ジェイン・オースティンのレビュー一覧
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ネタバレこの時代の人々の結婚に対する価値観に慣れるのが最初は大変でした。
人付き合いのネタも、褒め合い、噂、たてまえ、自慢話ばかりなので、上流の付き合いは楽しさより気疲れの方が印象に残りました。
現代に通ずるところがないわけではないですが、なかなかヘビーです。
こういうところに慣れると、キャラクターの個性や心理描写の細かさにどんどん引き込まれました。
主人公エリザベスの観察眼はなかなかのものですが、それでも噂に振り回されるところは結局現代人も同じだなと思いましたし、どこかしらに属して生きている以上先入観ゼロというのも難しいことなのかなと考えたりしました。
長女ジェインの方にはあまり共感できず、ここまでお人好しだと今の時代でも浮いてしまいそうだと思いました。
大筋は恋愛小説ですが、とても考えさせられる作品でした。 -
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ネタバレ下巻に入るとぐっと萌えどころが増える!
とりわけペムバリーでダーシーとエリザベスがばったり出会してお互い赤面するシーンはきゅんきゅんしちゃった。楽しい〜。ラブロマンス楽しい〜。
ダーシーがあまりにも身を粉にしてベネット家つまりエリザベスのために親切なものだから、そんなに尽くして大丈夫!?とかえってハラハラしちゃった。
身分差のある結婚についての是非というより、こんな狂人めいた家族と身内になるのは古今東西問わずイヤよね…と思っちゃったり。それでもぐっとこらえてエリザベスを選んでくれてありがとうの気持ち。
ずっと名前は知ってる名作だったけど、私にとって読むタイミングも良かったかも。
高慢くんと偏見ちゃんってタイトルで漫画化しても楽しめそう。 -
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☆4.5
面白すぎました。
これがエスプリの効いた会話ってやつか!と読んでて感じた。
出てくる人出てくる人みんな個性が輝いてる。
賢い人、愚かな人、狡い人、優しい人。
すんごいイラッとしちゃう人も。
愚かな人(主にベネット夫人とか)にすごいイライラしちゃうんだけど、これきっとこういう部分が自分に多分にあるからなんでしょう。
たまに共感性羞恥みたいなものにおそわれる。
ただ、愚かさ振り切れてるともう笑っちゃう。
全編通してスルスルと話が進むので、手の止め時がなくて読み続けてしまう読みやすさと、心地よく気持ちを乗せていく展開で、いつの間にかエリザベスと一緒に心が大騒ぎしていた。
ダーシーさんたらあんなにいけ好かないヤツと思ってたのに。
とても素晴らしい恋愛物語でした。
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結論から言って、むちゃくちゃ面白い内容でした。
当時のイギリスの階級制度など、基礎的な知識はあった方が楽しめますが、なるほど人間関係のいざこざは100年以上経っても変わらないものなのだな、と改めて思いました。
『傲慢と善良』から、内容が気になっていたので読んでみましたが、前半は、自分には合わなかったのか、正直なぜ名作と言われるのかわからないほど退屈でした。
まず登場人物が多いのと、人間関係がなかなか複雑で、行きつ戻りつ読みました。
しかし、後半部、いや、前半部の最後の手紙から物語は一気に面白い展開に。
内容を話すとネタバレになりますが、偏見というものはなかなか消えないもので、それは自分に自信があればあるほど、間違いに気づかなくなります。
ただの恋愛小説ではない、人間模様の複雑さや、自分が他人を見る目は、曇っていないだろうかという戒めは、ミルフィーユのように、一冊の中で重厚感を持って読者の口へと運ばれていくように感じられました。 -
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ネタバレタイトルだけはずっと知ってていつか読み終わりたいと思ってた作品。なかなか頭に入らず、かくなる上はとBBCのドラマを先に観ました。風景も衣装も、本当に素晴らしいドラマだった。
ドラマのキャストを思い浮かべながら読んだからすごくしっくりきた(逆だったら文句たらたらだったのかも? 原作にしかないシーンもあるし)。
好きなシーンは〝ダーシーと偶然外で出会わないようにするため、わざわざリジーが自分のお気に入りの場所を伝えたのに、なぜかダーシーはその場所へやってくる〟ところと、ダーシーが振られて「もうけっこうです、あなたの気持ちはよくわかりました」のところ。
恋愛してるなあと思った。 -
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きゃー♡今回は萌えちゃいましたよ。
だって、あんなに高慢ちきで無愛想で世界一嫌な奴だったダーシーさんが、心優しくて、礼儀正しくて、愛想が良くて、愛情深くて、思慮深い紳士だったんですもの。ギャップ萌え♡(*^^*)。
