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Posted by ブクログ 2022年02月28日
著者2作目だが、飛鳥井さん作家読みしようかな。先が気になり、なかなか読むのを止められなかった。主要登場人物全員がリアルで、単なる良い人・嫌な人というカテゴリ分類ではなく、それぞれの良い部分・悪い部分が入り交じり、最終的には4人とも憎めない存在になっている。テーマはLGBTQです、と前面に主張するの...続きを読むでもなく、さらっと取り入れているところもスマート。
大人になると仲がこじれると言いたいことを言わず、そのまま疎遠になることが多いけれど、朋美と紗雪はちゃんと向き合って仲直りしていて微笑ましく、羨ましかった。
Posted by ブクログ 2019年10月03日
最後の評論家の方の言葉に凄く共感した。
違いを受け止めて前に進む終わり方に人間らしさを感じた。とても厚みのある内容に思えた。いい意味で期待を裏切られた。
Posted by ブクログ 2019年06月01日
・『はるがいったら』が面白かったので、同じ作家の本ということで読んでみた。
・本書も面白く、読みだしたら止まらなくなり2日くらいで一気に読んでしまった。
・今回は男女2人ずつ、4人のキャラクターでどれも非常に魅力的で、全員に入り込めた。
・特に女性2人については対照的で、お互いの視点で話が語りがなさ...続きを読むれるときも、自分が「当たり前」に思っていることと、相手が「当たり前」に思っていることのすれ違いの会話が非常に面白かった。
・自分的には完全に考えて気には「紗雪」派なので、何にせよ「それが普通でしょ」で行動する朋美はただのアホな女(言葉悪、1)としか思えなかったが、最後の方で覚醒していくのはかっこよかった。
・だが、やはり普段の会話や行動は紗雪が断然にかっこいい。これほど芯があり、言いたいことをすぱっという人には憧れる。
・また、今回話のエピソードの1つとして差し込まれていた貴人の仕事(先輩の八木の成果で仕事を取れる話)も非常に心温まる話で良かった。あまりこういった仕事に焦点を当てたエピソードは小説として扱われることは少ないような気がして、大変面白く読めた。普通に仕事をこなしている社会人であれば、身につまされることがあり、自分のことに引き寄せて感動できるのでは無いかと思う(2)。
・作者の得意技なのか、最後に近い箇所で、自らの嫌らしさに自覚する山場のくだりが今回もあり、非常にドキっとさせられる(4)。
***
1.
> こだわってるわけじゃ……。だって、普通じゃない?クリスマスにデートは」 あの後輩たちみたいに、彼氏じゃない人におごってもらったりプレゼントをもらったりなんて図々しいことは思っていない。でも、彼氏とだったらデートやディナーぐらいは普通するはずだ。こだわっているわけでも、贅沢をいっているわけでもないと思う。
> 私には「彼氏」がいる。この子たちより、勝っている。
2.
> いいの、いいの。元々、換えるときは八木君にお願いするつもりだったから。こんなこと言うの何だけどさぁ。こういう商品って、正直、会社によって品質に大きな違いがあるわけじゃないでしょ?」「まぁ、それは」「だったら、感じのいい営業さんが来てくれるところと契約したいからさ。あちらさんとは、それなりに長い付き合いだったけど、しょっちゅうご機嫌伺いに来てくれてたのに、僕が辞めるって知った途端に、顔見にも来ないもんね。会社には来てるのにさ。後任の奴にだけ挨拶して、それで帰っちゃうの」 越川さんは笑っていたが、俺は反応に困ってしまった。「だから、まだ僕に権限があるうちに、お宅と契約させてもらおうと思ってね。八木君は、本当に何度も足運んでくれて、忙しくて僕があんまり相手できなくても、嫌な顔もしなかった。本当に感じのいい人だよね。夏川君だっけ? 君もこんな遅い時間に、自分から来るって言ってくれて、ありがとうね。ああ、でも八木君、年内はもうう出勤しないんだね。最後に挨拶もできなかったなぁ
3.
>はそもそも、人と人との関係なんて、そういうものだと思っている。「付き合いましょう」なんて宣言し合ってから関係を築きはじめるなんて妙だ。関係性なんてものは、気が付いたらできあがっているものなんじゃないだろうか。
4.
