新津きよみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人生の色々な「○活」の短編集
「どんでん返しミステリー」という触れ込みだけど、きれいに落ちてるのもあれば無理やりなものもあれば……
「親しき仲にも"悪意"あり」という見出しの方がしっくりくるかな
「就活」彼女の生きる道
「婚活」二年半待て
「恋活」兄がストーカーになるまで
「妊活」遠い心音
「保活」ダブルケア
「離活」糸を切る
「終活」お片づけ
主に女性視点での人生の岐路になっている
「就活」
娘の就職がなかなか決まらない母親視点
離婚の際に夫の方を選んだ娘。母親とは価値観が合わないという
母親は母親で自分が婚外子である事で就職に苦労した経験があって
出自のについてのあれやこれや
「婚活」
非正規雇用の彼氏が、結婚まで二年半待って欲しいという理由は?なお話
ってか、最後には二年半待って欲しい理由は判明するけど、最初の方は結局何が理由だったんだろうね?
生活が安定するまでって単純なことかな?
「恋活」
理系でオタクっぽい兄に恋人を作ろうとする妹
徐々にストーカーっぽくなっていく兄に対してとった妹の行動は?
このお話は構造がきれいでいいですね
まぁ、結末はちょっと怖めですけど……
「妊活」
できちゃった結婚の夫婦の大学生の息子が、一回り年上の女性を結婚相手として連れてくるお話
父親からのメッセージでなんとなく気づいた
個人的には、妊活はタイミング法以外はしないほうがいいんじゃないかと思うけど
ま、選択肢としてある以上はその選択を否定する気はないといったところかな
ってか、家の娘がもし今結婚して子供を生んだら、僕も42歳にしておじいちゃんになるなぁと思ったり
「保活」
複数の身内の介護をこなしてきた女性が、母の異変に気づく
味の変化、物忘れ等々
そして帝王切開を姑に咎められ続けた経験から、出産方法に関して異常な執着を見せる
うちはまだ親の介護が必要ではないけど、もし結婚を継続しててあともう少ししたら……と思うとまったく他人事には思えない
もし自分が当事者だったら気付けるかなぁ?という不安感
「離活」
契約書を交わして結婚した二人が、契約の通り離婚した後のあれやこれや
熟年離婚が増えているというのは結構前から言われてたけど、その気持が今はよくわかる
どれだけ一緒に暮らしていても、むしろ長い年月を積み重ねてきたからこその価値観の相違ってのは埋められないよね
「終活」
孫に日記を残して亡くなった祖母
実は亡くなる前に旧姓に戻していた事が判明
その疑問に孫とその彼氏候補が挑む
どのお話も一応のオチが用意されてあるけど、全部が全部どんでん返しとは言えないかな?
婚活、恋活、妊活、保活はとてもキレイに決まってるけど
就活、離活、終活は取ってつけたようなものなので、それほどの必然性を感じない
でもまぁどの作品も女性の心理描写をリアルに感じた -
Posted by ブクログ
真っ白な特別装丁のものを購入。
これはもうタイトル買い。シンプルだけどインパクトがある装丁に惹かれて、初めて読んだ新津きよみさんの本。
どんでん返しあり、叙述トリックめいたものあり、ぞっとするものあり、心が温まるものありで、バラエティに富んだ短編集だった。
巧いなぁと思いながらするすると読み進んで、あっという間に読み終わった。
純粋さゆえに突っ走ってしまう感情であったり、優しさの下にある打算であったり、夫の元妻に対する嫉妬と優越感であったり…女の怖さが満載であるところはやはり、女性作家特有のもののように感じた。女のことをよく知る女だからこそ書けるこの感じ。
怖いけどこのタイプの小説、私はきっと好きなんだな。無意識に結構選んでるところを見るに。怖いと思いながら読むのがスカッとするのかも。笑
どれか1つが突出して面白いというよりは、個人的にはどれも同じくらい面白く感じた。
それって何気にすごい。そういう秀作だと思う。 -
Posted by ブクログ
半世紀以上生きていると、自分の回りから居なくなれば良いのにと思う人が少なからず居た。学生時代の同級生であったり、働き始めてからの上司や同僚であったりと様々だった。邪魔さ加減の濃淡はあったが、中には顔を見るのも嫌だという人も居たのは事実だ。
言葉が過去形なのは、ここ数年はそういう「邪魔だ」と感じる人が居なくなってからであり、ありがたいことだなと思う。それはたまたまなのではなく、私自信がある程度年齢が高くなってきたことで、周囲とむやみにぶつかるということがなくなってきたからではないかと思う。自分の姿が相手にも反映するという、“鏡の法則”なのかもしれない。
昨年亡くなった母も、今年亡くなった父も、どちらも穏やかな晩年を過ごしていた。怒ることもなく、気の会う仲間と集い、趣味を楽しみながら夫婦で旅をする。そんな穏やかな晩年を過ごせたのはひとえに周囲の方々のおかげだが、夫婦仲良くいつも二人で語り合い、連れだっていたからだと思う。
一緒にいる時間を増やし、たくさん会話をする。それが夫婦円満の秘訣のひとつなのだろう。
新津きよみさんが書かれた「夫が邪魔 (徳間文庫)」は、夫を疎ましく思う妻が主人公の短編集。タイトルと表紙にドキッとさせられる一冊だ。
新津きよみさんは、人の心の奥にある闇や哀しさを巧みに描写される作家さんだが、さらにミステリーの要素も加わっているので一気読みしてしまう。今回も同様に一気読みしてしまった。
表題作の「夫が邪魔」は女性作家が主人公。著書が評判となり仕事が次々とやってくるが、夫は作家業に全く理解を示さず、食事の用意や家の掃除を当然のように要求する。夫の持つネジ曲がった価値観に振り回されるうちに、徐々に苛立ちが募って来る。そんな時に、住み込みでの家事手伝いを希望する熱烈なファンからの手紙が届く。ファンと作家との手紙のやり取りが続くうちに、事態は不穏な方向に進んでいくのだが。
このほか、「夫が邪魔だ」といわんばかりの短編が6話、全部で7話が収録されている。20年前の書籍が名前を替えて再登場したようだが、20年経っても面白い作品はやはり面白いままだなと感じた。