このまま、エリザベスはダーシーさんの愛を受け入れるべきか…といいところで、世界一バカな妹リディアがどうしようもない“借金男”ウイッカムというダーシーの宿敵と駆け落ちをやらかしてくれる。“バカ”リディアとウイッカムの行方を父親と叔父が探し回り、何故かお金の問題も解決し、結婚という形で丸く収まったが、「妹がこんなことになった恥ずかしい家の私をダーシーさんがまだ愛してくれているはずがない」とエリザベスは思っている。でもね、読者はちゃんと分かっているんですよ。だってこれ少女漫画と同じですもん。分かってるのに読みたいんですよね。
愛のためならどんなことでもする、高貴でシャイな男、ダーシー。ドラマになっても毎回心待ちにして見そう。でも、もう、先に読んじゃったから、リアルな役者はパスだね。
面倒くさがりだけれどやることはやる、実は出来る男のベネット氏にダーシー氏が、「娘さんを下さい」の話をしに行くシーンもドキドキしましたね。あ、それから、まだ二人の婚約を家族が誰も知らないときに、ダーシーの親友でジェーンの婚約者ビングリーさんが「おめでとう」の思いを込めてエリザベスと固く握手してくれた時も何かいいなあと思っちゃいました。
心底いらつくベネット家の母親はいつも大騒ぎして、知らず知らず娘の結婚を邪魔してしまっていたのに、気づけば娘が三人もいっぺんに結婚して世界一幸せになりましたね。でも現実はそんなわけないから、私も気をつけなくちゃ。
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1775年〜1817年に生きた女性作家ジェーン・オースティンの小説。古い時代の小説だから文章が硬いのかと思っていたら、冒頭「金持ちの独身男性はみんな花嫁募集中にちがいない。これは世間一般に認められた真理である。」ハハッ、なんか女性週刊誌みたいなノリだね。
「近所に金持ちの独身男性が引っ越してきた」とすぐに張りきり、「五人娘の誰かを嫁に」と目論んで「あなた、ご挨拶に行かなきゃ」と夫をせかし、「ディナーに招待しなきゃ」「舞踏会に招待されるかも」とそれだけが生きがいのベネット夫人。
ベネット家の長女ジェインは美しく、実際に例の“金持ちのイケメン独身男性隣人”ビングリー氏を夢中にさせ、「二人の結婚は近い」と囁かれるが、身分違いの結婚はありえないと考えるビングリー氏の姉、妹や親友から有難迷惑な邪魔が入る。
舞踏会やディナーで臆面もなく娘の自慢話ばかりするベネット夫人。器量が悪い分、音楽でいい所を見せようと下手なのに歌の披露を止めない三女メアリー。素敵な軍人との出会いばかり考えている四女と五女。美しく心のきれいな姉の幸せを心から祈り、馬鹿な母と妹達の行動を恥ずかしがっている、人間観察力豊かな次女エリザベスがこの小説の主役。エリザベスの目を通した、周りの人間たちの馬鹿で下心ありありの行動が面白い。いつの時代も一緒だ。
女たちは財産のある男との結婚のことばかり考えていて、ここに出てくる男性は仕事らしい仕事は何もしていなくて(財産で暮らしていて)、「貧乏な男はお金持ちの女性と結婚しなければ」というのが一般常識で、何故か「貧乏だから頑張って働こう」という意識は全然なくて、退屈ばかりして、トランプばかりしていて、今に生きる私から見て魅力的な男性はいない。
が、五人姉妹の父、ベネット氏の言葉はいつもウィットに富んでいて面白い。例えば、全く空気の読めない馬鹿だけど、財産のあるコリンズがエリザベスにプロポーズしたのを母親が両手を挙げて喜んだが、エリザベスが断ったことを怒り、
「このプロポーズを断ったら私はあなたの顔を二度と見ません。」
と言ったことに対し
「エリザベス、困ったね。お前は両親のどちらかと縁を切らなくてはならないぞ。この縁談を断わったら、お母さんはお前の顔を二度と見ないと言ってるが、お父さんはお前があんな男と結婚したら二度とお前の顔を見たくない。」。
どうやら、ジェインとビングリー氏の結婚が駄目になったようだと分かったとき
「どうやらジェインは失恋したようだね。おめでとうと言ってあげよう。若い娘の好きなものは恋愛だが、二番めに好きなのは、時々ちょっとした失恋をすることだ。失恋はなかなかロマンチックだし、女の勲章みたいなものだ。」。
馬鹿だけど、その社会で生き延びようと強かに生きる女たちが嫌いにはなれない。愛はないけれど、オールドミスにはならず、まあまあの暮らしを得るためにコリンズと喜んで結婚したシャーロットのことも私は憎めない。ジェンダー平等という言葉も今の世にはあるが、いつの世にも男性には男性の悩みが女性には女性の悩みがあり、そんな中で、器量とか能力とか財産とか自分の強みは強みで、ちゃんと使って、弱みは弱みで上手いこと補って生きていこうと強かに考えて生きる人間の姿はある意味愛らしいな。この時代に女性にしか書けないものを書いたジェーン・オースティン氏も魅力的。
最後にグッと惹かれたのはダーシー氏。大金持ちで無愛想で高慢ちきでエリザベスはすごく嫌っていたけれど、その彼女にまさかの告白。「自分より随分身分が下の女性だから悩んだけれど、それでもどうしてもこの気持ちは抑えられない」と正直すぎて失礼の上塗りで、エリザベスを益々怒らせる告白だけど、それでも一生懸命また、正直過ぎる手紙を必死で渡す。冷たい印象の彼がこんなことするのが、読者には魅力的。それにダーシーって私に似てると思うのさ。金持ちじゃないし、性も違うけど。
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購入済み
こんな人いるいる!
