速水螺旋人のレビュー一覧

  • 戦争は女の顔をしていない 3

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    2巻までは過去の戦争の話として読んでいた。現実にロシアとウクライナの戦争が始まってしまった今は、兵士の人たちや子ども達が殺されてしまうシーンがよりリアルに恐ろしく感じる。
    戦争が終わってもいつまでも血の匂いや叫び声が忘れられない人たち。無事に帰ってきても、女性で戦争に行ったと同じ女性たちから差別される。戦争は本当に巻き込まれた人たちの人生を狂わせる。やってはいけないことだ。

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    2022年03月27日
  • 戦争は女の顔をしていない 2

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    イデオロギー面での描写

    一巻よりも戦場の描写が少なかったのか、全般的にイデオロギーを信じる人民としての生き方と、生活者としてのいわゆる普通の暮らしを望む生き方の対比が印象に残った。インタビューではおそらくは本音に近い生の声が聞けたはずなのに、著者が文字にした原稿に対しては話をした本人から人間味のあるエピソードを削除されてしまったのが印象的。

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    2022年03月27日
  • 戦争は女の顔をしていない 1

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    生々しく圧倒される

    監修者の後書きにあるように、元のインタビューの一言を漫画に落としこむにあたって想像で絵にする部分も多かったのだろう。余白をある程度埋めてくれた漫画でも、展開の飛び方などで若干分かりにくいところもある。ただそれもインタビューされた人たちの生の声を紡いでいるからこその分かりにくさなのだろう。女性射撃手のことはこの本を読む前から聞いたことはあったが、それ以外の役割を担った女性たちの戦争の話も当時の戦争や女性の関わりを知る上で興味深い。下着や生理の話などは戦闘行為そのものではないが、戦争という異常事態に急遽女性が放り込まれたことによる当時のリアルを示す生々しい逸話だと思う。

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    2022年03月27日
  • ワルプルギス実行委員実行する 速水螺旋人作品集 1巻

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    良い。バラエティ豊かな短編漫画集の貴重な一冊。
    どれも面白いが、その中でも印象に残ったのは、「あゝ戦友よ、くだんに会おう」。ほか落語のオチのような「わからず屋」、あと狼の花嫁がかわいい「フセスラフ人狼公の花嫁」か。
    豊富な知識に基づいて漫画にしている感じが伝わってくる、でも、とても漫画漫画しい独特の味わい。気に入った。

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    2022年03月10日
  • 戦争は女の顔をしていない 2

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    自主的な検閲……。

    「その後もこのように一人の人間の中にある二つの真実にたびたび出くわすことになる
    心の奥底に追いやられているそのひとの真実と、現代の時代の精神の染みついた、新聞の匂いのする他人の真実が
    第一の真実は二つ目の圧力に耐えきれない」

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    2022年02月26日
  • 戦争は女の顔をしていない 2

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    第二巻。描かれる、彼女たちから語られる戦禍の惨状は、ますますの苛烈さを増したように感じた。多分読んで知ったことのエピソードが私の中に降り積もっているのだと思う。
    長らく文通を続けていたというニーナさんに、インタビュー記事をまとめた原稿を送ったところ、訂正で埋め尽くされて戻ってきたという話が心に突き刺さる。
    どうしても戦いたくて潜り込んだ本部で、軍服を貰えないからと合切袋をほどいてスカートにして穿いたこと、上官の冗談に騙されたり、大尉の名前を忘れておじさんと呼んでしまったり、"乙女の心は燃えている"と詩に書くような恋があったり。
    お茶を飲みながら、親しく打ち解けて語ってくれた

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    2022年02月07日
  • 戦争は女の顔をしていない 2

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    「戦争は女の顔をしていない」2巻。

    ニーナ・ヤーコヴレブナ・ヴィシネフスカヤの第十一話が最も印象深いか。
    取材後に届いた手紙で、語った内容を否定する言葉が綴られていたこと。

    大祖国戦争に勝利した英雄と、戦争に参加した一兵士としての乖離。自分の心を殺して戦ってきた日々が終わり、戦後の日常に戻ってきても、自分自身の言葉で語ることができないというのは、心が休まる日がないのではないかと思う。
    ニーナが語ったエピソードが、日常の冗談に溢れているので、余計にそう感じてしまいます。一方で、生き死にの境をくぐり抜けてきたエピソードもあり、彼女の日常と非日常の違いはどこにあったのだろう。
    「でもあたしはここ

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    2022年02月07日
  • ワルプルギス実行委員実行する 速水螺旋人作品集 1巻

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    速水螺旋人の短編集。本屋さんでひたすら探すけど、なかなか見つからない。端末で在庫確認すれば、確かに在庫あるのに、見つからない。店員さんに聞けばいいのだけども、ここまできたらこっちにも意地がある、というわけわからん状態で探索。
    まいつきさん、一生懸命探しました。そして、見つかりましたよ。

    少女漫画の棚の方にありました。

    出版社と掲載雑誌の関係のなせる技か。こいつは盲点でした。素直に店員さんに聞きましょう。コミュ障な部分が出てしまいました。

    「ペーパーカントリー」
    四角四面にルールを遵守する中にある滑稽さ。風刺というには喜劇の要素が強いけど、このテイストはいいですね。オチも最高。

    「あゞ戦

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    2022年01月07日
  • 戦争は女の顔をしていない 2

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    マンガの力で、伝えていかなければならない大事なことを残せるのはよいことだなと思う。
    書籍も読んだけれど、あの膨大な情報量の一部でもこんな形で伝えられることで、多くの人に届くことを願う。自分の身にも、大切な人の身にも起きてほしくはい、大事なこと。

