速水螺旋人のレビュー一覧
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独ソ戦の女性兵士たちの話。
国のために、と教えられて育った少女たちは国のために戦う気概を持っている。
でも男物のパンツは死ぬほど嫌だし、三つ編みを切るのも悲しい。普通の少女なのに兵士のときは勇ましくなれるのは、人間のなかにスイッチみたいなのがあるからなのかな。
日本の戦争漫画に比べて、理不尽な上官とかビンタとか出てこないのはお国柄なのか女性だからなのか。これから出てくるのが。
兵士じゃない女性はちゃんと花柄のスカートとか履けているので、やっぱ日本よりもましかなと思ってしまう。
原作も買ってあるので読まねばです。
追記…原作読んだらあらすじからして不穏だった。戦争行った女性たちは差別くらったと -
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Posted by ブクログ
吊橋よりはるかに危険な戦場で若い男女がいて、“恋愛”が発生するのは必然。男子二十歳前後、女子はもっと若くティーンで数分間先に死が迫っている(かもしれない)現場で「生きている証」を求め/甘い話はないが、ことに悲惨なのは「前線から逃げたために、『もうしませんから』と泣きながら叫んでも公開銃殺された大学生」と「映画館にスターリンが臨席しているとわかると満場の拍手が10分間鳴り止まなかった(余所では拍手を止める鐘があったらしい)両親も兄も『粛清』された女の子も熱狂した」忠誠心は絶対。ツァーに代替りして生殺を握る神(のような独裁者)スターリン。レーニンは「親父」と呼ばれたが、彼は熱望してもそう呼ばれな
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スヴェトラーナ・アレクシエービッチの『戦争は女の顔をしていない』のコミック版の第5巻。原著の各エピソードを個別に漫画化しているので、順番も沿っていないので何巻まで続くのかはわからない。おそらくは第一巻から漫画化しやすいエピソードから採用していたのだろうから、あとどれくらいのエピソードが残っているのだろうか。しかし、この巻の話においてもそれぞれのエピソードが一つの物語をきちんとなしている。それぞれの個人の体験がひとつひとつが重いことの現れなのだと思う。
スヴェトラーナ・アレクシエービッチの『チェルノブイリの祈り』の増補版、既刊の1.8倍の増補改定、が数年前に出ている。そろそろこちらも読んでみな -
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Posted by ブクログ
戦争しても戦争しても、なお戦争を止めないこの人間の世界に訴えかけるものがあります。
描かれているのが独ソ戦ということもあり、現在のウクライナ情勢と重なります。酷な内容ながらも知っておかなければならない、同じ地球での惨状に胸が痛みつつ、ページをめくる手は止まりませんでした。
本書はコミックなので手に取りやすいし、状況や内容がわかりやすかったですしね。
自由がないどころか、殺戮が仕事という戦時下の異常さ。
ショックだったのが、毎月の生理に対して、男性の将校たちはまったく理解がないこと。
彼女たちが歩いた後、経血がポタポタ落ちてしまったあとが残るんです。
下着の用意もしてもらえず、血が乾いた -
Posted by ブクログ
スラヴ・北欧文化圏ベースの話から日中戦争従軍兵と妖怪、機械と超常が融合したファンタジーなどなどバラエティ豊かな短編作品集。
『男爵にふさわしい銀河旅行』にハマって以来、やっぱり絵のタッチが好きだし、画面のわらわらドヤドヤ感とか埃っぽさとか速水先生が描く架空のノスタルジックな空間の読み心地が最高。
元ネタ・モチーフがいまいちわからない部分もあるけどそこはご愛嬌。
以下、好きなエピソードをいくつか。
〈総選挙の魔女〉…現代社会に生きる魔女の活動を描いた話。ただし、主人公の〈花柄たまら〉はグルジア系ルーマニア人で見た目がそれっぽいからと担ぎ上げられた偽物。エセ魔術で選挙戦を有利に進める内に対抗 -
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ネタバレ第二次世界大戦時のロシアの女性兵士の証言文学を原作とした漫画の第4巻。
恋は戦時中の唯一の個人的な出来事であり誰もが率直には語りたがらなかったという話が特に印象に残っている。女性兵士は戦後、従軍しなかった女性からアバズレをみるような侮蔑にさらされたからだ。
たとえば第20話の元女性射撃兵の証言。戦後、共同住宅に住んでいる女性からこう言われる。「戦地ではたくさんの男と寝たんでしょ?」。
戦場は基本的に男の職場である。男たちは女に飢えている。そんな環境に志願していくのは男漁りをするために違いない。そんな偏見をもとに差別されたのが、義憤に燃えて国に精魂を捧げた元女性兵士たちだ。現在よりも潔癖な恋 -