ジェイン・オースティンのレビュー一覧

  • 高慢と偏見

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    普段、ロマンスといえばBLばかり読んでいる私でしたが、現代でも色褪せない人間の愚かさと気持ちの流れ!圧倒されました。夏目漱石先生オススメなのがわかります。
    長い話ですが、人が人になるのに「この瞬間」がないように、少しずつの積み重ねや気持ちの動きが繊細に描かれていて読後感はほんとうによんでよかった…です。ベネット氏の皮肉屋なところ、妻への評価などが特にお気に入りです。また時をおいて読み直してみたいものです。

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    2021年01月05日
  • 自負と偏見

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     終始、面白可笑しい皮肉調で描かれているから、クスクス笑いながら読んでしまう。何か衝撃的な出来事があるわけではないけど、全場面が楽しくて、非常に好きな作品になった。つまらない場面が全くなかった。

     登場人物の生き方はみんな違っていて、それぞれの生き方は悲しかったり、惨めだったり、皮肉に思えたりする。人間の性質や流涎している思想の具現化にも思えた。

     どの登場人物についても、客観的な納得のいく描写によって、その人間性が鮮やかに描きだされている。仔細な人間描写により、読者は登場人物を身近に感じることができる。物語の世界に引き込まれる。エリザベスがダーシーの人間性を誤認し、嫌悪してしまういきさつ

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    2020年08月31日
  • 高慢と偏見

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    素晴らしい作品・翻訳でした。
    小説はビジネス書よりも何倍も翻訳が難しいと思います。丁寧な翻訳で読みやすくかつ200年前の雰囲気をきちんと感じさせてくれる文章でした。

    200年前の本が今でも読み継がれているのは、高慢、偏見、自負心、虚栄心、愛情など人間の本質を見事に描いているからだと思います。

    内容はラブストーリーなので難しくなく、皮肉やユーモアも交えたコメディタッチな部分もあるので、面白く読み進められると思います。おすすめの作品です。

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    2020年08月22日
  • 高慢と偏見

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    舞台は19世紀初頭の英国の田舎で、紳士の娘たちの恋愛模様が描かれている。相手は貴族だったり軍人だったりと、当時の身分の差という恋愛の障壁も上手く描かれている。

    率直な感想は「いやもう凄い…」で、読みながら本を置いて「いや〜凄いわ…」とひとり言を何度言ったかわからない。感想でも何が凄いかくらいははっきりさせておきたいのだが、何が凄いのかうまく言えない。

    しいて言えば、なにも出来事が起きてないところまで面白い。つまり、660ページあるが最初から最後まで全部面白い。

    それもこれも会話と地の文の折り合いが良く、一切違和感というか無駄を感じるところがなかった。風景描写は必要なシーン以外は殆どなく、

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    2020年08月19日
  • 高慢と偏見(下)

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    「高慢と偏見」には、いくつもの印象的な場面、有名な箇所がある。
    ちょっと思いついただけでも、

    1 冒頭の文章
    2 最初の舞踏会……エリザベスとダーシーの最悪の出会い
    3 風邪を寝込んだ姉ジェインの看護のため、エリザベスがビングリー家まで徒歩で訪問
    4 コリンズ牧師の求愛行動とその顛末
    5 ダーシーの叔母キャサリン夫人宅訪問
    6 ダーシーの突然の求愛とエリザベスの強烈な拒絶
    7 ダーシーからの手紙
    8 ペンバリーのダーシー邸見学と再会
    10 ウィッカムとリディアの駆け落ち事件
    11 キャサリン夫人とエリザベスの対決
    12 ダーシーのベネット氏訪問(めでたしめでたし)

    他の長編にもそれぞれ印象

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    2020年08月07日
  • 高慢と偏見(上)

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    光文社の「高慢と偏見」は2011年。ちくま文庫の中野訳(2003年)より新しく、中公文庫の大島訳(2017年)よりは古い。

    訳者の小尾芙沙は女性で、古くからのSFファンならおなじみの方。

    アシモフ、ディック、ゼラズニイ等訳書は多数あるが、中でもアーシュラ・K・ル=グィンはこの方の翻訳でずいぶんお世になったので、安心して読むことができる。

    丁寧で標準的な翻訳という感じです。

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    2020年08月07日
  • 高慢と偏見

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    挿絵入りなので、いまから200年前の風俗が参考になる。
    19世紀初頭の女性のファッションが魅力的。