>確かに、ある。治樹と結婚することを伝えたときだ。治樹のことが好きだから、驚いて動揺して、でも必死に取り繕って「結婚パーティーが楽しみ」と言った朋美に向かって、私は朋美の心の動きを全部悟った上で、「ありがとう。朋美が私たちの結婚を祝福してくれて、嬉しい」と言って笑った。思いきりきり意地悪な顔で。確かに私はあのとき、はっきりと朋美に対して悪意があった。
Posted by ブクログ 2016年10月13日
*結婚に強い憧れを抱く女、朋美。結婚に理想を追求する男、貴人。結婚に縛られたくない女、紗雪。結婚という形を選んだ男、治樹。朋美は、親友の紗雪が幼なじみの治樹と突然結婚を決めたことにショックを受ける。心から祝えない朋美だったが、ふたりの結婚パーティーで出会った貴人に次第に魅かれていく。しかし、紗雪と治...続きを読む樹の結婚には隠された秘密があった…。アシンメトリー(非対称)なアラサー男女4人を巡る、切ない偏愛ラプソディ*
これは・・・予想を裏切る展開でした!もちろん、良い意味ですが。LGBT絡みかな、とは思っていたけど、更にその裏があったり、「普通」に対する概念の違いや、それぞれの持つ歪みも見事にあぶり出され、面白過ぎて一気読み。歪みは歪みのままで収集したラストも好き。
Posted by ブクログ 2016年05月09日
2016/5/9
ふー。読み終わって大きなため息をひとつ。
4人の男女目線で語られる群像劇。ひとり目「一生懸命真面目に頑張っているのに報われないわたし」な朋美の目線がイライラして仕方なかったのだけれど、だんだんこんなにイライラしてるわたしってどうなの?人のこと言えるの?と思ってくる。
人間関係って...続きを読む一筋縄じゃいかない。
Posted by ブクログ 2024年04月02日
友だちを嫌いって思って意地悪な気持ちで、意地悪な笑顔で、嬉しいとかありがとうとかいう場面が、とてもリアルだった。
そして、自分の常識がガラガラに崩れることが起きて、お互いに意地悪をしたということを認め合って、また心を通わせていく女同士の関係がとてもいいなと思った。
Posted by ブクログ 2023年12月19日
セクシャルマイノリティの人、そしてどちらかというと古風な考えと思われる人、スピリチュアルに傾倒しつつある人、それぞれにキャラが濃いけれど、少し取り繕っている時よりも、全てを曝け出してからのほうが関わりが素敵だと思った。
Posted by ブクログ 2022年10月27日
最後の【解説】にもあったように、恋愛小説ではあるがキュンキュンは全くしない。
それぞれの恋愛観が違いすぎて、食い違いにドキドキハラハラする。
自分の恋愛観と同じ恋愛観を持つ登場人物に共感したり、逆に理解し難い恋愛観を持った登場人物にイライラしたりもするが、読み終える頃には考え方や見方が変わっていたり...続きを読むする。
現代らしい恋愛の難点をまとめたような小説であり、少し難しいかと思いきや読み応えは抜群。
Posted by ブクログ 2021年12月02日
ざらっとした感情。ままならない感情。
それぞれの『普通』『基準』が邪魔をして、会話に行動に心の裡にざらっとした感情が、入り乱れる。
生まれながらにもっているもの、知ってほしいもの、触れられたくないもの、習慣、癖、病気など、育った環境、考え方などみんな違うのに、それぞれの『普通』が、邪魔をして、苦し...続きを読むくなる。
『普通』が幅をきかせて、いつまでも『オンリーワン』は、ほど遠い。
人は比べるし、縛るし、苦しめる。
物語に出てくる人物皆、理解してほしいと思いながらも、相手を貶したり、傷つけたり、受け止めてほしいと思っても、諦めてしまいそうになったり。
勝つ、負ける、あの人よりはやく結婚する、しない、できない。
自分が好きなものをただ好きだといいたいだけなのに、うまくいかない。
自分の人生なのに、比べてしまう、諦めてしまう、外野がうるさかったり。
読むのが大変だった。
Posted by ブクログ 2021年04月28日
昔読んで面白かった記憶があったので再読。
女同士の嫉妬具合がリアルすぎます。
ちょっと棘のある言い方をわざとしちゃったり......。
治樹以外の登場人物全員にイライラしてしまう、なのに別視点で見ると、憎めない存在になってくる
