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「すごい原稿がある」――ベストセラー作家が死の間際に残した一言より始まった原稿捜索。しかしそれは、出版業界を揺るがしかねないパンドラの箱だった……「創作」の倫理をも問う問題作!
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Posted by ブクログ
四十年以上の長い筆歴を持ち、最後の昭和の大物作家という印象さえある作家、岩佐友が鬼籍に入った。『孤立』を大切にし、作家仲間との交流を好まなかったそのベテラン作家は、未発表のすごい原稿があるらしい。同郷で、同じ高校、大学の出身でもあったために、岩佐と数少ない友好関係を築いていた後輩作家の古谷に岩佐の...続きを読む評伝を書く話が持ち上がり、彼と編集者は未発表原稿を探し求めるが――。 作家の書く作家の小説が好きです。小説を書く人間の小説書きの話が好きです。特に様々な一筋縄ではいかない感情が渦巻いているものが。(おそらく)作者は吐き出さずにはいられなかった感情と吐き出すことのできなかった感情のせめぎ合いのすえにそれを生み出し、(おそらく)読者はそこに作者を透かし見てはいけないという気持ちと作者を透かし見てしまう気持ちがせめぎ合いのすえにそれを読み終える。どこか、『虚実』の闘いがあるような気がして。やがて浮かび上がる『真相』は、無理をしてでも一歩先へと進みたい渇望する心を抉るような、痛みを伴うものでした。
導入部分は面白く、引き込まれたが、途中から何を読まされているのか…のような気分になり、例の原稿は、最初はつまらなかったが結局夢中になって読んでしまった。この話が濃厚過ぎた。
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堂場瞬一
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