あらすじ
イギリスの静かな田舎町ロングボーンの貸屋敷に、資産家ビングリーが引っ越してきた。ベネット家の長女ジェインとビングリーが惹かれ合う一方、次女エリザベスはビングリーの友人ダーシーの気位の高さに反感を抱く。気難しいダーシーは我知らず、エリザベスに惹かれつつあったのだが……。幸福な結婚に必要なのは、恋心か打算か。軽妙な物語(ストーリー)に普遍の真理を織り交ぜた、永遠の名作。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
250年前でも恋の始まりは同じ「フッ面白い女」
エリザベスもミスター・ダーシーも己の「高慢と偏見」をお互いによって乗り越えて愛を結んだのが美しくて誠実で素晴らしい。どなたかの言葉でオースティンの小説は絵のない漫画のよう、というものがあったけどまさにその通りで、言葉によって作られる世界の鮮やかさと変わらぬ人間の愚かさと温かさを教えてくれる素晴らしい作品だった。当たり前だけれど映画で見るよりもそれぞれのキャラクター性が色濃く、しかしさらに愛らしく描かれていて、映画やドラマを見返したくなった。
好きだな、と思ったフレーズをチェックしたので後でここに書き連ねたいと思う。
私は素晴らしい夫を持つことは無理かもしれないけれど、人生の伴侶として尊敬できる親友を持てていることに幸福を覚えた。どんな現実も夢物語には勝てないと思っているが、この物語の登場人物たちは実に現実味があって、まるで私がエリザベス友達かのように思えてしまう素晴らしさがある。
再読したい。
Posted by ブクログ
200年前の作品とは思えないほど、作中人物が躍動している。思わず身近な人物を投影してしまうというのは、まさにこの小説がいまだに命を失っていないという何よりの証拠だろう。古典的ということは普遍的ということだ。
なまじ安易なヒューマニズムを振りかざす”社会派”なものを読むよりもこちらの方が、世の中のティーンズたちにとっても得るものが多いのではないかと思う。
全青少年必読の書である。
Posted by ブクログ
キャラクターの性格の個性が際立っていてすご過ぎる!こういう人物たち、今でも全然います。200年前に書かれた話とは思えなかったです。
エリザベスは鋭い人間観察力と同時にお茶目なところも持っているので、人ををからかってみたり、理論立てて言い返したりもできる。意地悪おばさんやめんどくさいおじさんにも、感情的にならずにガツンと言ってやるので、読者的にはスカっ!とします。この子の頭の良さによって、運がひらけていきます。
エリザベスはp277で
「怯えさせようとする人に出会うと勇気が湧いてくる」と言っています。
自負と偏見という題名について。自負はミスター ダーシーの生まれ持っての身分の高さと人を見下す考え方、偏見はエリザベスからみたダーシーの高慢な姿を表しているのかな。
とにかくとてもすきな物語でした。読み終わるのが惜しいくらいワクワクしながら読みました。
Posted by ブクログ
イギリスの田舎町にある貸屋敷に越してきた資産家である独身男性をめぐる、ベネット家の恋と結婚の物語。
とにかく読みやすい。今読んでも何の違和感もないラブコメ。面白すぎる。→
主人公であるベネット家次女エリザベスはしっかり者で我が強く自分を曲げない。
お相手のダーシーは気難しくて口下手。
この二人を中心に、優しく肯定的な長女ジェイン、おおらかで話しやすいビングリー、姉妹の母でやたらと動きが派手なミセス・ベネットに、ベネット家の屋敷を継ぐミスター・コリンズ
他にもしっかり者で年上のエリザベスの友人シャーロットや、絶大な権力をもつレディ・キャサリンなどなど。
とにかくキャラクターが濃くて、バランスが最高で、お話の作り方もうまくて、もう……めちゃくちゃ面白いんだよー!!
古典だからって敬遠しているラブコメ好きはぜひ読んでほしい。翻訳も良き
Posted by ブクログ
新訳のおかげかとても読みやすい。古典にありがちな難解さやひとりよがりな文学趣味に走ったところがなく、ていねいな感情描写とエリザベスの賢い語りで、物語に引き込まれる。
Posted by ブクログ
映画「プライドと偏見」がとても良かったので、原作を読んでみたくて
これが200年前の作品とは!
とにかく、人物描写がすばらしい
魅力的な人、残念な人、鋭い観察眼と絶妙な表現で
今の感覚で読んでみてもまったく古さを感じない
時代背景はまったく違うのに、登場人物の言動に共感したり、とても身近に感じたり
訳者があとで書いているように、200年くらいでは変わらないのだろうか
だからこそ読み継がれているのだろうな
昔夢中で読んだ外国が舞台の少女漫画のような作品
何といってもエリザベスがカッコいい!
