【感想・ネタバレ】エマ(下)のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ジェイン・オースティンの作品の素晴らしい点は色々あるけれども、一つにはその卓越した表現だと思う。クドいわけではない必要最低限の言葉で、読者が容易に個々のキャラクターを頭の中で想像することができる。しかもこれほど似ている主題で書いておきながら、他作品とは全く別人として書き分けされているのだから凄い。
ついに私はよく議論される「高慢と偏見」と今作のどちらが好きかについて意見を言える。エマには正直、過度の期待はしていなかったのだが私は確実に「エマ」の方が好きだ。ダーシー氏もナイトリー氏も理想的な紳士ではあるが、「エマ」は読んでいて腹が立たないし、表現や登場人物などが円熟しているのは素人の私にも分かる。紳士の好みで言うなら、ダーシー氏は痛い目を見て己を省みたけれどナイトリー氏は最初から立派だったではないか! 作者が言うような、エマ本人は「読者が好きになれない主人公」ではない。寧ろエマにはエリザベス・ベネットより大変好感触。私が好きになれないタイプは、作品も含めて大人しいファニー・プライスの方だ。

私のように、少女漫画や恋愛小説は嫌いでも、オースティンの作品は好きだというケースは往々にしてあると思う。それは、ジェイン・オースティンの小説のジャンルが単なる恋愛小説ではなく、あくまで「novel of manners / 風俗小説」や「comedy of manners / 風俗喜劇」であり、教訓めいたものがあるからではないかと私は睨んでいる。個人的には、作者の生涯よりも時代背景や風俗やテーマについて掘り下げていきたい。取り敢えずWikipedia(en)を読んでみると、例えば今作「エマ」では「階級」というテーマの他に「食べ物」にも意図があるなどとあって大変興味が湧いたので、絶版となっているものも多いが関連本を幾つか読んでみたくなった。

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2018年04月05日

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欠点だらけだけど完璧なエマ

彼女が読者に愛されるのは
間違ったことをしても反省できるから

彼女の精神的成長と結婚するまでを
登場人物たちと見守っている気持ちになった

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2023年10月30日

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フランクとジェインが実は婚約していたという事実に驚きはしたけれど、ジェインにピアノが贈られたという伏線に若干気づいていたのでやっぱりなあと思った。各登場人物の人間味がすごい。エマ・ウッドハウスとジェイン・フェアファクスは同い年で対立する女の子のように描かれているけれど、どちらの女性も素敵な面と欠けている面があって絶妙に魅力的で選べない。

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2021年10月11日

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内容は、昼ドラですら取り上げないような恋愛ドタバタコメディーといった風体なのに、最後まで一気に読ませてしまう。全くものすごい文章としか言い様がない。主人公エマと、周りの人々の会話が特に素晴らしく、息をつかせない。
(2017.7)

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2017年07月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ナイトリーさんが、ダンスで救うシーンがかっこよすぎて、さらにその後エマにダンスを申し込むシーンがかっこよすぎて、
「うおー!!かっこえー!!!」って、家のベランダで叫びました・・・
さらに、エマに愛ある忠告をするところ、
さらにさらに愛の告白をするところ・・・
中盤から後半にかけてはまさにナイトリー祭りでした。
とっても素敵でした。
「欠点だらけだけど完璧な」エマが大好きです。とても共感できるしとても魅力的な女の子です。
これはずっと読み続けていくだろうな。。。何度読んでもとても好き。

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2011年10月04日

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 本当にもうエマってバカなんだから!と叫びながら読み進む後編。エマの酷さはすばらしいレベル。
 こんな酷いヒロイン見たのは初めて!(しかしながらなぜか魅力的なのだ)

 結局のところ、この物語の中で一番得をしたのってナイトリー氏だと思います。
 聡明で気は強く、しかしながら最後の最後で自分を一番えらいと認めてくれる女性(若くて美人)ってロマン過ぎる。うらやましいぞナイトリー氏。

