【感想・ネタバレ】自負と偏見のレビュー

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Posted by ブクログ 2020年07月03日

250年前でも恋の始まりは同じ「フッ面白い女」
エリザベスもミスター・ダーシーも己の「高慢と偏見」をお互いによって乗り越えて愛を結んだのが美しくて誠実で素晴らしい。どなたかの言葉でオースティンの小説は絵のない漫画のよう、というものがあったけどまさにその通りで、言葉によって作られる世界の鮮やかさと変わ...続きを読むらぬ人間の愚かさと温かさを教えてくれる素晴らしい作品だった。当たり前だけれど映画で見るよりもそれぞれのキャラクター性が色濃く、しかしさらに愛らしく描かれていて、映画やドラマを見返したくなった。
好きだな、と思ったフレーズをチェックしたので後でここに書き連ねたいと思う。
私は素晴らしい夫を持つことは無理かもしれないけれど、人生の伴侶として尊敬できる親友を持てていることに幸福を覚えた。どんな現実も夢物語には勝てないと思っているが、この物語の登場人物たちは実に現実味があって、まるで私がエリザベス友達かのように思えてしまう素晴らしさがある。
再読したい。

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Posted by ブクログ 2020年06月21日

200年前の作品とは思えないほど、作中人物が躍動している。思わず身近な人物を投影してしまうというのは、まさにこの小説がいまだに命を失っていないという何よりの証拠だろう。古典的ということは普遍的ということだ。
なまじ安易なヒューマニズムを振りかざす”社会派”なものを読むよりもこちらの方が、世の中のティ...続きを読むーンズたちにとっても得るものが多いのではないかと思う。
全青少年必読の書である。

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Posted by ブクログ 2023年08月06日

新訳のおかげかとても読みやすい。古典にありがちな難解さやひとりよがりな文学趣味に走ったところがなく、ていねいな感情描写とエリザベスの賢い語りで、物語に引き込まれる。

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Posted by ブクログ 2023年03月16日

それぞれのキャラクターがいきいきとしている。愛のために自分を変えていく登場人物に感動を覚えた。ぜひ読んでほしい作品。

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Posted by ブクログ 2023年03月11日

映画「プライドと偏見」がとても良かったので、原作を読んでみたくて
これが200年前の作品とは!
とにかく、人物描写がすばらしい
魅力的な人、残念な人、鋭い観察眼と絶妙な表現で
今の感覚で読んでみてもまったく古さを感じない
時代背景はまったく違うのに、登場人物の言動に共感したり、とても身近に感じたり
...続きを読む訳者があとで書いているように、200年くらいでは変わらないのだろうか
だからこそ読み継がれているのだろうな
昔夢中で読んだ外国が舞台の少女漫画のような作品
何といってもエリザベスがカッコいい!
オースティンの他の作品も読んでみたくなった

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年11月19日

この時代の人々の結婚に対する価値観に慣れるのが最初は大変でした。
人付き合いのネタも、褒め合い、噂、たてまえ、自慢話ばかりなので、上流の付き合いは楽しさより気疲れの方が印象に残りました。
現代に通ずるところがないわけではないですが、なかなかヘビーです。
こういうところに慣れると、キャラクターの個性や...続きを読む心理描写の細かさにどんどん引き込まれました。
主人公エリザベスの観察眼はなかなかのものですが、それでも噂に振り回されるところは結局現代人も同じだなと思いましたし、どこかしらに属して生きている以上先入観ゼロというのも難しいことなのかなと考えたりしました。
長女ジェインの方にはあまり共感できず、ここまでお人好しだと今の時代でも浮いてしまいそうだと思いました。
大筋は恋愛小説ですが、とても考えさせられる作品でした。

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購入済み

こんな人いるいる!

