新津きよみのレビュー一覧
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「夏に付き合うには最高の女」と紹介された雪子。付き合ううちに真一はある違和感を覚えていく【戻ってくる女】、小学校時代のタイムカプセルに入れた手紙が、20年後の自分にある疑念を抱かせる【時を止めた女】、気まぐれに元恋人の住む駅で降りたことであらぬ嫌疑を受ける恵子。嘘のアリバイを語ったのは意外な人物だった【猫を嫌う女】他、日常の裂け目に囚われた女たちの恐怖を描く短編8編を収録。
日常の中から不意に現れる裂け目を描いているというか、モダンホラーテイストの作品が多い。本のタイトルにあわせて収録作の一部も改題されているのは、面白いというか強引というか……。 -
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ある日史子は、マンションの階段で倒れていた。携帯電話で目覚めた彼女は、仕事でこのマンションに訪れた事を知るがマンションに来た時の記憶が無かった。
家に帰ってきて、少人数で同窓会をやろうと誘いの電話が来た。そこでの会話では、「鈴木友子」と言う同級生の話題があがった。史子と仲が良かったと言われたが、史子の記憶にはまったく無い人物だった。
倒れた時に脳が異常になったのか?と不安の気持ちを持って、同窓会に行ったが、そこでも「鈴木友子」の話になり、みんなが知っていてやはり史子と親しかったとみんなが言う。
史子には、どうしても思い出せず、ますます自分の記憶に不安を抱いていく。そして、同窓会に出たメン -
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「中平里美さんは、ご存知ですか?」と、黒崎友美のもとに電話が・・。それは、家族と絶縁状態にあった実の姉の名前だった。その電話で病院に行くとくも膜下出血で倒れた姉の姿が・・。翌日になるとそのまま息を引き取った。後始末のために、マンションに訪れた姉の部屋には、幼児の白骨が段ボールに入ってた・・・。都会でたった一人で生きていた姉。姉の部屋には、どんな秘密が・・・。そして、どんな過去が・・・。
一方、片桐奈央子は、独身の女性だけで集うクリスマスパーティーで、中平里美にあっていた、彼女も東京で一人で暮らしている。田舎には、一人で居る母親がいて・・。
てな、感じで友美と奈央子の物語であります。日常に -
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「眠り姫」ですね。
なかなかおもしろかった。
物語の内容…というよりは、作者が言わせたという登場人物の言葉に共感した。
そうそうそうそう! って感じだった。
私も、「今、独身だったら…」とか「まだ子供を産まないで旦那と2人だったら…」とか考えるし、実際にそういう生活をしている人のことが気になるもん。
あと、佐知子の夫、剛史の母千栄子がなんだか義母にダブって仕方なかった。
千栄子ほどひどくはないけど、義母も「うちの息子が選択したことに間違いはない」「息子の決定にしたがう」という考えの持ち主だから。
かといって私にひどいことを言ったりすることはないから、そこが千栄子と違う点だけどね。 -
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長編ホラー・サスペンス。
梗概を書くと、14年ぶりに同窓会に出席した主人公は、そこに集まった友達と懐かしい話や近況報告に花を咲かせる。その中で、「鈴木友子さんとあなた、とても仲良かったわね」という話題になる。しかし、みんなが覚えている「鈴木友子」という女を全く思い出すことができない・・・。自分は健忘症ではないかと不安を募らせる主人公。「鈴木友子」を軸に、主人公とその周りの人々の様々な記憶が複雑に絡み合い、事件は意外な展開を見せる・・・。
今回もおもしろかった。新津きよみさんって、前回の作品もそうなんだけど、どんでん返しの結末とか衝撃の結末とかを書いて読者を楽しませるんじゃなくて、結末に至る -
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サスペンスホラー。長編。
容姿も収入も自分より劣っている友人に、優越感の入り混じった安心感を抱く主人公。嫉妬や、見栄、女同士にはありがちな些事が、惨劇への扉を開く・・・。
すばらしい!!こんなに女の心理を巧みな筆致で描写できるなんて、信じられない。脱帽。作者は、女性心理に対する鋭い慧眼の持ち主である。
女友達への嫉妬、見栄。自分より劣る相手に対して感じる安堵感、優越感。自分の後ろを歩いてるハズだった友人が自分を追い抜こうとすることに対する恐怖、焦燥。
女なら誰でもあるハズのドロ×2した部分。それをこんなに明け透けに描くことができるなんて・・・。感服の至りです。 -
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