    英文学の古典であるジェイン・オースティンを高く評価している人は数えきれないほどいるが、なかでも「世界の十大小説」のサマセット・モームと、「文学論」の夏目漱石が有名だろう。

    オースティンの小説は純然たる娯楽小説で、いずれもラブコメだ。

    「高慢と偏見」は700ページ近くの大長編だが、読み始めたら止まらなくなる。

    ハラハラドキドキの波乱万丈の展開というわけではなく、英国の田舎の恋愛劇なのだが、モームの言うように、なぜか次のページをめくりたくなる。
    そして、読み終わった後にふたたび読みたくなる。

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    2020年07月31日
  • 高慢と偏見(上)

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    オースティン、これほどおもしろいとは、
    エリザベスの会話力(主にダーシーとの)がすごい
    日本語訳の秀逸さ
    スラスラ読める

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    2020年07月12日
  • 自負と偏見

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    250年前でも恋の始まりは同じ「フッ面白い女」
    エリザベスもミスター・ダーシーも己の「高慢と偏見」をお互いによって乗り越えて愛を結んだのが美しくて誠実で素晴らしい。どなたかの言葉でオースティンの小説は絵のない漫画のよう、というものがあったけどまさにその通りで、言葉によって作られる世界の鮮やかさと変わらぬ人間の愚かさと温かさを教えてくれる素晴らしい作品だった。当たり前だけれど映画で見るよりもそれぞれのキャラクター性が色濃く、しかしさらに愛らしく描かれていて、映画やドラマを見返したくなった。
    好きだな、と思ったフレーズをチェックしたので後でここに書き連ねたいと思う。
    私は素晴らしい夫を持つことは無

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    2020年07月03日
  • 自負と偏見

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    200年前の作品とは思えないほど、作中人物が躍動している。思わず身近な人物を投影してしまうというのは、まさにこの小説がいまだに命を失っていないという何よりの証拠だろう。古典的ということは普遍的ということだ。
    なまじ安易なヒューマニズムを振りかざす”社会派”なものを読むよりもこちらの方が、世の中のティーンズたちにとっても得るものが多いのではないかと思う。
    全青少年必読の書である。

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    2020年06月21日
  • 自負と偏見

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    タイトルから古典的名作であるということだけは知っていたが、ここまで正統派な恋愛小説であるとは思いもしなかった。

    エリザベスがダーシーに対する気持ちを変化させていく描写や、リディアの駆け落ちをきっかけに彼への愛を自覚する場面では不覚にもときめいてしまった。最終的に二人はどうなるのかが知りたくてたまらなくなり、作者の掌でいいように転がされるというこれ以上ない読書体験ができた。

    また何度も言われているとは思うが、作中にたくさん登場する変わった人たちの描写が巧みだと思った。個人的にはコリンズがエリザベスに求婚し、断られたのに「若いお嬢さんは心の中では受け入れるつもりでも最初は断るもので、実は私の求

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    2020年06月07日
  • 高慢と偏見(下)

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    結末を知ってても、2人のやり取りが本当にいい。
    手紙でこんなにも感情が揺れ動くっていいですね。
    今の時代には無い素敵な文化。

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    2020年05月02日
  • 自負と偏見

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    おもしろかった!!

    昔に書かれた本なのに、友達の話を聞いているみたいだった。(いい意味です)この世界の片隅に の すずさんを、友達と感じるようになるのと同じで。

    久しぶりに夢中になって読みました。

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    2020年02月16日
  • 高慢と偏見

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    古典文学を読むのは初めてといってもいいかもしれない。何しろ200年以上も前に作られた小説。テーマは本のタイトルの通りである。
    同じカースト(クラス)以外の結婚はご法度のこの時代、それでもミスターダーシーは諦められずに婚姻を迫る。彼のステイタスから発する高慢で横柄な態度をエリザベスがへし折っていく、そしてエリザベスのほうも彼女が自分の偏見でみていた”お金持ちはつっけんどん”なミスターダーシーに対して考えを改めていく。物語が佳境にいくにつれ、双方ともに自分を振り返り学ぼうという姿勢はなんとスマートな考えだろう。この時代にこんな考えを持てる二人は、200年先をいっていてとってもクールだ。