2022年08月23日

なろうや悪役令嬢ものが好きで、あらかた読んでしまったので古典に手を出しました。

悪役がいい味出してます。
役割による人物像のデフォルメがないため、ヒーローもヒロインも悪役も人物に面白みがあります。こういう人いるいる、って感じの。
200年前のナポレオンが生きていた頃の時代にもこんな人いたんだなぁと...続きを読むしみじみ思いました。嫌な人は万国共通!

読みにくい点として、名前がややこしいです。
主人公エリザベスは家族からリジー、友人からイライザ、ミス+苗字など呼ばれます。他の登場人物も名前やミス+苗字で呼ばれてて誰が誰やら…
ミスター・苗字で書かれてた人がいきなり名前で呼ばれた時には新しい登場人物かと思ったり。
ハリーポッターを初めて読んだときみたいに、人物メモとりながら読むとわかりやすいかも。

なろうの人たちも読めばいいのにと誰かが言ってましたが納得。
なろうのようなストーリー展開ですが、登場人物がおもしろいです。

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Posted by ブクログ 2022年05月24日

なろう小説の悪役よりも香ばしい悪役がより人間味を持って出ているので、作者は素晴らしい人間観察の眼とそれを書き起こす技術を持っていたのだろう。おおよそ百年前なのに。

現代社会の世相を反映してか、最近見る悪役はいわゆる悪役ではなく、こちらの常識に当てはまらないキャラが多いと感じる。思わず「は?」と言っ...続きを読むてしまうようなキャラだ。
本作もその手のキャラクターを大盤振る舞いしているが、全員筋が通っている(人間性の筋ではなく、実存性の筋というか)。リアリティがすごい。実際にいたんでしょうか。

悪役を書くことは鮮明に作者の力量を表現することだとこの小説を読んでいて強く思う。
主人公に感情移入できるところ、恋愛事情のもつれ方とその顛末といった場面は当然に面白い。
しかしこの小説が今まで残っている理由は、「人間を克明に表現できている」からだと思う。

何が言いたいかというと、全てのなろう小説家がこの小説を読んだら、なろう小説はもっと面白くなるんじゃないかということである。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年12月06日

『自負と偏見』ジェーン・オースティン著

[本について]
ラブストーリーの原点とも言うべきジェーン・オースティンの代表作。幸福な結婚に必要なのは恋心か打算かという普遍の真理を軽妙な物語に織り交ぜた永遠の名作。

[あらすじ]
5人姉妹の次女エリザベスを主人公に、性格も考え方も異なる登場人物らの恋愛、...続きを読む結婚に対する思いが交差する。
イギリスの静かな田舎町の貸屋敷に資産家ビングリーが引っ越してきた。長女ジェインとビングリーが惹かれ合う一方、エリザベスはビングリーの友人ダーシーの高慢さに反感を抱く。しかし気難しいダーシーは我知らず、エリザベスに惹かれていくのだが…。
恋の邪魔者である“プライド”と“偏見”。素直になれない男女のロマンスの行方は…?

[感想]
世界的名作という括りから今まで食指が動かなかったのだが国際の授業をきっかけに読むことに。ど真ん中を行くラブストーリーでありながら、登場人物の言動からその性格を感じさせるオースティンの自然な文体に惹き付けられる。一見なんでもない言動が後の伏線になっている事が多々あり読者を飽きさせない。文章の性質上、実学主義な人には向かないかもしれないが、人間観察が好きな人には是非とも読んでいただきたい作品。
逸る気持ちに任せて勢いで読むのもいいが、言葉にされない感情や小さな言動の変化に気づいてニヤニヤしてしまう私のような人には精読もオススメ。

ちなみに『プライドと偏見』という邦題で映画化もされておりこちらはアカデミー賞4部門ノミネート。美しい映像から当時の階級差を想像しやすいのに加え、なにより超絶美人なキーラ・ナイトレイ主演(2005年版)なのでこちらもぜひ!