オースティンの他の作品も読んでみたくなった
Posted by ブクログ
この時代の人々の結婚に対する価値観に慣れるのが最初は大変でした。
人付き合いのネタも、褒め合い、噂、たてまえ、自慢話ばかりなので、上流の付き合いは楽しさより気疲れの方が印象に残りました。
現代に通ずるところがないわけではないですが、なかなかヘビーです。
こういうところに慣れると、キャラクターの個性や心理描写の細かさにどんどん引き込まれました。
主人公エリザベスの観察眼はなかなかのものですが、それでも噂に振り回されるところは結局現代人も同じだなと思いましたし、どこかしらに属して生きている以上先入観ゼロというのも難しいことなのかなと考えたりしました。
長女ジェインの方にはあまり共感できず、ここまでお人好しだと今の時代でも浮いてしまいそうだと思いました。
大筋は恋愛小説ですが、とても考えさせられる作品でした。
こんな人いるいる!
なろうや悪役令嬢ものが好きで、あらかた読んでしまったので古典に手を出しました。
悪役がいい味出してます。
役割による人物像のデフォルメがないため、ヒーローもヒロインも悪役も人物に面白みがあります。こういう人いるいる、って感じの。
200年前のナポレオンが生きていた頃の時代にもこんな人いたんだなぁとしみじみ思いました。嫌な人は万国共通!
読みにくい点として、名前がややこしいです。
主人公エリザベスは家族からリジー、友人からイライザ、ミス+苗字など呼ばれます。他の登場人物も名前やミス+苗字で呼ばれてて誰が誰やら…
ミスター・苗字で書かれてた人がいきなり名前で呼ばれた時には新しい登場人物かと思ったり。
ハリーポッターを初めて読んだときみたいに、人物メモとりながら読むとわかりやすいかも。
なろうの人たちも読めばいいのにと誰かが言ってましたが納得。
なろうのようなストーリー展開ですが、登場人物がおもしろいです。
Posted by ブクログ
なろう小説の悪役よりも香ばしい悪役がより人間味を持って出ているので、作者は素晴らしい人間観察の眼とそれを書き起こす技術を持っていたのだろう。おおよそ百年前なのに。
現代社会の世相を反映してか、最近見る悪役はいわゆる悪役ではなく、こちらの常識に当てはまらないキャラが多いと感じる。思わず「は?」と言ってしまうようなキャラだ。
本作もその手のキャラクターを大盤振る舞いしているが、全員筋が通っている(人間性の筋ではなく、実存性の筋というか)。リアリティがすごい。実際にいたんでしょうか。
悪役を書くことは鮮明に作者の力量を表現することだとこの小説を読んでいて強く思う。
主人公に感情移入できるところ、恋愛事情のもつれ方とその顛末といった場面は当然に面白い。
しかしこの小説が今まで残っている理由は、「人間を克明に表現できている」からだと思う。
何が言いたいかというと、全てのなろう小説家がこの小説を読んだら、なろう小説はもっと面白くなるんじゃないかということである。
Posted by ブクログ
『自負と偏見』ジェーン・オースティン著
[本について]
ラブストーリーの原点とも言うべきジェーン・オースティンの代表作。幸福な結婚に必要なのは恋心か打算かという普遍の真理を軽妙な物語に織り交ぜた永遠の名作。
[あらすじ]
5人姉妹の次女エリザベスを主人公に、性格も考え方も異なる登場人物らの恋愛、結婚に対する思いが交差する。
イギリスの静かな田舎町の貸屋敷に資産家ビングリーが引っ越してきた。長女ジェインとビングリーが惹かれ合う一方、エリザベスはビングリーの友人ダーシーの高慢さに反感を抱く。しかし気難しいダーシーは我知らず、エリザベスに惹かれていくのだが…。
恋の邪魔者である“プライド”と“偏見”。素直になれない男女のロマンスの行方は…?