なろうや悪役令嬢ものが好きで、あらかた読んでしまったので古典に手を出しました。
悪役がいい味出してます。
役割による人物像のデフォルメがないため、ヒーローもヒロインも悪役も人物に面白みがあります。こういう人いるいる、って感じの。
200年前のナポレオンが生きていた頃の時代にもこんな人いたんだなぁとしみじみ思いました。嫌な人は万国共通!
読みにくい点として、名前がややこしいです。
主人公エリザベスは家族からリジー、友人からイライザ、ミス+苗字など呼ばれます。他の登場人物も名前やミス+苗字で呼ばれてて誰が誰やら…
ミスター・苗字で書かれてた人がいきなり名前で呼ばれた時には新しい登場人物かと思ったり。
ハリーポッターを初めて読んだときみたいに、人物メモとりながら読むとわかりやすいかも。
なろうの人たちも読めばいいのにと誰かが言ってましたが納得。
なろうのようなストーリー展開ですが、登場人物がおもしろいです。 -
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劇的な上巻のラストから、変化していくエリザベスの気持ち。そこへ末妹が起こす騒動で一家が大きく揺らいでいくが……。
この翻訳では上下巻に分かれているため余計に意識できたのだが、上巻のラスト、つまり全体のど真ん中にダーシーの手紙があり、そこからリディアの騒動、レディ・キャサリンの件と、起伏のある展開で、構成の上手さに感嘆した。たたみかけるようにエンディングに向かっていくスピード感も素晴らしい。
先に1940年版の映画だけ見たことがあるのだが、各人物の印象もあまり変わらず、ストーリーもほぼ記憶通りで、良くできていた映画だったんじゃないかと後から思う。ただ、レディ・キャサリンの顛末はちょっと違っていたような……?(うろ覚え)いずれにせよ映画観て原作も読んだんだからこれで十分かと思いきや、まだまだ他の翻訳や映像作品にも触れたいと思わせるのは、さすがの名作である。
人間関係をつかむ上で、登場人物の階級が重要な要素である本作。複雑ではないが、身分差における距離感は現代日本の我々にはやや実感しづらいかも。 -
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1813年刊行。古きイギリスの片田舎を舞台とする地主階級の恋愛小説。200年愛され映像作品や翻訳も多数。
オースティンが20歳そこそこで草稿を書いた(実際の出版は37歳時)という本作、なんというか、上質な少女マンガの雰囲気を感じさせる。ダーシーの「高慢」とエリザベスの「偏見」が最初は衝突するが後に……なんて典型的すぎるように思えるのだが、これは現代のラブコメに到る原型のひとつなのかと。しかし文章や構成が見事な上、要所要所で劇的なシーンが入るのも巧みで、読み始めたら止まらない勢いがあるのはすごい。源流などと言っていられない完成度であることが、今もって愛される理由なのだろう。
片田舎が舞台で、18世紀末~19世紀初頭の小説にありがちな社会や政治に関する描写がほとんどなく、ひたすら狭い世間の人間関係の話に尽きているため読みやすい。本作の主要人物は働かないで生きていける上層中産階級の人たちで、それだけ恋愛の駆け引きに集中できることも大きい。
翻訳が多数あるがどれがいいかはわからない。光文社古典新訳文庫の小尾芙佐はSFの翻訳でよく名前を見かける。繰り返し読むに耐える小説なので、比較読みも楽しいかも。 -
Posted by ブクログ
なろう小説の悪役よりも香ばしい悪役がより人間味を持って出ているので、作者は素晴らしい人間観察の眼とそれを書き起こす技術を持っていたのだろう。おおよそ百年前なのに。
現代社会の世相を反映してか、最近見る悪役はいわゆる悪役ではなく、こちらの常識に当てはまらないキャラが多いと感じる。思わず「は?」と言ってしまうようなキャラだ。
本作もその手のキャラクターを大盤振る舞いしているが、全員筋が通っている(人間性の筋ではなく、実存性の筋というか)。リアリティがすごい。実際にいたんでしょうか。
悪役を書くことは鮮明に作者の力量を表現することだとこの小説を読んでいて強く思う。
主人公に感情移入できるところ、恋愛事情のもつれ方とその顛末といった場面は当然に面白い。
しかしこの小説が今まで残っている理由は、「人間を克明に表現できている」からだと思う。
何が言いたいかというと、全てのなろう小説家がこの小説を読んだら、なろう小説はもっと面白くなるんじゃないかということである。