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    2022年01月07日
  • 戦争は女の顔をしていない 2

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    冒頭がちょっと衝撃的。
    ‘わたしたちは勝利の申し子 勝利国の子供たちなのだから’(p.4)
    学校の図書室の本は半数が戦争についてだったという。

    その内容は言及されていないが、おそらく、勇猛果敢に戦った男性兵士たちの勇姿と、勝ったという“正義”と“それ故の”共産主義の正当性を讃えるものだと想像する。
    それは、このコミック原作の出版交渉での出版社側からの意見から想像に容易い。

    「悲惨すぎる……生々しすぎる……」
    「共産党が指導的にリーダーシップを見せている部分はどこにあるんだ?」
    「『あの戦争』ではない!」

    日本の戦争に関する児童書は、市民の目線も前線兵士に共通する、戦時中の物資不足とそこか

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    2022年01月04日
  • 男爵にふさわしい銀河旅行 3巻(完)

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    「男爵にふさわしい銀河旅行」完結の第3巻。
    あれよあれよと旅行記が一大叙事詩になってしまいました。ラスボスの存在って大事。大団円を迎えたミハルコ男爵御一行様ですが、何よりも大団円を迎えたことに一安心です。「大砲とスタンプ」のように、たまにすんごいのぶっ込んでくるから油断ならない。

    タイトルの『ふさわしい』は、男爵というには力不足だったミハルコが、役不足にしてしまうまでの成長記みたいな意味合いだったのかな。


    ランパチカが同衾、同衾と連呼するのがたまらなくエロい。
    同衾というワードが意味する行為は分かりきっているのだけど、直接的でないという隠されたエロス。それを無機物であるランパチカがいうか

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    2021年12月13日
  • 戦争は女の顔をしていない 2

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    第一巻に続けて。旧ソ連の崩壊とともに、急速にソ連史への関心は薄れていったのではないかと思うが、「知らなかった」では済まない歴史がここにはある。歴史、過去の忘却は、ともすれば「冒涜」にもつながることを忘れてはならないだろう。続刊や、Eテレテキスト、岩波現代文庫版も、期待しながら読みたい。また、岩波新書の『独ソ戦』などにも手を広げてみたいと思う。

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    2021年08月03日
  • 戦争は女の顔をしていない 2

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    第二次世界大戦の独ソ戦が舞台。たくさんの若いソ連の女の子たちが兵士として戦争に参加していたことをこの本を読んで初めて知った。大勢のドイツ兵を狙撃した女性、燃える戦車から兵士を救出する女性、、。なぜここまでして戦争をしなければいけないのか。

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    2021年05月04日
  • 大砲とスタンプ(9)

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    最終巻。どこか憎めない登場人物たちの兵站を扱った珍しい戦争物語。最後は大団円にならない切なさを残すのが、戦争を背景とした作者の矜持か。

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    2021年02月06日
  • 大砲とスタンプ(9)

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    膠着した戦争をひっくり返す革命と、それに伴うドサクサで、状況激変。
    最後に主人公と仲間が見せ場を作って、盛り上げて、上手く終わって拍手。
    いっぱい人が死ぬのは悲しい。

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    2021年01月28日
  • 大砲とスタンプ(9)

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    久しぶりに単行本が出たと思ったら、これにて完結。
    ラストはなかなか壮絶な展開に。あまり日の目を見ることの少ない兵站を題材にした異色の戦争漫画だったから終わってしまうのは惜しいけど、戦争漫画としてこれ以上ないぐらいの決着だったし大満足。

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    2021年01月25日
  • 大砲とスタンプ(9)

    購入済み

    読み応えのあるいい漫画だった

    登場人物の末路もまったくままならない感じが何とも言えない読後感を与えてくれる

    電子版としては一部の巻の見開きの兵器解説の向きをちょっと何とかして欲しかった

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    2021年01月28日
  • 戦争は女の顔をしていない 2

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    戦車大隊衛生指導員であるニーナ・ヤーコヴレヴナ・ヴィシネフスカヤ曹長の話が印象に残る。
    若い女性が志願して前線へ向かい、激しい戦火の中で、必死に役割を全うする。
    生き残った本人が語る体験談も、必ずしも、事実とは言い切れない部分もあるようだ。聞き手に身内の男性がいることで、言葉が変わったり、実体験した生々しい部分は隠れてしまうこともあったようだ。
    体験談を聞く場面と、回想する場面とを行き来し、現代と当時の対比を表現している。
    この作品の行末をこれからも見届けたいと思っている。

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    2021年01月18日
  • 戦争は女の顔をしていない 2

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    原作でとてもつらかった部分が載っている。信頼し、心を預けて語られたものが、その語り手によって否定される。本当に読み応えある。

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    2021年01月09日
  • 戦争は女の顔をしていない 2

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    本の帯にあるように、「この本は理解するためのものではありません。理解していないことを知るための本です。」なぜ彼女たちが口をつぐんでいたのか、それを考えると胸を抉られるような気持ちになります。戦争に出たのも、そこで経験したのも、それぞれ語る人によって思いは違うが、戦後受けた周りからの目はおそらく同じようなものだっただろう。そう思うとこの本のタイトル『戦争は女の顔をしていない』というのが腑に落ちる。これは原作版を読んで気がついたことなのだが、漫画版も2巻目に入り、少しその辺についても触れられている。どこまでこの漫画版が続くのかわからないのだが、是非ともその、従軍した女性に対する世間の目のことをしっ

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    2020年12月26日