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    2019年09月08日
  • 高慢と偏見 下

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    ネタバレ

    登場人物全てが個人の考えや思いを持っていることを感じさせる点が濃い物語を生んでると思う。
    エリザベスとキャサリン令夫人の舌戦は凄すぎる。突然の展開から一気にボルテージマックス。今もこんな親戚のおばさんはいるだろうなと思いながら読んだ。

    最後に家族のその後が描かれている部分は蛇足のような気もしたが、すごく気になる部分なので書いてくれてありがとうと言いたい。

    21歳でここまで深い人物描写ができるのは凄いと改めて驚かされる。

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    2019年08月26日
  • 自負と偏見

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    面白かった。タイトルが取っ付きにくいせいで昔のお堅い小説に見えるが、中身は現代の恋愛にも通じる恋愛小説。コバルト文庫のような少女小説が好きだった人にもオススメ。お互いに探り探りの距離感からの後半~ラストは、エリザベス父の「恋に燃える連中は…埒もあかないことを言うだろう」も含めて凄くいい。ときめくし、ダーシーがそこまで惚れたのかと思うとちょっと笑える。

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    2020年11月21日
  • 高慢と偏見(下)

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    エリザベスの知性、溌剌とした明るさに、こちらも元気づけられ、明るい気持ちになった。
    いつしかダーシーとエリザベスが大好きになっていた。
    情景描写、人物描写ともに細密で、特に下巻はエリザベスとともにイギリス中を旅しているような気持ちになった。
    よい本を読んだ、という満足感に満たされている。

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    2018年11月20日
  • 高慢と偏見(下)

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    ものすごいいいところで分けたと思う、下巻。
    とりあえずエリザベスの葛藤から始まるわけですが、この子の「公正さ」へのこだわりすげぇな、と昔の自分を見ているようでした(笑)。父譲りの皮肉屋なんだけど、自分が本来正しいと思うべきだったものに対しての全面降伏が早いというか、妙なとこ素直なんだよね……。上巻で言及した通り、彼女の自尊感情には健康的と言うには少し足りていない部分があるのですが、この場合はいい方に折れたのだなあと。

    ダーシーのほうも、上巻でのやりとりで既に、彼女が公正さへのこだわりを抱えていることを知った上で、再チャレンジを目論んだのだろうかと感じました。なので下巻の、いったん振られたはず

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    2018年10月01日
  • 高慢と偏見(上)

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    お も し ろ い。

    「100分de名著」で取り上げられていたため読みました。もともと数年前の映画や、かの「高慢と偏見とゾンビ」などからタイトル・あらすじなどは知っていたものの、まあ、面白いんだろうなーとは思っていたものの、私の「単なるロマンス小説」には手がなかなか伸びない悪癖が邪魔をしていてこんな時期に。

    さて上巻。100分de名著の紹介と比較すると、ダーシーの嫌さ加減が、本っ当に嫌でした!(笑)
    そしてマッハで恋に落ちていくさまにめちゃくちゃウケた。昔のツンデレ男はジェットコースター的にデレていくのが流行かなんかだったんでしょうか(ジェイン・エアの旦那様とか)。

    ツンデレと言いました

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    2018年10月01日
  • エマ(下)

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    ネタバレ

    ジェイン・オースティンの作品の素晴らしい点は色々あるけれども、一つにはその卓越した表現だと思う。クドいわけではない必要最低限の言葉で、読者が容易に個々のキャラクターを頭の中で想像することができる。しかもこれほど似ている主題で書いておきながら、他作品とは全く別人として書き分けされているのだから凄い。
    ついに私はよく議論される「高慢と偏見」と今作のどちらが好きかについて意見を言える。エマには正直、過度の期待はしていなかったのだが私は確実に「エマ」の方が好きだ。ダーシー氏もナイトリー氏も理想的な紳士ではあるが、「エマ」は読んでいて腹が立たないし、表現や登場人物などが円熟しているのは素人の私にも分かる

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    2018年04月24日