「もし戦争で恋に落ちなかったら私は生き延びられなかったでしょう」
「恋の気持ちが救ってくれていました。私を救ってくれたのは恋です」
「戦争は私の一番いい時期だったの。だってあの時は恋をして幸せだったんですもの」
戦争という凄惨な状況下においても、恋はこれほどの力をもつのかと目を瞠るような証言だった。
著者であるスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチが〈人間の生涯と同じ長さの本を書いているのだ〉と綴るほど、誰に聞いても一つとして同じ証言はなく、そしてそのどれもが現実にあったことなのだという事実に打ちのめされる思いがする。