堂場瞬一のレビュー一覧
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ネタバレ犯罪現場のグロテスクな描写もない、メディアの今をテーマにした社会派ミステリだった。
前職が新聞記者だったという堂場さんが舞台にしたメディアの世界が生々しく、ノンフィクションを読むような流れで興味深かった。
日本新報甲府支局の記者、南泰祐は体が解けるほどの暑さの中、ほとほと嫌になりながらサツ回りを続けている。
彼は団地で幼い姉妹が絞殺された事件を追っている。若い母親は行方がしれない。
詰めかけたメディアに住民が不満を募らせて目の敵にされるようになっている。これはもう通常に見られる「メディアスクラム」という光景になってきた。
そんな中でも南は何とか実績を作って東京に異動したいと思っている。
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ネタバレ逆境から這い上がろうとする兄弟が別々に育って、20年後に再会した時は全く違った道を歩いていた。#カドフェス
解説では「砂の家」という題名から、名作「砂の器」を引いていた。
だが弟がいることで兄の生き方が際立っている、その足にもつれ込む弟が兄を暗闇に引き込もうとする。
題名からの連想だが、家族の罪が障害になって、そこから抜け出そうとする憐れは兄弟どちらにも重い鎖になっている。
読み始めで先の筋書きを追ってしまう癖で、この兄弟の生い立ちから未来を予想して読んだが思い通りに進んでいった。だが最後になって、思いも寄らない意外な方法で解決した。
父親が経営に行き詰って、一家心中の保険金で負債を弁済しよ -
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長年ラグビーやっていましたが、フルハウスを知らなかった…まあ、代表クラスのスタンドオフくらいしかできないんでしょうけど。
主人公は日本人で初めてオールブラックス入りしたスタンドオフ。ワールドカップで日本と同じプールに入るが、なぜか取材拒否。その真意は・・・
試合の描写は、経験者なら映像化できるくらいの完成度だと思います。
ただ、物語自体がチョット中途半端感ありです。恋愛、友情に大きく振れることはなく、ラグビーそのものもドラマティックかといえばそこまでではない。
でも、ラグビーという競技の国籍・人種主義ではなく、地域主義というのがうまく伝わるように書いていると思います。 -
Posted by ブクログ
様々な罪を犯した人々を描く
短編12編
印象に残ったのは
〈褒められた男〉
無差別殺人を起こした男が、初めて人に
褒められる
〈ある後悔〉
一族で爪弾きだった借金取りの男を
殺した男。生き続ける限り、自分の罪は
消えることはない
〈暗い復讐〉
重い‥
戦後、こういうことが実際あったのでは?
考えさせる内容だった
〈連鎖反応〉
煽り運転の話
怖い‥昨今の煽り運転、きっかけは
こんな感じではないのだろうか
結末が‥‥
〈推さない〉
アイドルの推し活をする娘と母との
対立。他に方法はなかったのか、
ラストが救いようがない
〈消えない目〉
罪を犯した者は、たとえ法で裁かれなくても
罪は消えることなく -
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ネタバレ1つの出来事を複数の人の視点で、ほぼ同時に読み進めるのは物語を深く味わえるし、おもしろいと思った。映画でいう「バンテージポイント」を思い出させる内容だった。
特に人物たちの心の声(モノローグ)を中心に描いているので、人の心情を楽しめて、野球に興味がある人にはたまらない内容だと思う。特に序盤、最終盤はページをめくる手が止まらなかった。しかし、中盤が長すぎて、逆にモノローグの多さが、スピード感を損なう要因になっていて、少し飽きてしまうところは、正直あった。のめり込み度を形だ表すと「つららのような形」になるのかな?
でも、一度手に取る価値はあると思う。 -
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セレブの被害者とセレブの加害者、双方と事件を追う警察をつなぐのは人呼んで『セレブ刑事』。セレブの事情と警察の事情が入り乱れ、事件が事件を連れてくる警察小説。
主人公はこの度一人きりの部署『警視庁特別対策捜査係』の構成員である男性刑事。警視総監直下の彼の肩書は、通称『セレブ担当』。主な仕事は『交通整理』。自身もセレブ出身で、けれどセレブ街道からは外れて刑事をしている彼は、経験と知識から『セレブ』と呼ばれる方々の感覚や扱い方を理解している。得てしてトラブルになりやすい現場の警察官と事件に巻き込まれたセレブたちの間に入り、円滑に捜査が進むようにクッション役になるのが役割だ。今回立ち上げたばかり