飛鳥井千砂のレビュー一覧
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故郷の町を歩くたびに旧友と出会い、声をかけられる遼が羨ましいと思った。
それは、小さな町だからということではなく、遼がそれだけ慕われていることへの憧れだ。
長い間離れていても、昔の同級生から親しげに声をかけられる。遼の場合は、同級生だけでなく、職場の同僚や上司にも頻繁に食事に誘われている。
それだけ遼が付き合いやすく、魅力的な人なんだな、と思うのだ。
言っていいことと悪いこと、言うタイミング、自分の立場などをわきまえて、そのときに一番ふさわしい態度を取る。
そして、たまに本音(弱音も含む)を吐く。
みんなから慕われているけれど、本人がそれを自覚してないところもまた、人間たらしだなあと思う(褒めてます)。 -
Posted by ブクログ
後半の三作がとてもよかった。
「海のせい」
同棲カップルのすれ違い、別れを決めて切り出そうとしているけれど、タイミングがつかめず切り出せない彼女。
微妙な分かり合えなさからもどかしくなったり、本当にこのまま付き合い続けていいのだろうか?と揺れ動く気持ちが、すごく絶妙に書かれていると思う。
別れようと決めたのに、いいところもあると考えたり、過去の思い出がよぎって結局別れられなかったり。。。。
怜子はこの先も同じことで悩んで、二人は上手く行かなくなるきがするけれど・・・
「小さな生き物」
結婚や子供についての価値観が対象的な考えの幼馴染三人組。
子供ができたかもしれない、けどまだそれを受け入れることができない葛藤。
結局妊娠ではなかった、と分かったときのもやっとした気持ち。
台詞の一つ一つがリアルなものばかりだった。
結婚とか出産とかすごいな、踏み切れる勇気もないな、と思うところがあるので電車のシーンはヒヤッとした。
「海を見に行こう」
夫婦と親子の、愛情を垣間見た。
ラストはすこしドラマティックでくさい感じだったけれど、こんな優しい家庭もあるんだな、とホロッとした。 -
Posted by ブクログ
本のタイトルからちょっと手に取るのが恥ずかしかった。
作中に出てくる女性が皆独身30歳前後、という設定。
・「神様たちのいるところ」飛鳥井千砂
アテネの街の描写が綺麗。
アクロポリス遺跡、フィロパポスの丘、早速ググって調べました。壮大なところ。
10年後に約束の地で再会しようという設定はベタですが、元カレへの心残りから揺れ動く心境に少し苦しくなりながらもラストどうなるのかが気になって仕方がなかった。
★★★★
・「かなしい食べもの」彩瀬まる
『かなしい食べもの』というタイトルから、途中でだれか死んでしまうのか、とか発想力の乏しい頭で考えていたのですが、なんともいえない昔の思い出のキーアイテムだったとは。
透の仕事が魅力的で、そこをもっと読みたかった。
彩瀬さんの作品の、働いている人の描写が好きです。
そして、お互いが寄り添いながら想う気持ちが伝わってきてこの先の二人も応援したくなるようだった。
本書一番の作品です。
★★★★★
・「運命の湯」瀬尾まいこ
運命のロミオがまさかの場所で現れたのがよかった。
ロ(↑)ミオではなく、呂三男(→)さん。笑
昔の人もなんだかんだで一定数変わったお名前の方はいらっしゃいますので、いそうだなぁ。いや、いないか。
しかし運命の人とは、なにも恋に落ちたり結婚する相手だけではないからなぁ。
ほのぼのとした呂三男さんとの会話や、なにより銭湯という設定に大変ほっこりしました。
★★★★
・「宇田川のマリア」西加奈子
ぶっとんだところのある作風だなと。最後までまったくわけが分からない。
ただただ汚かった、という感想しか残らなかった。
著者の作品は初めて読んだけれど、他の作品読もうとは思えない。
★
・「インドはむりめ」南綾子
女4人グループに誰一人として魅力的な女性がいない…!
読んでてイライラする人ばかり。。。
人間味があるとかではなく、ただただ不快。
『なんかもーめんどくせーし現状維持でよくねー?』
みたいなのは現実ではよくあるけれど、こうやって活字にして読むとイライラしますね。
結局は達也が運命の人…なのかも…?ってラストですが
達也も達也でフラフラ女とつるむわ責任のとれない発言ばっかりだわで軟弱男!
なにより個人的に「むりめ」って言葉が嫌いです。
★★
・「残業バケーション」柚木麻子
相手とのちょっとした共通点からじわりじわりと好意を寄せる感じがリアル。
職場恋愛ってこんな感じで始まっていくんだなぁ、とか。
ラストで主人公の家に来た種田くんの口調がタメ口に変わるところがいい。
★★★ -
Posted by ブクログ
長らく積んでいた本。
セクシャルマジョリティ、マイノリティについて。
普通とは、普通でないとは何なのか。
いや、本当に何なんでしょうね。
私は恋愛対象も性対象も男性(異性)ですが、
そうではない人たちがいても何ら不自然ではないと思います。
聖書でも同性愛について書かれていますが、
神様がそう創られたんですもの。不自然ではない。
登場人物の朋美が『同性愛者って本当にいるのね。信じられない』と発言したシーンではかなり怒りを覚えました。
自分の世界だけが全てだと思っていて、知ろうとする気がないのなら否定なんてするもんじゃない。
と、かなりムカムカときていました。
最終的に彼女は“知った”事によって変わっていくのだけれど。
やはり“知らない”事を頭から否定してしまうのは罪だと私は思う。
理解する、しないは取りあえず置いておいて、
まずは知らなければね。
もちろん自分自身にも言える事だけれど。