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「俺たちは、面白いから記事を書くわけじゃないですよ。伝える必要があるから記事にするんです」
大手全国紙の整理記者を辞め、実家の印刷所が発行する「地域紙」編集長になった戸倉大介。
部数1万部、編集部員3人、週3回発行、全4ページ。人口25万人の平和な地方都市に事件は少なく、行政発表や街ネタが中心の、刺激に乏しい紙面だ。
そんな中、SNSを駆使する若き市長が自宅前で何者かに襲撃された。これはテロか?
その事件が、戸倉の記者魂に火を付けた。
人手も拡散力も速報性もない。それでも、地元で起きたこの事件の真相を誰よりも深く、正確に報道してやる。
裏を取れないことは書かない。特定の人物の主張だけで記事にしない。引用だけのこたつ記事は載せない。
元新聞記者の著者が報道の矜持を問う長編小説。
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Posted by ブクログ
大手新聞社に勤務していた戸倉は新聞業界の不安もあり、父親が社主のローカル新聞の前崎日報へ入社する。
新しい環境と幼い頃から新聞に親しんだ戸倉は事件を追う充実感を得ていた。
ネットより手間のかかるオールドメディアと自認しながらも紙の媒体に拘る戸倉の葛藤は、弱小地方紙の人員不足もあり心身を疲労させる。
そんな時に小沼市長が3度も襲われるが…。
相変わらず新聞業界を舞台にした堂場瞬一作品にハズレなし。
新聞が持つ矜持と新聞発行の凋落による経営的逼迫は、新聞の行末に暗澹たるものを感じさせる。
戸倉が下した決断の後、彼の身の振り方に切ない思いを寄せてしまった。
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