[感想]
世界的名作という括りから今まで食指が動かなかったのだが国際の授業をきっかけに読むことに。ど真ん中を行くラブストーリーでありながら、登場人物の言動からその性格を感じさせるオースティンの自然な文体に惹き付けられる。一見なんでもない言動が後の伏線になっている事が多々あり読者を飽きさせない。文章の性質上、実学主義な人には向かないかもしれないが、人間観察が好きな人には是非とも読んでいただきたい作品。
逸る気持ちに任せて勢いで読むのもいいが、言葉にされない感情や小さな言動の変化に気づいてニヤニヤしてしまう私のような人には精読もオススメ。
ちなみに『プライドと偏見』という邦題で映画化もされておりこちらはアカデミー賞4部門ノミネート。美しい映像から当時の階級差を想像しやすいのに加え、なにより超絶美人なキーラ・ナイトレイ主演(2005年版)なのでこちらもぜひ!
Posted by ブクログ
堅苦しいタイトルとは裏腹に、たくさんの人の思いが交錯する恋愛小説でした。愛情や友情などのきれいな感情が感動的に書かれているだけではなくて、嫉妬や堕落といった黒いものもコミカルに盛り込まれていて、恋愛小説と一言で片付けるにはとてももったいないような、そんな感じでした。
Posted by ブクログ
多くある翻訳版の中から一番読みやすいとのことで選んだこちら。
セリフが非常に多く台本を読んでいるような気分になり、最初の数10ページでやめようと思ったが、それ以降はみるみるとハマり一気に読み終えた。
典型的な少女マンガ的な展開で、きゅんきゅんしながら読めました。
Posted by ブクログ
終始、面白可笑しい皮肉調で描かれているから、クスクス笑いながら読んでしまう。何か衝撃的な出来事があるわけではないけど、全場面が楽しくて、非常に好きな作品になった。つまらない場面が全くなかった。
登場人物の生き方はみんな違っていて、それぞれの生き方は悲しかったり、惨めだったり、皮肉に思えたりする。人間の性質や流涎している思想の具現化にも思えた。
どの登場人物についても、客観的な納得のいく描写によって、その人間性が鮮やかに描きだされている。仔細な人間描写により、読者は登場人物を身近に感じることができる。物語の世界に引き込まれる。エリザベスがダーシーの人間性を誤認し、嫌悪してしまういきさつ、手紙でのダーシーの弁明、エリザベスの誤解解消への心の動きが、十分すぎる程の説得力を持っていて、読者に自然に感じられるのは、オースティンの描写能力があってこそだなと感じた。
自分も、エリザベスのように人間を批判的に見てしまうところがあるから、非常に共感する点が多かった。共感するからこそ、身につまされる点も多かった。高慢な態度で偏見を抱き、それが正しいと思い込まないように…。
エリザベスは、洞察力が高くて、深く物事を考えるタイプで、社交的で、柔軟性があって、機知に富んでいて、芯があって…何もががカッコいい。地位や階級を重んじる社会を理解して納得してはいるけれど、それよりも人間の尊厳や慈愛を大切にしていて、その信念を貫いているところがすごく好き。こういう人間でありたいなぁと思った。
Posted by ブクログ
タイトルから古典的名作であるということだけは知っていたが、ここまで正統派な恋愛小説であるとは思いもしなかった。
エリザベスがダーシーに対する気持ちを変化させていく描写や、リディアの駆け落ちをきっかけに彼への愛を自覚する場面では不覚にもときめいてしまった。最終的に二人はどうなるのかが知りたくてたまらなくなり、作者の掌でいいように転がされるというこれ以上ない読書体験ができた。
また何度も言われているとは思うが、作中にたくさん登場する変わった人たちの描写が巧みだと思った。個人的にはコリンズがエリザベスに求婚し、断られたのに「若いお嬢さんは心の中では受け入れるつもりでも最初は断るもので、実は私の求婚を後押ししているのかもしれませんね」と自分に都合よく解釈するシーンの「この人会話が通じないな」感に爆笑した。
本筋のエリザベスとダーシーの恋愛模様だけでなく、経済的な理由から打算的な結婚をしたシャーロットの行動の是非や、自分では中立な判断をしているつもりだったのに、ダーシーについて偏見を持っていたことをエリザベスが自覚して後悔する場面などに時代が変わっても通用する普遍性を感じた。翻訳の違いで受ける印象も変わると思うので、読み比べてみたくなった。
Posted by ブクログ
おもしろかった!!