特に朋美は紗雪視点で見てると本当になんやこいつ!って思うのに、だん...続きを読むだんこいつ嫌いじゃないと思ってくる
最後の女同士の本音のぶつけ合いは二つとも吹っ切れてて素敵でした。
Posted by ブクログ 2019年04月04日
4人が語り手なので、それぞれ鬱屈していて、他者に対して好意だけじゃない本音が語られる。朋美が最初嫌いだったけど、最後の彼女は好きだな。紗雪にちゃんと本音ぶつけて向き合って、本当の友人になれたのね。貴人て周りにいたら一番めんどくさそう。朋美との関係も変化して、なにかにすがるのもやめられたのかな。紗雪の...続きを読む「アセクシャル」、そういう人がいるのは知っていましたが、言葉は初めて知りました。治樹の元カレとの浮気はげんなりした。
Posted by ブクログ 2019年03月19日
普通の幸せを切望する朋美
ちょっと変わった個性的な紗雪
スポーツマンさわやか貴人
やさしく穏やかな治樹
女性二人が仲良くなるところから始まり
ちょっとめんどくさい女たちの話かと思いきや
絡んでくる男性陣もそれぞれ問題を抱えていた…
それぞれの視点からのストーリー展開で
アシンメトリーな関係が見え...続きを読むてくる
どんなに好きでもどうにもならないこともあるし
受け入れたくても受け入れられない事情もある
普通ってなんだろう
好きってなんだろう
Posted by ブクログ 2016年02月18日
セクシャルマイノリティという深いテーマを扱っていて、ただの恋愛ものとは一味違って考えさせられた。
4人とも客観的に見たら個性的なんだけど、それぞれの視点で過去や苦悩が描かれていて内面から人物像が見られたから考え方に納得できた。
智美の自分基準とした「普通」発言にはイラついた。
でも実際このタイプが自...続きを読む分を含めて世には多いんだろうなー。
Posted by ブクログ 2015年03月07日
文庫版あとがきで藤田香織さんも書かれているけれど、「普通って、なに?」ということを考えさせられる。
1年以上前に本屋さんでかなり推されているのを見てから気になっていたのだけど、読み始めたら「はやく読み進めたい」と思う小説でした。
Posted by ブクログ 2017年02月07日
朋美にムカッときながらも
独身時代の自分と思考が似てる気もして痛い。
女の友情って男には不可思議なこと色々だろうな。
相手の事好きだし仲良くても、何処かで競ってたり
毒があったり。
でもそんなのもひっくるめて友情があったりする複雑。
タイニー・タイニ・・・にしても
今回の作品にしても、女の嫌な部分も...続きを読むさりげなく上手に表現してるな~と思う。
Posted by ブクログ 2015年06月03日
この作者にこんなに惹かれるのは何故だろうと思ったら、彼女が同世代だからのようだ。
現代を生きるアラサーの心情が痛いほど上手に描かれている。
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結婚に強い憧れを抱く女、朋美。結婚に理想を追求する男、貴人。結婚に縛られたくない女、紗雪。結婚という形を選んだ男、治樹。朋美は、親友の紗雪が幼なじみの治...続きを読む樹と突然結婚を決めたことにショックを受ける。心から祝えない朋美だったが、ふたりの結婚パーティーで出会った貴人に次第に惹かれていく。しかし、紗雪と治樹の結婚には隠された秘密があった……。アシンメトリー(非対称)なアラサー男女4人を巡る、切ない偏愛ラプソディ。
Posted by ブクログ 2024年03月26日
秋本朋美
二十四の時から母親と二人暮らし。父親が会社の部下と付き合っていて、彼女が妊娠し、責任を取って結婚するために母親と離婚した。母親と東京に引っ越す。派遣会社に登録し、アパレル系の商社で働く。
辻紗雪
インテリアコーディネーターの資格を取って、インテリアと雑貨の店で働いている。朋美の一つ年上。...続きを読む東京生まれの東京育ち。
藤原治樹
カフェバーの雇われ店長。紗雪の結婚相手。紗雪とは中学校と高校が一緒で一つ年上。
夏川貴人
紗雪と治樹の後輩。複写機や複合機のリース会社の営業。
麻美
朋美の地元の友達。細身で派手顔の美人で、朋美のような地味な朝タイプをバガにしていた代表格の子。