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Posted by ブクログ 2021年06月11日

堅苦しいタイトルとは裏腹に、たくさんの人の思いが交錯する恋愛小説でした。愛情や友情などのきれいな感情が感動的に書かれているだけではなくて、嫉妬や堕落といった黒いものもコミカルに盛り込まれていて、恋愛小説と一言で片付けるにはとてももったいないような、そんな感じでした。

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Posted by ブクログ 2021年05月03日

多くある翻訳版の中から一番読みやすいとのことで選んだこちら。

セリフが非常に多く台本を読んでいるような気分になり、最初の数10ページでやめようと思ったが、それ以降はみるみるとハマり一気に読み終えた。

典型的な少女マンガ的な展開で、きゅんきゅんしながら読めました。

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Posted by ブクログ 2020年08月31日

 終始、面白可笑しい皮肉調で描かれているから、クスクス笑いながら読んでしまう。何か衝撃的な出来事があるわけではないけど、全場面が楽しくて、非常に好きな作品になった。つまらない場面が全くなかった。

 登場人物の生き方はみんな違っていて、それぞれの生き方は悲しかったり、惨めだったり、皮肉に思えたりする...続きを読む。人間の性質や流涎している思想の具現化にも思えた。

 どの登場人物についても、客観的な納得のいく描写によって、その人間性が鮮やかに描きだされている。仔細な人間描写により、読者は登場人物を身近に感じることができる。物語の世界に引き込まれる。エリザベスがダーシーの人間性を誤認し、嫌悪してしまういきさつ、手紙でのダーシーの弁明、エリザベスの誤解解消への心の動きが、十分すぎる程の説得力を持っていて、読者に自然に感じられるのは、オースティンの描写能力があってこそだなと感じた。

 自分も、エリザベスのように人間を批判的に見てしまうところがあるから、非常に共感する点が多かった。共感するからこそ、身につまされる点も多かった。高慢な態度で偏見を抱き、それが正しいと思い込まないように…。

 エリザベスは、洞察力が高くて、深く物事を考えるタイプで、社交的で、柔軟性があって、機知に富んでいて、芯があって…何もががカッコいい。地位や階級を重んじる社会を理解して納得してはいるけれど、それよりも人間の尊厳や慈愛を大切にしていて、その信念を貫いているところがすごく好き。こういう人間でありたいなぁと思った。

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Posted by ブクログ 2020年06月07日

タイトルから古典的名作であるということだけは知っていたが、ここまで正統派な恋愛小説であるとは思いもしなかった。

エリザベスがダーシーに対する気持ちを変化させていく描写や、リディアの駆け落ちをきっかけに彼への愛を自覚する場面では不覚にもときめいてしまった。最終的に二人はどうなるのかが知りたくてたまら...続きを読むなくなり、作者の掌でいいように転がされるというこれ以上ない読書体験ができた。

また何度も言われているとは思うが、作中にたくさん登場する変わった人たちの描写が巧みだと思った。個人的にはコリンズがエリザベスに求婚し、断られたのに「若いお嬢さんは心の中では受け入れるつもりでも最初は断るもので、実は私の求婚を後押ししているのかもしれませんね」と自分に都合よく解釈するシーンの「この人会話が通じないな」感に爆笑した。

本筋のエリザベスとダーシーの恋愛模様だけでなく、経済的な理由から打算的な結婚をしたシャーロットの行動の是非や、自分では中立な判断をしているつもりだったのに、ダーシーについて偏見を持っていたことをエリザベスが自覚して後悔する場面などに時代が変わっても通用する普遍性を感じた。翻訳の違いで受ける印象も変わると思うので、読み比べてみたくなった。

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Posted by ブクログ 2020年02月16日

おもしろかった!!

