めて“が詰まっている場所だと思う。自分も初海外、初ジュニアパイロット、初転校、初めて訪れる地……読みながら空港での初めての経験をたくさん思い出した。どれもわくわくと不安が入り混じる経験だった。だから今でも空港に行くと新しい自分になれる気がして、空港が好きなんだな。
本書は六話の短編集で、空港を舞台に色んな人の人生が交差する物語。全く同じ経験をしたわけではないけれど私にとって、その気持ちわかる! となる経験が散らばっていた。それは必ずしも空港にまつわるエピソードでなく、自分の人生と重なる場面があった。
最後の第六章だけ、災害•震災にまつわる話なので他の章と毛色が異なり、ずしんとくるものがあった。9.11の頃の私は正直その事件を他人事のように思っていたけれど、大好きな飛行機が、凶器となる恐ろしさを本書で痛感した。飛行機に乗って旅行ができ、無事に帰って来れていることは、有り難いことだなと初めて感じた。
本書を通して新しい経験、もっと言うと知らない世界を知ることが、私にとって重要なことであることに気付いた。特にその入り口になる空港がだから好きなんだ。本もそうだけど、自分が好きな事や物の共通点はそこかもしれない。
Posted by ブクログ
私、疲れてるなー。。。
忙しすぎて、心がしんどすぎて、本を読めてなかった。が、本は休息。というツイートを見て、久々に飛鳥井千砂を。
空港を舞台とした6つの短編。
最初の5篇では登場人物が交差して、つながりあっている。
一生懸命生きながら、働きながら、葛藤を抱えながら、前を向いていく人々の話。
2話目の旅行添乗員が主人公の扉ノムコウで、外で読んでるのに泣く。疲れてるなー。
自省しがちで、なんでももっとできたのに、と思ってしまう主人公の過去と現在が繋がって、自分の行動が人に貢献してるかもしれないとほんのり感じられる。
一生懸命でも、できないこと、うまくいかないことはあって。それをずっと後悔したり、そんな自分を仕方がない、それまでのものだと卑下してしまったり。
だけど、一生懸命生きてたら、誰かのためになってるものだよ。誰かが感謝してくれるものだよ、と、信じさせてくれるような。温かな話で。。。泣ける。。。
疲れてるなー。
そして最後の表題作であるthis is the airport はある女性の20年ほどが語られる中々の重い物語。阪神淡路大震災、同時多発テロ、東日本大地震、コロナ、と、時代の大災害、事件を背景に苦しんだ彼女やその周りの人々の物語。
飛鳥井千砂、こんな重かったっけ。(とはいえ、市井の人の話であり、現代小説であり、前向きな話なんだが、なんと言えか、もっと恋愛小説、とかお仕事頑張ろう系小説な人だと思ってたという意味で。)
涙が出るので気楽に読めるわけじゃないが、面白く読み進められる、本でした。
Posted by ブクログ
留学生を迎える夫婦、添乗員、書店員、グランドスタッフ、空港内のディスプレイ業者、ある事件の影響で飛行機や空港に忌避感のある女性。
それぞれの人生のドラマとしても、お仕事小説としても面白かったです。
連作短編集で、登場人物が少しずつつながっていくのが楽しくて嬉しい。
特に良かったのは
*「夜の小人」
空港のディスプレイを作り上げる男性が主人公。
『誰がいつやったかわからないうちに、みんなが喜ぶものを作り上げておく』
というフレーズにグッときたし、ラストの一行まで素敵で心を奪われました。
*「扉ノムコウ」
派遣の海外ツアーコンダクターとして働く女性の物語。添乗員視点から見るツアー客やお仕事の裏側がおもしろい。素敵な展開、爽快なラストが良かった。
表題作は、NY同時多発テロについての描写があり、他作品と違って重く苦しかった。突然理不尽に人生を狂わされた人が、辛い記憶を忘れることはなかなか難しい。だけど、どんなにゆっくりでもいつか癒されたと思える日が来るといい。
ラストに胸のつかえがおりて良かった。
全体的に爽やかで温もりのある読後感。
この夏、読むのにピッタリな1冊!
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