新津きよみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
喫茶室でアイスコーヒーとアイスクリームを注文した女性。
アイスコーヒーを飲みながら、アイスクリームが置かれた隣席に
まるで誰かが座っているかのように微笑みかけている。
エスカレーターでは右側に立ち、左側にこども一人分のスペースを空け
突然誰かを探すかのように走り出して化粧室に入り
「お子様と一緒に入れます」と書かれた個室から、誰もいない隣の空間に
「よかったわね、間に合って。」と語りかけながら出てきて。。。
当初はホラー文庫の一冊として刊行されたというのも大いに頷ける
ぞっとするようなプロローグです。
でも、私と同じ怖がり屋の読者さんも、どうか安心してください。
読み進めるうちに、ホラーでは -
Posted by ブクログ
ネタバレ五歳になった一人娘をなくした夫婦。その妻はそれを受け入れられないのか、死んだ娘の魂が存在していて、いつか転成すると信じきってしまい…
裏表紙に書かれた「感動必至の〜」を信じて購入して読み始めた本作。しかし、しばらくは娘の死を受け入れられな母親のサイコサスペンスな、薄気味悪いという印象を受けました。
見えもしない魂だけの存在になった娘が身近にいる、と公言してみたり、その子が他人の子どもに転成したと思い込むところ。そしてその子をいずれ社会的にも我が子として取り戻そうと画策する姿には、感動どころか戦慄を覚えるほど。
「どこが感動必至やねん」と批判的に思いつつも、でも先の展開が気になって、ページ -
Posted by ブクログ
ネタバレ34歳独身の直子は、実家で母親の介護をしながら教職に就く機会を窺っていた。ある日から臨時採用の教員「臨採」として、小学校のクラスを受け持つことになったのだが、そのクラスでは、一年前にひとりの少女が行方不明になっており、彼女の席は空席のままだった。直子は担任としてクラスの子供と交流を深めていくが、なぜか次第に空席のはずの席に少女の姿が見え始める。自分にしか見えないその少女は、行方不明になった少女の幽霊なのか・・・何故自分にしか姿を現さないのか・・・直子は、自分の頭がおかしくなってしまったのではないかと恐怖感を抱くのだけれど、次第にその幻の少女との交流を深め、少女の身に起こった真実を暴いていく。直