昔に書かれた本なのに、友達の話を聞いているみたいだった。(いい意味です)この世界の片隅に の すずさんを、友達と感じるようになるのと同じで。

久しぶりに夢中になって読みました。

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Posted by ブクログ 2019年12月04日

キーラ・ナイトレイ主演のこの映画を見なきゃと随分前に録画していて、その前に原作を読もうと購入。そうだ、恋愛ってこういう事だよなぁ。階級がはっきりしていた時代の話だけれど、普遍性を感じた。ダーシーのはじめの告白、断られたあとエリザベスに書き渡した手紙、そこからのエリザベスの思いの変化...何度も読み返...続きを読むしてます。他の翻訳も読もうかしら。随分前に読んだ「ブリジットジョーンズの日記」も思い出した。

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Posted by ブクログ 2019年10月22日

イギリス文学が好きだった若い頃を、先日訪れたイギリスで思い出し、エマ、自負と偏見を立て続けに読み返しました。
200年前に書かれたとは思えない普遍の人間模様。
次女のエリザベスの自由奔放でありながら、美しく聡明な姿とイギリスの田園風景。
脇を固める少し(どころではなく)イラッとくるような登場人物たち...続きを読む
ミスターダーシーとの結末をハラハラしながら一気に読めます。

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Posted by ブクログ 2019年10月19日

お恥ずかしい限りなのだが、自分はこの「高慢と偏見」(当本では「自負と偏見」)という題名のせいで、過去30年の間とんでもなく間違った認識を持ち続けていた!

実は旧訳でも、英文でも最初の1ページだけ読んでいたのだが、どれだけ多くの難解な哲学的抽象論を越えて行かなければならないのか?と思わせる書き出しで...続きを読むあり、それより先に読み進める事が出来なかった。

今回は新潮社からの新訳が出たとの事で、思い切っての再々々々度のチャレンジなのだが、当訳の何と素晴らしい事!

英語訳とは思えない程、日本語に流れがあり、これ程スラスラと読みこなせる訳本は過去にも無いと思う。エリザベスやダーシーの気性や、コリンズの狡猾さなど、それぞれの登場人物の特徴が文章からはっきりと伝わってくる。

この歳になって読むジャンルの本ではないのだろうが、これをきっかけにジェーン・オースティンの本を読んでゆきたいと思っているし、来月のロンドン出張時には、古本屋で(オースティンの本は結構沢山並んでた)革装丁本を買って来てコレクションとしてゆきたいと思う。


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Posted by ブクログ 2019年08月10日

「高慢と偏見」
気になっていて、ずっと気になっていた作品であったが、他出版社から出ている訳版に挫折。

あるサイトで、初心者向けの訳を探してこちらを購入。


とても読みやすく、ダーシーとエリザベスを始めとする各登場人物の感情、変わっていく様がとてもよかった。

もちろん主人公のダーシーが高慢だと気...続きを読むづく1件、エリザベスが偏見で物が見えていなかったて気づく1件はなおよし。

その後いい感じになるのかと思いきや、家族に振り回されてエリザベスが絶望を感じたりする姿等もももどかしく、読み始めると途中で止めるのが難しい程。


とても清々しく、美しい物語で大好きになりました。
他訳版を含め、何度も読み返したい1冊。

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Posted by ブクログ 2020年11月21日

面白かった。タイトルが取っ付きにくいせいで昔のお堅い小説に見えるが、中身は現代の恋愛にも通じる恋愛小説。コバルト文庫のような少女小説が好きだった人にもオススメ。お互いに探り探りの距離感からの後半~ラストは、エリザベス父の「恋に燃える連中は…埒もあかないことを言うだろう」も含めて凄くいい。ときめくし、...続きを読むダーシーがそこまで惚れたのかと思うとちょっと笑える。

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Posted by ブクログ 2018年04月27日

外国文学は苦手意識があったけれどこれはとても読みやすかったです。
登場人物の個性がしっかり書き表されていて楽しいし、ストーリーも後半になるにつれぐいぐい惹きこまれ先が気になって仕方がなかったです。
だから長いけど途中でだれることなく読めたし読み切って良かったと思いました。
本って、人によって好きにな...続きを読むるジャンルはさまざまだし、評価のポイントもバラバラだけど、この物語はぜひどんな人にも読んでほしいなと思えるものでした。
そして私にとって、どういう本を読むべきかということについての新たな判断基準を与えてくれました。

