速水螺旋人のレビュー一覧
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軍隊に必須の補給活動を司る部隊を、「紙の兵隊」と揶揄される「兵站軍」としてフォーカスした異色作品。その兵站軍所属の「眼鏡っ娘」マルチナ少尉が徹頭徹尾の官吏ぶりで戦場を活躍するお話。
兵站といっても決して地味ではなく、逆にあらゆる軍の裏側に関係するため各話の舞台作りにバリエーションがあり飽きさせません。最前線ということで、当然戦闘の血生臭ささもありますがあえてそのあたりを淡々と表現するため独特の雰囲気を出しています。
各話に登場する兵器類に対する深いこだわりもPointで、戦記モノの新しいジャンルとして続巻を期待します。
因みに自分は懐中汁粉をもなかごとお湯を注ぐ派です。 -
Posted by ブクログ
これはある意味で暴挙だ…。この原作をコミカライズしようと思った人たちがいることにまず驚く。原作はノーベル文学賞を受賞した旧ソ連のジャーナリストの同名ノンフィクション。
綴られているのは著者が多年に渡り収集した、第2次大戦の独ソ戦を戦った女性たちの生の証言。看護兵·狙撃兵·歩兵·斥候·兵站·司厨·パルチザン…。彼女たちは戦場で何を見たのか。何と戦い何を思い、死んでいったのか。その壮絶な真実の体験には、ただ呆然とするしかない。
「戦争は女の顔をしていない」原作:スヴェトラーナ·アレクシエーヴィッチ/画:小梅ケイト
#読書好きな人と繋がりたい -
Posted by ブクログ
ランパチカにまた会える「主君と旅する幾つかの心得」1巻です。
前作というには繋がりが緩いでしょうけども、前作の「男爵にふさわしい〜」とは多少繋がっているようです。まあ、なんとでもなってしまいそうな世界観なので、そうなんだぐらいの感じです。どちらにも存在しているランパチカなので、彼女がこの宇宙の生き字引的な存在になってゆくのかもしれない。ビンテージどころじゃあなくなってきますね。
お姫さんお披露目、神頼み、修学旅行、室外機、お家騒動未遂、慰安旅行、鍵探しの1巻。
ちょっとした小ネタそれぞれに、作者の造詣が深いので、わかるものとわからないものがあって楽しみきれなくて歯噛みするのは、速水螺旋人作品 -
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Posted by ブクログ
悲しいというより「重い」。住み慣れた故郷を出て戦闘する男も気が重いが、故郷を祖国を守るために「死をいとわない」覚悟で「女も戦います、戦わせてください」と立ち上がる勇気(または狂気)なくしては国の存立はなかった。
ドイツの機甲師団はあっという間に首都レニングラードに迫り、油田への要衝にあるこの都市を奪われては亡国は必至となる/住み慣れた故郷を出て戦闘する男も気が重いが、故郷を祖国を守るために「死をいとわない」覚悟で「女も戦います、戦わせてください」と立ち上がる勇気(または狂気)なくしては国の存立はなかった/孤立して長い時間の待ち伏せする狙撃兵は女子に向いているかもしれない。(防衛には必然とはいえ -
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Posted by ブクログ
「人間の血が染み込んでいない地面は1グラムだってなかった」「それでもこれより一歩でも引けない/国全部が‥ロシア国民が滅びるか勝利するしかないとみんなわかっていたのよ」
文明社会で戦争以外ではありえない人命の浪費、停滞前線対峙の消耗戦。
人を信じないスターリンが唯一信じたのがヒトラーで不意打ちを受けた。民はドイツ軍をファシストと呼ぶが独裁者の盟約は〈石油〉をめぐって裏切り前提/勇敢な者から死んでいく/占領軍が撤退する前に旧政権協力者となりそうな者を射殺する。朝鮮戦争下ソウルでも見られた/WW2で戦略的には勝者となったソ連はダントツに多い1450万の戦死者、700万以上の民間人死者を出した(し -
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