昔に書かれた本なのに、友達の話を聞いているみたいだった。(いい意味です)この世界の片隅に の すずさんを、友達と感じるようになるのと同じで。
久しぶりに夢中になって読みました。
Posted by ブクログ
面白かった。タイトルが取っ付きにくいせいで昔のお堅い小説に見えるが、中身は現代の恋愛にも通じる恋愛小説。コバルト文庫のような少女小説が好きだった人にもオススメ。お互いに探り探りの距離感からの後半~ラストは、エリザベス父の「恋に燃える連中は…埒もあかないことを言うだろう」も含めて凄くいい。ときめくし、ダーシーがそこまで惚れたのかと思うとちょっと笑える。
Posted by ブクログ
モームの世界十大小説のひとつ。(読むのは、カラマーゾフの兄弟、戦争と平和、ゴリオ爺さん、赤と黒、に続いて5作目)
日本で言うと寛政の改革の頃の作品というから驚きだ。(シェークスピアの200年後の作品と思えば十分現代に近いが。)
200年以上前に、宗教も文化もまったく異なる異国で描かれた作品がスラスラ読めてしまうということは、それだけ、人類普遍の真理を扱った作品ということだろう。
テーマは結婚。登場人物は、ほぼ全員上流階級の人たちだが、下はジェントリー(ベネット家)、上は伯爵家(ド・バーグ家)で、身分差は厳然としてある。
ベネット家の5人姉妹、ジェイン、エリザベス(リジー、イライザ)、メアリー、キャサリン(キティ)、リディア、のうち、3人が、物語の終盤バタバタとほぼ同じタイミングで結婚する。
夫の社会的身分・人格が、夫人の気高さにほぼ比例していて、面白い。五女リディアとジゴロ士官ウィッカムのダメ夫婦振りは読んでいて清々しい程だ。ダーシーも助けたりせずに放って置いて破滅させれば良いのに、と思うけれど、「家の恥」の制約は今よりうんと強いのだろう。
最後の方での、エリザベスと、ダーシーの伯母レディ・キャサリン・ド・バーグの間の、未来の嫁姑戦争にも似た舌戦は非常に現代的でおもしろい。レディ・キャサリンの奮闘が裏目に出て、ダーシーがプロポーズの気持ちを固める、という流れはメロドラマのお手本のような筋書きで、後世に大きな影響を与えているのではないだろうか。
エリザベスにとって、ダーシーの第一印象は最低だったのに、いつのまにやら、好意に変わっていく様の自然さは読んでいても不思議なほどだ。
ダーシーの妹ジョージアナが兄夫婦を見て、妻が夫をからかって良い、ということに気付いて驚く、というシーンにドキッとする。この辺りはやはり200年前なんだな。また、作者ジェイン・オースティンの名が作品に付されるようになったのは死後漸く、という点も。
女性の男性を見る目のシビアは、有性生殖がこの世に誕生して以来の普遍の真理だろう。
Posted by ブクログ
ずっと読んでみたいと思いつつ200年以上前の作品を果たして自分が楽しめるか躊躇してた。
購入後、冒頭を少しだけ読んでみようと思ったらあっという間に引き込まれ600ページ超えにも関わらず夢中で読み終えてしまった。
ダーシーの愛があまりに素敵…。
外見・内情ともにあまり語られないので脳内で私だけのダーシーがものすごい勢いで形作られていく。
女性の向上心、男性との対等な恋愛関係、なにより自分自身と相手を認め受け入れ愛することを教えてくれる不朽の名作。読んで本当に良かった。
Posted by ブクログ
今から200年以上も前の西暦1813年にイギリスで刊行された恋愛小説で、題名は『高慢と偏見』と訳されることの方が多いのじゃないかな。映画やドラマは『高慢と偏見』というタイトルで販売されている。
ドタバタというほどではないにせよ、ほぼコメディ小説。「いるよなあ、こういうタイプの人って」と笑ってしまう登場人物だらけで、会話文も現代訳のため、非常に読みやすい。
ただ、例えば主人公のエリザベス・ベネットが状況によって「エリザベス」「リジー」「イライザ」「ミス・ベネット」と様々な呼ばれ方をしていて混乱しやすい。当たり前だがエリザベスの姉のジェイン・ベネットも「ミス・ベネット」だし。
どこかから登場人物一覧や相関図を引っ張ってきて、それを手元に置いて参照しながら読むと良いかも。
Posted by ブクログ
タイトルの「高慢と偏見」は、ダーシーの高慢さとエリザベスの偏見を表しており、人の本質を見極めることの厳しさが感じとれた。
物語の結末はハッピーエンドで、後味の良い作品であった。特に印象的であったのは細かい人物描写で、現代にも通じる普遍的な感情や価値観などが描かれており、名作とされているのに納得がいった。
Posted by ブクログ
読むのに3週間かかった。