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Posted by ブクログ 2024年02月13日

めちゃくちゃ良い
やな奴!から始まる恋愛ってなんでこんな素敵なんだ。ダーシーに対する偏見が解かれていく描写が見事。堅物だった男が素直に愛を伝える仕草にどきどきした。エリザベスは知的でチャーミングで可愛い
当時のイギリスの背景も知れて面白い。いつになっても結婚って大変そうだ

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年10月02日

19世紀初頭の貴族の恋愛小説。これは古典たけれど、内容はライト・ノベルではないかと思った。
田舎の貧乏貴族で容姿は普通、鋭い観察眼を持つエリザベスが、都会のツンデレ貴族・実はいい奴のダーシーと結婚するまでのストーリーだが、登場人物が軒並み個性的で面白い。
面倒くさがりの父、娘の結婚が全ての俗物の母、...続きを読むお人好しで美人の姉ジェーン。オタクの三女メアリ。ギャルの末妹リディア。生活のために結婚する友人シャーロット。容姿性格は良いが世間知らずのボンボンのMr.ビングリー。弁舌さわやかな色男のウィカム氏。人見知りでブラコンのダーシーの妹ジョージアナ。などなど。
スピード感がゆったりしているのが時々気になるけれど、江戸時代に作られた小説と思えば大した作品です。誰かコミカライズすればよいのに!
一般的には「高慢と偏見」と呼ばれている小説だけれど、PRIDEをどう訳すかが難しいところ。エリザベスのダーシーへの第一印象というところからすると高慢というのは適当だが、分かりにくい気がする。

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Posted by ブクログ 2021年07月15日

切ない気持ちにさせられたり、すれ違いに目が離せなくなり一気に読みました。ハッピーエンドで良かったです。

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Posted by ブクログ 2021年03月16日

二百年前!?の作品!?と思えるくらいすごい。
しかし、二百年経っても人間の強欲って変わってないねんなぁ。。
お金目当てで結婚したい人ってずっとおんねんなぁ。
そんな中、心から尊敬できる人じゃないと結婚出来ひんって芯がある人がやっぱりかっこいい。
私も、そうでありたい。
そして、ダーシーのような人に出...続きを読む会いたい。

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Posted by ブクログ 2019年03月15日

前に読んだ岩波文庫版はうろ覚えなのだけれど、こっちの方が読みやすいかな。
ダーシーとエリザベスのすれ違いぶりは映画でもドラマ版でも原作でもどんな媒体でもときめく!ダーシーほんとツンデレよね。そして一途だ。
それにしても周囲の人間が強烈だ…。わたしはミスターコリンズがほんとつまらなくてムリ……この人が...続きを読む喋るだけで眠気がくるわ……。でもシャーロットの選択はそんなに責められたものではなくない?そりゃ大好きな親友が嫌な男とくっつくってなったらそうなるのかもしれないけれどさ〜〜〜!

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Posted by ブクログ 2017年08月12日

 本当に面白い小説でした。今から二百年以上前の一八一三年に英国で出版された作品ですが、「文学」だとか「古典」だとか堅苦しいことを抜きにして、純粋に娯楽小説(ラブコメ)として楽しむことができました。

 この小説はいまだにとても新鮮です。小説が書かれた頃と今とで文化や習慣は全く変わっているけれど人間の...続きを読む根本的な部分は変わっていない、その変わらない部分を上手く描き出しているからこそこの小説は古くならないのだと思います。

