旅と美味しいものの短編集。どれも良かったです。ビブリア古書堂の三上延「美味しいということは」が特に好きでした。これだけでいいから、読んで~って、知人達に読ませたいと思ったくらい。銀座ライオン本店や崎陽軒の焼売など小道具も良かったのと、ビブリアは身内が反目していて辛い内容多いけど、これは美味しいもので家族が繋がるのが良かった。やっぱり小説というか、フィクションは読んで面白かったり多幸感欲しいです。
「もしも神様に会えたなら」大崎梢
祖母と合流して伊勢神宮に行くつもりだった町田の小学生は祖母が来れず、一人で向かう。そこで地元の小学生に会う。
「失われた甘い時を求めて」新津きよみ
昔住んでいた松本に、自分探しに行く女性。両親も思いがけず早くに死に、話を思い出しながら彷徨う。
「夕日と奥さんのお話」柴田よしき
大学で思わぬ妊娠をし、退学して子育てして48、離婚申し出られ、思いきって石垣島に来た。来たかったのと、夫が一人で来たことのある島。もしかして、離婚の原因あるのかも?
「夢よりも甘く」篠田真由美
母が忙しく、祖母に育てられた私は、祖母の話してくれるベネチアの昔話が大好きだった。でも、母も友人もそれは創作なのでは?と言う。
「旅の理由」松村比呂美
青森県三沢市の海岸で頭から血を流して倒れていた俺は、この旅行のちょっと前位の記憶喪失になっていた。母が慌てて福岡から来てくれて、親切な漁師さんたちに救われて入院した俺はなぜここに来たのか考える。
「美味しいということは」三上延
小田原の家から上京するときには必ず崎陽軒の焼売を食べる篠崎卓郎は50代。自分が15で、ドラクエⅢが買いたくて祖母と上京した時を思い出す。
(美味しいってどういうことか分かるかい)→答えは読んでみて!
「オーロラが見られなくても」近藤史恵
介護などで大学にも行けず、ようやく自由になったものの、独身の高卒40女になるわたし。思いきってアイスランドに来てみた。