新津きよみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
二部構成の長編の作品です。
第一部「わたしを見つめて」
夫は、目を合わせて話をしない、息子はすぐに自分の部屋に行ってしまい家での会話がほとんどない、そんな家で日々を暮らしてる喜美代。
長野に嫁いでた昔からの親友秀子が東京にいる喜美代に会いに来た。
彼女は、「本当の自分になるの」突然言い出し、家族を捨てて夢だったダンサーになると言う。喜美代は、秀子に恐怖を覚える。
その後、家でテレビを見てると、秀子が何者かに殺されたと言うニュースが・・・。
別れ際に渡された手鏡は、普通の鏡と違い写真のように映し出す鏡だった。(反対に映る)
ひょっとしてこの鏡が秀子の運命を変えたのか・・・?
そ -
Posted by ブクログ
アミの会によるアンソロジーを読むのは4冊目ですが、これもどれもじんわり涙するお話が多かったです。特に「猫への遺言」柴田よしき著が良かったです。定年退職した老夫婦の夫がコロナに感染し、急逝してしまう。
その後、妻がみつけた3通の遺言書。妻への遺言書は、読まれるはずのないものだったのに急逝だったために読めてしまう。知らなかった夫の本心。最後に猫への遺言書で、また涙でした。
自分と重ねて何とも言えない気持ちになりました。
「青い封筒」松村比呂美著も良かったです。
あんなお手紙もらってみたい。親子、夫婦もこんなふうに、積み重ねていくものだよなと思いました。
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Posted by ブクログ
旅先で偶然出会った人と食べ物を通して、人生観が変わり、前向きになれる話を集めたアンソロジー。トラブルと偶然は旅につきもの。毎回すぐに「禍転じて~」になるとは限らないが、ターニングポイントとして意識されている。
全7話の中で、私は「夢よりも甘く」が最も気に入った。育ててくれた亡き祖母の思い出話。少女はそれが作り話であると薄々気づくのだろうが、大人になっても大事に温め続けている様子(例えば身近な人に指摘されてムキになる場面)が胸に刺さる。現実を知ってしまい、旅行中はコレといった良い出来事もなく、疲れ果て打ちひしがれて、旅が終わりに近づく。このまま静かに物語が終わるのかと諦めかけたところで、帰国後に