 人物の描き方が秀逸です。知恵者でありながら面倒くさがり屋で皮肉屋のミスター・ベネット、了見が狭く単純で愚かなミセス・ベネット、うぬぼれ屋で間抜けで打算的なミスター・コリンズ、性悪のウィッカム、尊大で気難しく見えながら実は誠実なミスター・ダーシー、いかにも育ちのいいミスター・ビングリー、思いやりがあって人を疑うことを知らず天使のようなジェイン、そして常に物事を深く考え正しい道を進もうとするエリザベス ── 彼らが繰り広げる人間模様は本当に面白く、自分の周りにも似た人がいるなあと苦笑いをさせられます。

 小山太一氏の翻訳は素晴らしいです。ジェイン・オースティンの文章って、実はかなり難しいのです。それをこんなにも親切な日本語にして頂いたことに感謝します。作者の意を酌んだ自然な日本語によって物語がすいすいと頭の中に入ってきました。小山氏は物語の社会的な背景を知り尽くしておられ、しかも要所ごとに注釈をつけることでその背景が自然と読者に伝わるよう工夫されていました。

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Posted by ブクログ 2016年10月16日

小山氏の新訳のおかげで、すらりすらりと読めた。が、ほとんどは女性たちの井戸端会議の会話で構成されていて退屈。延々と続く噂話の繰り返し。
当時のイギリスでの結婚は壮大な「ファミリービジネス」、女性はその駒にすぎない。
結婚=お金と思えない、未来を描かなかった自分を浅はかと思いつつも、なんと自由に生きた...続きを読むのかとため息が出た。

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Posted by ブクログ 2023年04月22日

はじめは、舞踏会したり出会ったりお姉さんが風邪引いたりなんやかんや普通の日常で、ミスとかミスターとか名前がややこしいしダルいなーと思っていた。けれど、中盤から引き込まれ、怒涛の勢いで読み終えることができた。
ミスターダーシー、かっこよかった。知人に似ている、と思った。こんな普遍性ある物語が200年前...続きを読むに書かれていた事にも感激。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年03月05日

イギリス中産階級の制度や暮らしぶりが興味深い。他人を食事に招待しすぎで、やたら、よその家に長期滞在するし、みんな言いたい放題のやりたい放題。
階級や財力が結婚の条件に必要な為、お相手選びが露骨過ぎて、引いた。ハッピーエンドではあるが、義理の家族が強烈なのでこの先、上手くいくのだろうか。エリザベスには...続きを読む、傲慢さを控えてもう少し謙虚になって欲しいと思ってしまった。

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Posted by ブクログ 2021年12月27日

書店で「傲慢と偏見」で探してて見つからないというのを二回くらいやって購入、滑稽な人が次々と出てくるため「吾輩は猫である」を読んでる時の様な感覚に…下手な展開ですが、二人の感情が爆発してからは楽しめました。
名前を追うのに少し苦労した。

この人痛い目に合わないかな〜って人が結構いて、現実にもいるので...続きを読む笑えない感じでした。前半がなかなかつらかったけど、そういう人間観察、描写がこの作者の持ち味なのかな

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年02月06日

200年も前の本にこんなに楽しませてもらえるのかと驚き。吹き出してしまうところもあったし。序盤,正直だるいなぁと思ったけど我慢して読んで正解だった。
オースティンは何を書きたかったのかなと思う。ミセス・ベネットやレイディ・キャサリンやミスター・コリンズのような人ばかりだけど強く賢明に生きよということ...続きを読むかな。そんな単純じゃない気もする。でも限嗣相続なんてものがある中だったら,ミセス・コリンズみたいな選択をしてしまうのも仕方ないように思う。今みたいに生きられるようになっていることをオースティンに教えてあげたい。
しかし登場人物の名前が頭に入ってこなくて困った。原作にはなくても人物紹介をつけてほしい,外国の馴染みがない名前(しかも今回はあだ名までついてる)を頭に入れるのは大変なんだから,といつもながら思う。
あとがきと解説2本ともおもしろくて読後感が深まった。
キーラ・ナイトレイはナイスキャストだなと思う。先に原作を読んでいたらそう思わなかったかもしれないけど。

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