 面白いのでオススメです。

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2010年12月02日

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ボックス・ヒルでのナイトリーさんの感動的な言葉の数々!
完璧なようで完璧でないエマの不思議な魅力。エマは素直だからねー。虚栄心や嫉妬といったキーワードがあって上手く作用しています。

中野康司 訳/2005.10.10 初版

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2009年12月17日

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先に見た映画で少し物足りなさを感じた細かい心理描写は、やっぱり小説ならでは。
たしかに前半では妄想や思い込みが激しく、半ば遊び半分に見えていた縁結びとか、何かエマの性格ってちょっと…みたいな感じだったけど、ナイトリー氏の指摘などから徐々に自分を改めて成長していく姿を見ると、やっぱりエマってとても魅力的。
自分を顧みて欠点を率直に認め、持ち前の聡明さでこれまでの行いを改め、いかに人生を歩んでいくか決意する場面は清々しく、思わずそうよ!がんばって!と応援したくなる。
「欠点だらけだが、完璧なエマ」
ナイトリー氏が欠点を探し指摘する憎まれ役、その裏にある愛情に気づかず反発するエマ。まさに王道の少女漫画。特に告白シーンは目に浮かぶよう。

異常に健康を気にする心配性なウッドハウス氏、つまらない話を延々と続けるミス・ベイツ、超性格悪いエルトン夫人など、脇役もキャラ立ちしてて、200年後の今でも充分楽しめる作品。
上巻で少し飽きてしまったけど、最後まで読んでよかった!

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2023年05月03日

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ネタバレ

2019.12.14

【感想】
展開はベタなのに、とても面白かった!!!
メインの内容は、少女漫画で言うところの「歳の離れた幼馴染みが無自覚のうちに想い合う、そこにライバルが出現したことによって各々の気持ちをやっと自覚」って感じかな?!

「ずっと同じナイトリーさんでいてほしい。」エマの言葉がとてもわがままで、とても切実

ナイトリーさんの想いを告げる言葉たちが誠実で好き
エマとフランクのたわむれを見たくなくてロンドン行くとか可愛すぎる好き

「欠点だらけだが完璧なエマ」とはその通りだと思う
エルトン夫人が苦手すぎる!!!

【印象に残った言葉】
心の慰めや平静さを求めたいなら、これから良い行ないをしようと決意するしかないではないか。
→エマの人間的な素晴らしさを感じた。


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2019年12月14日

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この作品を読んで、恐らくはじめのうちはエマを好きな読者は少ないはずだ。エマの悪意ないお節介や思い込みと決めつけは、読者に苛立ちを感じさせる。
それでも読み進めていくうちに、エマを嫌いになりきれなくなるに違いない。エマは軽率とも言える行動を繰り返すが、あくまで厚意でしており、芳しくない結果になったときは素直に反省する。
だから憎みきれないのだ。

ジェイン・オースティンの魅力は、何と言ってもこういった登場人物の性格描写の巧みさにある。
エマに限らず、エマに何でも言える存在のナイトリーや、いつでも自分と周囲の健康ばかりを気にするエマの父親、ちょっとした悪役的存在のエルトン夫妻、善人でおしゃべり好きな元牧師の未亡人ミス・ベイツなど、どの登場人物も個性豊かで活き活きと描かれている。

このように登場人物が魅力的に描かれていなければ、たかが恋愛物語に750ページ余りもの長い作品に仕上げることは難しいだろうと思う。

恋愛喜劇物語であるのに、最後にちょっとしたミステリーめいた出来事の謎解きのようなもの(フランクの勘違いに関すること)が織りまぜてあるところも心憎く面白い。

ジェイン・オースティン自身がエマの父親を“心やさしい身勝手さ”などと的確に評していることなどが書かれた訳者あとがきも読んで面白い。

重い作品などの合間に息抜きのように気軽に読めるジェイン・オースティンは、なかなか侮れない名作家だと思う。
本当に若く亡くなったことが残念だ。

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2016年07月11日

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ネタバレ

下巻の話の展開がおもしろかった!
エマが自分のしてきたこと、その結果引き起こしていること、自分の欠点などに気づいても、その欠点ごと受け入れてくれる人が身近にいる。本当にお騒がせなエマだけど、とても愛らしく賢い人なんだろうなと感じる。
ナイトリーさんってステキだなぁ。