解説にもあったけれど、登場人物の誰もが欠点を持っており、その欠点を欠点のまま描いている。いうなればその欠点こそが物語を先にすすめる推進力になっていた。だからこれだけドタバタとする。もどかしいくらいに。
コリンズが出てきたら話が長くなるから読んでいてコリンズかよとうんざりする。リディアやミセス・ベネットは終始何もわかっていない。確かに筋は一組の男女の結婚までの経緯を描いたごくありきたりのものなのだけれど、各人間のキャラクター性がいきいきと躍動していた。その結果、読む側は頁をめくるのがのんびりとしたり、すいすい読めたりする。そしてこの結末に大満足である。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ良い
やな奴!から始まる恋愛ってなんでこんな素敵なんだ。ダーシーに対する偏見が解かれていく描写が見事。堅物だった男が素直に愛を伝える仕草にどきどきした。エリザベスは知的でチャーミングで可愛い
当時のイギリスの背景も知れて面白い。いつになっても結婚って大変そうだ
Posted by ブクログ
19世紀初頭の貴族の恋愛小説。これは古典たけれど、内容はライト・ノベルではないかと思った。
田舎の貧乏貴族で容姿は普通、鋭い観察眼を持つエリザベスが、都会のツンデレ貴族・実はいい奴のダーシーと結婚するまでのストーリーだが、登場人物が軒並み個性的で面白い。
面倒くさがりの父、娘の結婚が全ての俗物の母、お人好しで美人の姉ジェーン。オタクの三女メアリ。ギャルの末妹リディア。生活のために結婚する友人シャーロット。容姿性格は良いが世間知らずのボンボンのMr.ビングリー。弁舌さわやかな色男のウィカム氏。人見知りでブラコンのダーシーの妹ジョージアナ。などなど。
スピード感がゆったりしているのが時々気になるけれど、江戸時代に作られた小説と思えば大した作品です。誰かコミカライズすればよいのに!
一般的には「高慢と偏見」と呼ばれている小説だけれど、PRIDEをどう訳すかが難しいところ。エリザベスのダーシーへの第一印象というところからすると高慢というのは適当だが、分かりにくい気がする。
Posted by ブクログ
二百年前!?の作品!?と思えるくらいすごい。
しかし、二百年経っても人間の強欲って変わってないねんなぁ。。
お金目当てで結婚したい人ってずっとおんねんなぁ。
そんな中、心から尊敬できる人じゃないと結婚出来ひんって芯がある人がやっぱりかっこいい。
私も、そうでありたい。
そして、ダーシーのような人に出会いたい。
Posted by ブクログ
小山氏の新訳のおかげで、すらりすらりと読めた。が、ほとんどは女性たちの井戸端会議の会話で構成されていて退屈。延々と続く噂話の繰り返し。
当時のイギリスでの結婚は壮大な「ファミリービジネス」、女性はその駒にすぎない。
結婚=お金と思えない、未来を描かなかった自分を浅はかと思いつつも、なんと自由に生きたのかとため息が出た。
Posted by ブクログ
イギリス文学を代表する恋愛小説であり、オースティンを代表する作品。『傲慢と偏見』という邦題でも知られており、自分はこの邦題で本作を知っていたため、『自負と偏見』という邦題は新潮文庫版を手に取って初めて知った。オースティンの作品を読むのは『説きふせられて』(岩波文庫)に続いて2作品目。オースティンは人間観察の能力が非常に長けている印象を受けた。プライドが高く自分自身の意見を率直に言えない気難しいダーシーの姿の描写は、オースティンのこの能力の高さを表していると感じた。実際にいそうな人物であり、こんな人身近にいるよねと思わされるダーシーの作中での振る舞い方を描く部分こそ、本作の大きな魅力の一つだと感じた。
Posted by ブクログ
はじめは、舞踏会したり出会ったりお姉さんが風邪引いたりなんやかんや普通の日常で、ミスとかミスターとか名前がややこしいしダルいなーと思っていた。けれど、中盤から引き込まれ、怒涛の勢いで読み終えることができた。
ミスターダーシー、かっこよかった。知人に似ている、と思った。こんな普遍性ある物語が200年前に書かれていた事にも感激。
Posted by ブクログ
イギリス中産階級の制度や暮らしぶりが興味深い。他人を食事に招待しすぎで、やたら、よその家に長期滞在するし、みんな言いたい放題のやりたい放題。
階級や財力が結婚の条件に必要な為、お相手選びが露骨過ぎて、引いた。ハッピーエンドではあるが、義理の家族が強烈なのでこの先、上手くいくのだろうか。エリザベスには、傲慢さを控えてもう少し謙虚になって欲しいと思ってしまった。