松田
朋美が入社したときに仕事を教えてくれたベテラン社員のおばさん。
文也
治樹が働くカフェバーのオーナー。バイセクシャル同士の夫婦。
尚子
文也の奥さん。バイセクシャル同士の夫婦。
小春
紗雪の二つ年下の妹。
タカハラ
朋美の母と結婚を前提に付き合ってる。
祐輔
治樹が調理師の専門学校に通っていた頃の同級生。
Posted by ブクログ 2022年10月03日
一人一人の内面描写が丁寧で、優しく寄り添ってくれる。
普通 ってなんだろう。
個性を尊重する世の中ではあるが、人と違うということにどこが抵抗がある。
普通でありたいけど、個性も出したい。
そんなジレンマがふとよぎった。
Posted by ブクログ 2022年06月11日
ラストまでぐっと読ませる展開が魅力。男女4人のバックグランドもしっかり掘り下げてくれて、モヤモヤ感が無い。登場人物一人一人に対する作者の優しさが伝わり、読んで良かったなと思える作品。
Posted by ブクログ 2022年01月10日
それぞれの視点でストーリーが進んでいくからこそ、どちらの気持ちも分かって、人間関係ですれ違ってしまう瞬間が垣間見える。
藤田香織さんの解説も、思うことを見事に言い当てていて、非常に印象深かった。
Posted by ブクログ 2017年05月14日
長らく積んでいた本。
セクシャルマジョリティ、マイノリティについて。
普通とは、普通でないとは何なのか。
いや、本当に何なんでしょうね。
私は恋愛対象も性対象も男性(異性)ですが、
そうではない人たちがいても何ら不自然ではないと思います。
聖書でも同性愛について書かれていますが、
神様がそう創ら...続きを読むれたんですもの。不自然ではない。
登場人物の朋美が『同性愛者って本当にいるのね。信じられない』と発言したシーンではかなり怒りを覚えました。
自分の世界だけが全てだと思っていて、知ろうとする気がないのなら否定なんてするもんじゃない。
と、かなりムカムカときていました。
最終的に彼女は“知った”事によって変わっていくのだけれど。
やはり“知らない”事を頭から否定してしまうのは罪だと私は思う。
理解する、しないは取りあえず置いておいて、
まずは知らなければね。
もちろん自分自身にも言える事だけれど。
Posted by ブクログ 2017年04月25日
マイノリティ、マジョリティ。マジョリティにカテゴライズされていたとしても、”普通”という人間はいないということを強く感じさせられた一冊でした。ただ、誰一人として登場人物に共感を抱けなかったのが残念なところ。
Posted by ブクログ 2017年01月11日
朋美は自分に似ているのかな?
ちょっとキツイ思いをして、諦めてしまうのかな?と思ったけどたくましく成長!
良かった!女は強い!紗雪と治樹の関係はあんまり理解できなかった。
Posted by ブクログ 2015年11月28日
アシンメトリー
この単語が好きで、手に取った本。
4人の男女の恋愛模様。
それぞれが抱く恋愛への理想と現実。
異なる家庭環境に育てば「普通」もまた異なり。ちぐはぐな恋愛感が交差するなかで、すれ違いながらも、人として歩みよっていく姿は美しい…というのかも知れない。
2009年初版なのですが、今はもう...続きを読む少し…GLBTに優しい社会になっているかな。
とは言っても…まだまだなのでしょう。
これだけは、当事者にしか分からないことなので、安易に口には出せないですね。
ただ思うのは、恋愛も人により多種多様なことが当たり前だということは、ずいぶん理解されてきたんじゃないかな。
人の恋愛を笑うな!ですね。
978-4043944729
Posted by ブクログ 2015年06月18日
アラサー男女4人が1組は夫婦となり1組はカップルとなる。視点が切り替わりながら現実は進み、結婚の裏事情やそれぞれの過去や思いが明らかになっていく。
途中ちょっとドロドロギスギスした感じにもなったけど、それぞれが前向きに進んでいく終わり方でよかった。
Posted by ブクログ 2015年04月05日
主にセクシャルマイノリティについて展開していく。
前に読んだタニハピとは結構色が違うと思った。
タニハピ同様登場人物が多く、コロコロ主役が切り替わるから途中混乱した。