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2014年07月13日

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最初はエマのちょっとうぬぼれたお節介ぶりにやきもきさせられるものの、読み進めていくと、彼女が「本当に」頭のいい女性なのだ、ということがわかってくる。
エマは頭の回転が速く、思いやりがあり、行動力もある女性なのだ。それでいて美人でお金持ちで、家族にも恵まれているのだから、彼女が「お節介」に義務感のような思いを抱くことも、ごくごく自然なことだと思う(本人はそれを「お節介」だとは思っていないが)。

そんな、「ちょっと行き過ぎ」なエマを、きちんとたしなめ、また導こうとしてくれるナイトリー氏は素晴らしい。
本当に愛しているからこそ、はっきりと注意し、時に厳しくたしなめる。本当に愛情を持っていないと、ぜったいに出来ないことだ。そしてそれはまた、愛情だけでも決して出来ないことだ。

私は、エマがベイツ夫人に思いがけず侮辱の言葉を言ってしまって、そのことをナイトリー氏から厳しく非難され、彼女が激しい後悔に襲われる場面が、とても好きだ。主人公が傷つき猛反省する場面を、好きだと言うのもどうかと思うが。
この場面で、エマは自分のしたことをとても反省する。こんなことは、もう二度としないと誓う。私はこのとき、彼女の純真さが輝いていると思う。本人はとても辛いし、とても後悔しているのだけれど、そのことを心から悔い改めようと決意し、エマはそれをきちんと行動に移すのである。

癖のあるヒロインだし、確かに『高慢と偏見』を読んだあとだと、ストーリーの清々しさという点をどうしても比べてしまって、あちらに軍配を上げたくなる。
しかし、このお話に描かれた「反省」は、これからふとした瞬間に私を励ましてくれるのではないかと、ちょっと期待している。

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2013年01月03日

Posted by ブクログ

上巻読んでから時間が経ってしまった。
しかし、今回のジェイン・オースティン作品の中でもっとも、自分に似た部分を持った主人公だった・・・。イタイイタイ。
登場人物それぞれがかなり個性的で強烈なキャラクターばかり。
こんなに皮肉で辛辣なことにあふれた小説だからこそ現代に通じるものがあるのかな。

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2012年09月22日

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エマとナイトリー氏は最強カップル♡
2人のダンスシーンは読んでいて本当に
うっとりさせていただきました!
ナイトリーさんみたいな素敵な人
どこかにいないかしらー(^-^≡^-^)

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2010年09月13日

Posted by ブクログ

少女から大人へ、エマの成長、恋愛、コメディといろいろな要素で楽しめる作品でした。「欠点だらけだが完璧なエマ」という表現はすごくエマに当てはまる言葉だと思います。そして、そんなエマがとても魅力的。3作読んだ中で、エマの相手役の人が一番紳士でした。

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2011年09月28日

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「世話を焼いてやればやるほど、自分では何もしなくなる人たちが、世にはあるものだ」p89

エマは一瞬この様な考えに至ったにも関わらず、自分の意見とは反対の行動をとる。
色んなこと考えても結局は行動が全てを表す。

「人間性というものは、興味深い状況に置かれた人たちに対しては、非常に好意を持つもので、もし若い人が結婚するか死ぬかという状態になると、必ず良い噂をされるものである。」p174

フェアファクス嬢がどういう女性であれ、人々は本当に噂が大好きなんだよなぁ。今も昔も

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2022年03月27日

Posted by ブクログ

ジェインオースティンの作品は特に大きな波があったりする作品ではないのに早く先を読み進めたくなる不思議。登場人物たちひとりひとり味があって楽しい。

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2019年08月13日

Posted by ブクログ

もしかしたら既にあるのかもしれませんが、絵さえつければこのまま少女漫画にできそうなくらいに、とてもスタンダードで面白いラブコメディーでした。ただ、個人的に興味深く思える要素がこれといってなかったので、星3つとさせていただきました。

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2015年03月13日

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