あらすじ
老人介護施設で働く純子は、一生忘れたくても忘れられない女性の担当になった。かつて自分の担任で、給食を無理に自分の口に押し込んだ女の――(「給食」)。「食」と「女」がテーマの傑作ホラー短編集!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「食」と「女性」にまつわる心理ホラー という謳いですが、
ホラーというのはちょっと言いすぎかも。
女性が主人公で、「食」の側に在るピリリとシニカルな短編集。
Posted by ブクログ
ホラーというほど怖くもなかったけど、意地悪な話。
手作りが面白かった。
続きはどうなるのだろうと思った。
はっきりと終わらずに、続きがあるような終わり方だと、とても面白いと思う。
そういう話が結構入ってたと思う。
Posted by ブクログ
食にまつわる短編集。
短編は、物足りなく感じるので、長編の方が好きなのですが、
これは程よい短編集でした。
食、という、誰もが関心のある題材を、
気色悪いものにしているあたり、
実は、本質をついている気がしました。
そもそも、何かを食べるという行為自体が、気色悪いものなんですから。
ホラーではないけど、いやーな気分になる、好みの読後でした。
Posted by ブクログ
家庭や日常のなかに歪みを潜ませ、人間関係のいやらしさを描いてきた新津きよみさん。
『意地悪な食卓』は、食事をめぐる女性たちの心理戦をテーマにした短編集で、全8篇が収録されています。書店でも手に取りやすい位置に並んでいて、新津さんの陰湿な心理劇を求めるファンがまだまだ健在なのだと感じました。私もやはり好きです。しかもほんのりとミステリ色が漂うところも面白い。
8篇どれもキリッと小気持ち悪さがありましたが、とりわけ「手作り」が印象的でした。人が作った食事を受けつけない恋人を持つ女性の物語。食べる/食べさせるという営みをめぐる執念のぶつかり合いが、短編ならではの凝縮感で描かれています。
日常的な「食卓」にこんなにも不穏を仕込めるのかと感心させられる一冊でした。
Posted by ブクログ
食と女性をテーマにした短編集。
思ったより怖さはなかったが、新津さん特有のゾクっとする感覚が味わえた。
『珍味』は『世にも奇妙な物語』に出てきそうな雰囲気の作品。
Posted by ブクログ
「食」と「女」がテーマの傑作ホラー短編集です。
女性心理の描写には定評のある新津さんだけあって今回の短編集も読み応えのある作品になっていました。
何篇か、物足りなさが残る短編もありましたが「珍味」と「給食」は面白かったです。
ホラーと言っても、それ程怖い作品ではないので、ホラー嫌いな方も読めると思います。
Posted by ブクログ
2019年、23冊目は、単著は初読みの新津きよみの短編集、8編収録。テーマは「食」。主人公は全て「女」と言うコト。
まづ、霊的なモノ、異形系、ダーク・ファンタジー的、……etcなホラーを期待すると、いささか肩透かし感は否めない。心理サスペンス、ライトなイヤミスが並んでると言った辺りが、個人的な感触。また、一編、20~40p台なので、テンポは小気味イイ。一方で、物足りなさを感じるモノもちらほら。
個人的お気に入りは『珍味』。それでも、やや小ぶり感あり。全体通して、好きな路線ではあるが、どの話もインパクトは薄め。「食べ物の恨みは恐ろしい」ただ、その恨みが、情念の域まで到達するようなモノがなかったのが……。
追記:どこかで、この方の短編を読んだ気が、と思ったら、アンソロジー『さむけ』に収録されてました。
Posted by ブクログ
食にまつわる女性の心理ホラー。
「珍味」とかのような山奥の閉ざされた村が実は…っていうホラー好き。
「手作り」みたいな相手だったら、もうどうしようもないね、これ。
Posted by ブクログ
食と女がテーマのちょっと怖い短編集.親のネグレクトにより図らずも鋭敏な味覚と嗅覚を身に着けてしまった女性は男の嘘も見抜けてしまい・・「嗅覚」.亡き姉を偲ぶ会で,姉秘蔵の梅酒で箍が外れた参加者たちは,口々に姉の秘密を暴露し・・「珍味」.妹の料理しか食べられない男.男と恋人,そして妹との奇妙な食卓の結末は・・「手作り」.などなど全8編.ちょっと変わった物語の数々.