あらすじ
イギリスの静かな田舎町ロングボーンの貸屋敷に、資産家ビングリーが引っ越してきた。ベネット家の長女ジェインとビングリーが惹かれ合う一方、次女エリザベスはビングリーの友人ダーシーの気位の高さに反感を抱く。気難しいダーシーは我知らず、エリザベスに惹かれつつあったのだが……。幸福な結婚に必要なのは、恋心か打算か。軽妙な物語(ストーリー)に普遍の真理を織り交ぜた、永遠の名作。
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Posted by ブクログ
この時代の人々の結婚に対する価値観に慣れるのが最初は大変でした。
人付き合いのネタも、褒め合い、噂、たてまえ、自慢話ばかりなので、上流の付き合いは楽しさより気疲れの方が印象に残りました。
現代に通ずるところがないわけではないですが、なかなかヘビーです。
こういうところに慣れると、キャラクターの個性や心理描写の細かさにどんどん引き込まれました。
主人公エリザベスの観察眼はなかなかのものですが、それでも噂に振り回されるところは結局現代人も同じだなと思いましたし、どこかしらに属して生きている以上先入観ゼロというのも難しいことなのかなと考えたりしました。
長女ジェインの方にはあまり共感できず、ここまでお人好しだと今の時代でも浮いてしまいそうだと思いました。
大筋は恋愛小説ですが、とても考えさせられる作品でした。
Posted by ブクログ
『自負と偏見』ジェーン・オースティン著
[本について]
ラブストーリーの原点とも言うべきジェーン・オースティンの代表作。幸福な結婚に必要なのは恋心か打算かという普遍の真理を軽妙な物語に織り交ぜた永遠の名作。
[あらすじ]
5人姉妹の次女エリザベスを主人公に、性格も考え方も異なる登場人物らの恋愛、結婚に対する思いが交差する。
イギリスの静かな田舎町の貸屋敷に資産家ビングリーが引っ越してきた。長女ジェインとビングリーが惹かれ合う一方、エリザベスはビングリーの友人ダーシーの高慢さに反感を抱く。しかし気難しいダーシーは我知らず、エリザベスに惹かれていくのだが…。
恋の邪魔者である“プライド”と“偏見”。素直になれない男女のロマンスの行方は…?
[感想]
世界的名作という括りから今まで食指が動かなかったのだが国際の授業をきっかけに読むことに。ど真ん中を行くラブストーリーでありながら、登場人物の言動からその性格を感じさせるオースティンの自然な文体に惹き付けられる。一見なんでもない言動が後の伏線になっている事が多々あり読者を飽きさせない。文章の性質上、実学主義な人には向かないかもしれないが、人間観察が好きな人には是非とも読んでいただきたい作品。
逸る気持ちに任せて勢いで読むのもいいが、言葉にされない感情や小さな言動の変化に気づいてニヤニヤしてしまう私のような人には精読もオススメ。
ちなみに『プライドと偏見』という邦題で映画化もされておりこちらはアカデミー賞4部門ノミネート。美しい映像から当時の階級差を想像しやすいのに加え、なにより超絶美人なキーラ・ナイトレイ主演(2005年版)なのでこちらもぜひ!
Posted by ブクログ
ずっと読んでみたいと思いつつ200年以上前の作品を果たして自分が楽しめるか躊躇してた。
購入後、冒頭を少しだけ読んでみようと思ったらあっという間に引き込まれ600ページ超えにも関わらず夢中で読み終えてしまった。
ダーシーの愛があまりに素敵…。
外見・内情ともにあまり語られないので脳内で私だけのダーシーがものすごい勢いで形作られていく。
女性の向上心、男性との対等な恋愛関係、なにより自分自身と相手を認め受け入れ愛することを教えてくれる不朽の名作。読んで本当に良かった。
Posted by ブクログ
タイトルの「高慢と偏見」は、ダーシーの高慢さとエリザベスの偏見を表しており、人の本質を見極めることの厳しさが感じとれた。
物語の結末はハッピーエンドで、後味の良い作品であった。特に印象的であったのは細かい人物描写で、現代にも通じる普遍的な感情や価値観などが描かれており、名作とされているのに納得がいった。
Posted by ブクログ
19世紀初頭の貴族の恋愛小説。これは古典たけれど、内容はライト・ノベルではないかと思った。
田舎の貧乏貴族で容姿は普通、鋭い観察眼を持つエリザベスが、都会のツンデレ貴族・実はいい奴のダーシーと結婚するまでのストーリーだが、登場人物が軒並み個性的で面白い。
面倒くさがりの父、娘の結婚が全ての俗物の母、お人好しで美人の姉ジェーン。オタクの三女メアリ。ギャルの末妹リディア。生活のために結婚する友人シャーロット。容姿性格は良いが世間知らずのボンボンのMr.ビングリー。弁舌さわやかな色男のウィカム氏。人見知りでブラコンのダーシーの妹ジョージアナ。などなど。
スピード感がゆったりしているのが時々気になるけれど、江戸時代に作られた小説と思えば大した作品です。誰かコミカライズすればよいのに!
一般的には「高慢と偏見」と呼ばれている小説だけれど、PRIDEをどう訳すかが難しいところ。エリザベスのダーシーへの第一印象というところからすると高慢というのは適当だが、分かりにくい気がする。