ジェイン・オースティンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この本は今読んだからこそ面白さを理解できたのだと思う。
この数ヶ月間で女性作家を中心とした現代小説を読んでいるわけだが、その中でも群を抜いているいっても過言ではない。
ウィットに富んだ皮肉の数々、主語を欠き視点移動も自在な為、"誰の・何処の・何の"話題なのか訳がわからなくなる構成、馴染みの無いミス・ミセス・ミスタの応酬に複雑な家系図。
世界史の勉強の難しさに似ている。
面白い。
上巻でダーシーの印象が最悪なのは、本人の口から出た災いともいえるが、ネザーフィールドの住人の文化水準が低く、「あんな下品な連中とは付き合ってられない」という、ダーシー側の視点からすると、払拭ど -
Posted by ブクログ
1813年に出版されたが、執筆されたのは1796年、作者が21歳の頃だったようだ。
この作品はずっと昔どこかで読んだ記憶があるのだが、昨年『マンスフィールド・パーク』を読んでとても面白かったので、再読したのである。
ジェーン・オースティンは彼女自身が育った環境、イギリスの田舎に住む「中の上」くらいの階級の、平凡な家庭生活の日常ばかりを書いたのだが、人間観察・描写が優れているため、このような凡庸な生活風景が面白い小説として結晶した。
現在我々が彼女の小説を読む際の面白さは、人間描写の他に、「当時のイギリスの社交界ではどうしてこんな変なマナーに全員縛られていたのだろう?」といった、人類学的 -
Posted by ブクログ
先に見た映画で少し物足りなさを感じた細かい心理描写は、やっぱり小説ならでは。
たしかに前半では妄想や思い込みが激しく、半ば遊び半分に見えていた縁結びとか、何かエマの性格ってちょっと…みたいな感じだったけど、ナイトリー氏の指摘などから徐々に自分を改めて成長していく姿を見ると、やっぱりエマってとても魅力的。
自分を顧みて欠点を率直に認め、持ち前の聡明さでこれまでの行いを改め、いかに人生を歩んでいくか決意する場面は清々しく、思わずそうよ!がんばって!と応援したくなる。
「欠点だらけだが、完璧なエマ」
ナイトリー氏が欠点を探し指摘する憎まれ役、その裏にある愛情に気づかず反発するエマ。まさに王道の少女漫 -
Posted by ブクログ
五人姉妹の次女エリザベスの恋の行方は…という本。
硬い題名だし、古典で有名だし、恋愛ものだし…という理由で読まずにいたけど、「高慢と偏見とゾンビ」が読みたくなって、だったら元ネタ読んどかないとなあ…という不純な動機で読み始めたものの、結構のめり込んでしまった。
女子は好きですよね〜こういうの。イケメン金持ちが出てくる。主人公のエリザベスは頭がいいからイケメンにもガツガツ言う。イケメンダーシーのこと嫌いな女子いないと思う。私も好き。
でもずーっと「これってただの典型的ラブストーリーじゃね…?」と浅はかにも思ってて、この話の真の価値って何だろうと夫に聞いたら、「昔の女性にとって結婚はサバイバ -
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ずっと気になってた高慢と偏見。ようやく読み始めた!
長ったらしい台詞が多くて読みやすいとは言えないものの、ハマるとエリザベスを好きになれる。
でも彼女の何がそんなに魅力的でダーシーを惹きつけるのかと問われると、そこはうまく説明できないな…。
コリンズ氏のプライドばっかり高いくせに退屈極まりない性格はよーく伝わるが。
さすがにこの小説は新訳の方がわかりやすいのかも?
それにしても当時のお嬢様達の暮らしの退屈そうなことよ。高等教育を受けるでもなく働くでもなく毎日毎日何してるんだろうと不思議になる。こんなに時間を持て余してたらそりゃ軍の男の子を追いかけ回したくもなるかも。
親戚の家へ6週間も滞在す